中央大学杉並高等学校 入試対策
2016年度「中央大学杉並高等学校の数学」
攻略のための学習方法
全体的に標準的な良問が多く、極端にひねられた特徴的な問題は少ないので、比較的取り組みやすいテストと言えるだろう。
合格者平均は6割程度であるが、1問の配点を考えるとミスなく確実に得点し、丁寧に開放する姿勢が大切である。
そのためのポイントを以下にまとめておく。
確実な計算力
各設問の配点が高いことを考えると、小さなミスは決して許されない。極端に難解な計算は要求されないので、焦らず丁寧に答えを導く習慣をつけておきたい。
自分で図解する習慣
早慶レベルではよくあることだが、すべての図形の問題に図がついているとは限らない。自分で問題を読んでそれを正確に図示し、それをもとに解答させる問題も出題される。
日頃から図形の問題も図ありきで問題集に書き込んで考えるのではなく、自分でノートに書き出して正答を導く練習をしておこう。
記述力
論理立てて式を作り、必要事項を限られたスペースに簡潔にまとめる記述力が必要。
数学的記述は一朝一夕にできるものではないので、証明問題に限らず、関数や方程式の問題でも証明を書くような感覚で説明と数式をバランスよく書く練習をしておこう。
万が一途中にミスがあったとしても、部分点として加味されることもあるので、1点でも多く得点できるよう、条件を整理して自分の考えを明確に書き出せるように練習しておくことが必須である。
方程式、関数、図形の問題は中3で学習することが中心に出題されるが、中1~2で学んだ内容はそれまでの基盤として当然必要になる。
よって、問題集でよく扱われている「典型問題」を幅広く扱い、今までの内容の復習と並行して解法の基本パターンを身につけておくことで、対応できる幅がかなり広がるだろう。
マイナーな問題にまで固執することはないので、難関高校向けの塾のテキストや問題集を、丁寧に自分で書き出して仕上げる練習をしておくことが大切である。
塾で取り扱いのある「新中学問題集」なら、「発展編」を主に演習するといいだろう。
良問揃いなので、過去問演習はぜひともやっていただきたい。
その際はただ答えを出すのではなく、きちんと記述式で答案を作成する練習もお忘れなく。記述は思った以上に時間がかかる。「やり方はわかったけど答案に書く時間がなかった」とならないように、時間配分の感覚を過去問演習を通して磨いておく必要があるだろう。
見やすい答案を作成し、「満点を目指す」くらいの気概で取り組んでいただきたい。
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2016年度「中央大学杉並高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
極端な難問はないが、どの問題も標準からやや難関レベルで統一されており、そのかわり問題数はおさえられている。
問題数が少ない分各設問の配点が高いので、確実に得点していく得点力と処理能力が要求される。
文字を使って数式を組み立てながら解いていく数学的要素が必要な問題もある。
以下細かく見ていこう。
【大問1】独立小問集合
- 時間配分:大問1合計35分
問1.平方根の計算問題。有理化を焦らず丁寧に計算すれば回答できるだろう。
<時間配分目安:2分>
問2.連立方程式の計算問題。同じ解になることから、aとbを含まない式に注目して先にx,yを求めることができれば必然的にa,bも求められるだろう。
<時間配分目安:2分>
問3.2次方程式の文章題。問題集によく載っている問題なので、見たことがある学生もいるだろう。答えを急がず、xを決めて式を立てることを優先させよう。
<時間配分目安:3分>
問4.場合の数。さいころの問題は個々に考えるより、36パターンを表などにして調べていくほうが案外早く回答できる。ただ数学的な表現がやや難しく、問題の内容を理解するのに時間がかかった学生も多かったかもしれない。
<時間配分目安:5分>
問5.標本調査の問題。問題のレベルとしてはごく基本的なものだが、受験勉強をする際に比較的軽く見がちな単元だけに、事前に問題をきちんと解いて練習しておかないと解法がわからないかもしれない。
<時間配分目安:3分>
問6.1次関数。文字が多いので混乱して解法がわからなかった生徒もいたかもしれない。臆することなく座標を代入して整理することで交点の座標を求めることができるかどうかが分かれ目だろう。
<時間配分目安:5分>
問7.図形の相似。折り返し問題としてもよく使われる図形。△DBEと△ECFの相似は比較的見つけやすいだろう。
<時間配分目安:3分>
問8.円の性質。円周角の大きさは弧の大きさに比例することを利用すればすぐに回答できるだろう。
<時間配分目安:3分>
問9.空間図形(三平方の定理と相似の利用)。立体切断は切り口を延長させて三角すいを作ることによって、相似な図形をたくさん見つけることができる。
<時間配分目安:5分>
問10.数の性質。2016を素因数分解して、素数が残るようにnを設定する。加えてnは2^2と7を因数に持つので、素数は2か3になるところに気付ければ回答できるだろう。やや難題。
<時間配分目安:4分>
【大問2】2次関数
- 時間配分:大問2合計15分
問1.面積比が3:1になることから、AとBのx座標の絶対値も3:1になることを利用する。AとBの座標をtを用いて表し、傾きを求めればℓの方程式を求められる。tを数字として扱い、計算処理で混同しないように注意したい。
<時間配分目安:7分>
問2.問1で求めたℓの切片が3になるので、そこに代入すればtを求めることができるので、比較的簡単に求められるだろう。
<時間配分目安:2分>
問3.関数平面の等積変形。面積が1/3になるということは、底辺を共通と考えれば高さが1/3になるので、それを利用して切片が決まる。
<時間配分目安:6分>
攻略ポイント
問題の分量としてはさほど多くないが、その分1問における配点がかなり高いので計算ミスやケアレスミスはなんとしても避けたいところである。
この年は定番の図形、関数問題に加えて、大問1の問5のように標本調査、問10の数の性質など、例年に比べて新しい要素を含む問題も見受けられた。単元はまんべんなく出題されるので、苦手分野を作らず幅広く練習しておく必要があるだろう。
ただやり方を覚えるだけでなく、日頃から作業をしながら考える習慣を大切にしたい。