獨協埼玉高等学校 入試対策
2019年度「獨協埼玉高等学校の国語」
攻略のための学習方法
長文読解
本校の試験では古文・漢文の出題は見られないので、現代文の読解に力を注ぐことができる。小説5000字・論説文3200字で計8200字ほどの素材文となっている(2019年度)。文章自体の難易度はそれほど難しくはないので、読みやすいだろう。総解答数が33問と少なめであることもあり、時間配分に失敗しなければ、足りなくなることはないと思われる。選択式・並び替え・書き抜き・記述と問題形式は多彩である。とくに記述問題は60字前後のものや字数指定のないものもあり、類似問題でコツをつかんでおく必要がある
記述問題
抜き出し問題ではないものの、傍線近くに答えとなる内容・手がかりがある場合は多いので、まずは前後をよく探すのが鉄則である。字数もひとつの目安で、指定された字数よりやや多いか少ないかくらいの部分が答えに使える場合が多い。内容では、別の言葉で言い換えたり、短くまとめたりした箇所が重要である。
また、書き抜きではないので、設問に合うように語尾や語順を整えることも必要となる。確実なのは訊かれたことにオウム返しに答えてしまうことである。「何をどのようにされたのか」という質問なら、そのままの語順・言葉遣いで答えてしまって良い。
大事なのは訊かれている点「何」と「どのように」を忘れずに答えることである。字数指定がない場合は、解答欄の大きさからだいたい何行くらい書けそうかを見て、1行20字~25字くらいの見当で記述すればよい文量になるだろう。
読解
本校の長文は文章自体さほど難解なものではないし、テーマや論説対象も中学三年生にとってひどくかけ離れたものではないので、無理に難問で練習する必要はないだろう。同程度の難易度の学校の入試問題なども利用しながら、読解問題の基本に沿って訓練すればよい。
すなわち、説明的文章であれば、段落の関係・要点と細部・要旨のまとめ、文学的文章であれば、場面の転換・登場人物の言動や表情・気持ちを暗示する表現など、読解のポイントになる点について丁寧に練習すること。素材文の文字数に慣れ、時間内に一通り終えるスピードをつけること、などである。
前年度より字数が増えているので、今後もこの傾向が続くものとして、多めの文章量で慣れておいたほうが良いだろう。
漢字の読み書き
漢字は読みと書きの両方で出されている。どちらにもなかなか難しい漢字が含まれており、配点も2割を占めて得点源として大きいので、中級~上級レベルの漢字まで身につけて、失点ゼロを目指したい。
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2019年度「獨協埼玉高等学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
小説文5000字・論説文3200字の計8200字ほどの長文読解と漢字10問・言葉の知識数問という構成になっている。総解答数は33問。今年度も古文・漢文の出題は無かった。
素材文はさほど難解なものではなく問題数も少なめなので、読むスピードが遅くなければ時間は足りるものと思われる。記述問題が数問出されるので、あまりに時間を取られ過ぎないよう、同種の問題を多くこなして慣れておくこと。
【大問一】小説の読解
- 時間配分:22分
俳句甲子園のメンバーをそろえるため、主人公は俳句では自分を表現できないと断った来島に俳句の持つ表現力を示そうとする。
問一 1・3・4は動詞に接続する助動詞の「ない」。「ぬ」と言い換えてつながれば助動詞である。
問二 「相手の機嫌を取るように」であるから、好かれようと優しい声を出す「猫なで声」。
問三 「思いがけない方向からのパス」であるから、予想外の理由が付け加えられたとするイが選べる。
問四 主人公の俳句に対する情熱を知っていた斎は、断られてもあきらめない理由が俳句を低く見られたことにもあると予想していたと考えられるので、「やっぱり」。
問五 「短歌を馬鹿にしてる」は「短歌の長さは必要ない、俳句で足りる」の部分を指しているので【4】に入る。
問六 5行後で「表情がまた用心深くなった」とあるので、傍線部では気を許した表情になっていたと思われるので、アを選ぶ。
問七 斎の質問が的を射ていたことと来島への遠慮ない勢いが話をまとめる推進力になっている。
問八 来島に俳句を詠んでもらうためには、来島本人が俳句でも心情を詠みこめることを認める必要がある。
問九 試行錯誤。
問十 「短歌も俳句も似たようなもん」「逆に短歌をやる」など、先輩に対して悪びれもせず思ったことを口に出してしまう無邪気さが、斎には見られる。
【大問二】論説文の読解
- 時間配分:25分
ステレオタイプに陥らないためには「視点を変える」ことが大事で、それがメディアの質を変えることにもなると述べている。
問一 感情や偏見などで物事を正確に見とれないことの例えなので、「色眼鏡で見る」や「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」などが考えられる。
問二 直前で説明されている。そもそもあらゆる情報を集めて摂取することは不可能なのだから、判断を下すための基準となる知識は完全なものではないのである。
問四 この見出し段落は、人はステレオタイプに頼って物事を判断しがちであるという現実を説明している部分であるから、ウがよい。
問五 ナチスドイツの例では一つめに「多様な事物を単純化(問六)し自ら思考することなしに理解できるという感覚を与えてくれること」が危険だと言っている→選択肢ア。二つめに「人は自らの良心を放棄してもステレオタイプを共有するという選択を行う」ので「秩序の基盤に異を唱える者を安易に悪だとバッシングする」と指摘している→選択肢エ。
問七 b~dはステレオタイプに囚われてしまっている側、aは自らの考えで判断している側と分けられる。
問八 方法としては「常識に素朴な疑問を自分なりに投げかけること」である。その具体例としては「インターネットで検索し日本が小さい政府であることを確認する」・「民営化が必ずしも成功していないという論説を見つける」という作業を挙げている。
問九 まずは「視点をずらすこと」である。「常識だと思われていることに疑問を投げかけてみる」のである。それによって、「いろいろなメディアからさまざまな角度の情報を集め、自分なりの見方」を作れるようになるのである。
問十 問九参照。見る側が問九のような姿勢でメディアを選べば、そのニーズ(需要)に合わせてメディアも変わるはずである。
【大問三】漢字の読み書き
- 時間配分:3分
① 快挙――痛快なすばらしい行為。
③ 模倣――まねすること。
b. ぎんみ――念入りに調べること。
c. しさ――それとなく知らせること。
d. たずさわる――関わる。従事する。
e. じゅんしゅ――規則・法律などに従い守ること。
攻略のポイント
類似問題を多くこなしてコツをつかむこと・理想としては普段から読書に親しんで長い文章を読みなれておくこと……長文読解の基本的な対策をしっかり実践して欲しい。読解問題に対しては読書に勝る練習はないと思っていただきたい。
記述問題については30~60字くらいの様々な条件の記述問題を解いて、文字数とまとめ方の感覚をつかんでおくこと。
さらに本校の場合、漢字や言葉の意味などの知識問題がやや難しく、配点も非常に高い場合があるので、読解の訓練ばかりでなく知識問題の対策にも時間を割いておかれたい。