青山学院高等部 入試対策
2017年度「青山学院高等部の数学」
攻略のための学習方法
・平面図形の対策
平面図形は毎年出題されていて、複数題出題されることが多い。終盤で出題される問題は、見た目よりも難易度が高いことが少なくないので注意したい。しかし、本校受験生であれば難しすぎる問題ではない。発想力はそれほど必要としないが、あらゆる方向性から考えないと、的確な方針が見つけにくいだろう。やや難しい問題にも数多く触れて経験を積んでおくとよい。
・立体図形の対策
立体図形の出題は、ほぼ毎年出題されている。かなり難しい問題が出題される場合があるので注意したい。得意な受験生は、ある程度難しい問題にも慣れておかなければならない。苦手な受験生には負担が大きいので、標準的な問題に対応できるようにしておけばよいだろう。
・関数の対策
関数の問題は毎年出題されている。図形分野に比べると、標準的で典型的な問題が多い。関数の学習をしっかり行えば十分対応できる問題がほとんどなので、難関私立高向けの問題集や塾のテキストの標準的な問題にはしっかり取り組みたい。
・方程式を利用した文章題の対策
文章が長い問題は難しそうに思える。解きにくいと感じた場合は、いきなり方程式を立てようとしない方がよい。まずは、問題文に書かれている内容を整理することを大切にしたい。図や表に整理してみるのもよいだろう。問題文を整理していくと、解法のポイントが見えてくるので、この段階になってから方程式を立てると解きやすくなる。普段の学習においても、問題文を整理してから方程式を立てる習慣をつけておくとよい。
・全体的な対策
本校の問題は、受験生のレベルを考えるとそれほど難しくはない。しかし、試験時間にはあまり余裕がない。特に高得点を目指す場合には、中盤までにある程度の試験時間を残しておかないと厳しくなる。
したがって、素早く解くことが大切になってくる。とはいえ、本校の受験生であれば、ある程度の計算力を持っているはずである。そこで、楽に解く方法を考えるようにしたい。本校の入試では、途中式を書く必要がないので、解き方を工夫すればかなり楽に解ける問題もある。これは雑に解くという意味ではない。答えを求めるのに必要な部分のみに注目して、計算処理を楽にするということである。それは、単に問題演習を行うだけでなく、別の解法を考えることによって可能になる。自分なりに工夫しようと意欲的に取り組んでみるとよい。
ただし、入試が近づくまでは、丁寧に解くことも大切である。丁寧に解くときと、積極的に工夫して解くときを、バランス良く使い分けることが大切である。
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2017年度「青山学院高等部の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
問題量の割に試験時間が短いことが本校の特徴である。しかし、昨年度の問題がやや難しかった影響か、今年度は質的にも量的にもそれほど厳しくはない出題である。高得点が狙いやすい一方で、つまらないミスには注意して取り組むようにしたい。
【大問１】計算と一行問題
- 時間配分：2分
(1)は文字式の計算問題
(2)は、回転体の体積を求める問題。円柱から三角すい2つを取り除いけばよい。
【大問2】立体図形
- 時間配分：3分
四角すいを回転させる問題である。
(1)は、三平方の定理を使えばすぐに求められる。
(2)は、回転させた様子がわかるように、横から見た図を書いてみればよい。図をきちんと書けば、それほど難しい問題ではない。
【大問３】確率
- 時間配分：7分
さいころの出た目によって、点を動かす問題。
(1)(2)ともに、条件に合うような目の出方を調べたうえで、確率を計算することになる。考え方は難しくないが、調べる作業などが必要になるので、多少時間がかかるだろう。
【大問４】二次関数
- 時間配分：9分
(1)は、直線の式を求める問題。基本的な問題である。
(2)も基本的な問題。
(3)は、四角形ACDBが正方形になる条件を考える問題。典型的な問題なので、この問題も正解しておく必要がある。
(4)は考えにくい問題。2つの四角形の面積を求めて考えようとすると、うまくいかない（3次方程式になってしまい、中学生の範囲では解けなくなる）。直線lの傾きに注目して、AEとABの長さの比を求めるとうまく解くことができる。正解者は少なかっただろう。
【大問５】平面図形
- 時間配分：6分
相似に関する問題。定石通りに考えればよいので、十分に練習を積み重ねてきた受験生にとっては、解きやすい問題であろう。あまり時間をかけずに終わらせたいところ。
【大問6】平面図形
- 時間配分：8分
三角形を折り返した図形についての問題。三角形ABCと三角形PBDが相似であることに気づけば、設問の誘導に従っていくことで、(3)まで難なく解くことができる。
(1)は、線分の長さの比に注目すればよい。
(2)は、(1)が正解できていれば難しくない。
(3)は、三平方の定理が利用できるように垂線を引くことがポイント。他にも解法が考えられるが、いずれにせよ、三平方の定理を使うことになるだろう。
【大問7】速さと方程式
- 時間配分：9分
2人の間の道のりを表すダイヤグラムが与えられている問題。まずは、通常のダイヤグラムを作成するとよい。
(1)は、通常のダイヤグラムを作成すれば難しくない。
(2)は、(1)を手がかりに方程式を立てればよい。
(3)は、(2)が正解できていれば難しくない。
攻略ポイント
今年度の問題は、全体的に標準的な問題が多く、取り組みやすくなっている。ただし、【大問4】(4)はかなり難しい。最後の問題まで落ち着いて取り組むためにも、このような問題に時間をかけすぎないように注意したい。
解きにくい問題が少ないので、正確な処理能力が最大のポイントになる。特に、数学が得意で差をつけたい場合は、かなりの高得点が必要になるだろう。解くスピードに関しては、それほど慌てる必要はない。手が止まってしまうような問題を後回しにすれば、時間不足に陥ることはないだろう。