江戸川学園取手高等学校 入試対策
2015年度「江戸川学園取手高等学校の英語」
攻略のための学習方法
出題されている文法事項で重要と思われる事項について、何点か確認したい。
第一に分詞である。分詞は『現在分詞』と『過去分詞』がある。それぞれの用法の中で、しっかり押さえておいて欲しいのが『現在分詞の形容詞的用法』ならびに『過去分詞の形容詞的用法』である。どちらも純粋な『形容詞』ではないが、あたかも文章中で『形容詞』のような働きをするので、『形容詞的』用法と呼ばれる。
それでは、『形容詞』の働きとは何か。端的に言えば、名詞を修飾するということである。したがって、「~ing(現在分詞)」も「過去分詞」も修飾したい「名詞」の前(通常の形容詞の位置)に置かれ、意味は「~している(現在分詞)」、「~された(過去分詞)」となる。
ただし、基本的にどちらも動詞としての機能も持っているので「前置詞句(前置詞+名詞)」や「目的語」を伴う場合もある。そうした場合に、修飾したい名詞の前に「現在分詞」や「過去分詞」を置くと間があき、どの名詞を修飾するのかが分かりづらくなってしまうので、後ろに「分詞」を置く(後置)という方法がとられる。これは、高校英語や大学入試では必須事項である。しっかり今の段階で理解をしておこう。
第二に不定詞である。不定詞は長文読解において極めて重要な文法事項であり、大学入試を見据えた場合にも必ず出題される最重要事項であるので、この高校受験を機会にしっかり学習して欲しい。以下に不定詞の用法を述べるが、分けても重要なのが「副詞用法」であることを念頭に置きながら読んで欲しい。
①「名詞用法」である。名詞的な使い方をする用法である。つまり主語又は目的語になったりする。主語になる例としては「To play tennis is fun.」のような文であり、「テニスをすることは~」となる。目的語になる例としては「The heavy rain made it impossible for me to go out.」である。しかも、この例は「形式目的語」を用いる場合である。
②「形容詞用法」。文字通り、形容詞のような働きをする不定詞である。形容詞の本来的な用法は、名詞を修飾することである。例えば、「I have a lot of work to do.」となる。不定詞(形容詞的用法)は、修飾する名詞の直後に置き「~ための」と訳す。
③「副詞用法」である。これが一番厄介であろう。なぜなら、この用法の中にさらに主要な働きだけでも「4つ」あるからである。
(ⅰ)目的。例文は「You should go to a store to buy a book.」であり、「本を買うために~」となる。
(ⅱ)原因。「I am glad to see you.」の英文で「お会いできて嬉しい」となる。つまり、嬉しい(感情)原因が「あなたと会えた」ことである。
(ⅲ)結果。「His father lived to be ninety.」である。直訳すれば「生きて(結果的に)90歳になった」となり、意味的には「90歳まで生きた」となる。
(ⅳ)判断基準である。例えば「You are kind enough to do such a thing.」。つまり「親切である」という判断基準が「そんなことをする」ということである。
以上、概観的に重要文法事項を述べてみましたが、単に高校受験だけではなく将来的な大学受験を見据えた英語の学習であることを忘れないで欲しい。
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2015年度「江戸川学園取手高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、適語選択問題<7分>。標準的な文法知識や構文をしっかり覚えていれば完答も可能である。
大問2は、単語の定義問題<7分>。説明文も難解ではなく、しっかり読み込み、与えられた文字で始まる単語を考えるのはそれ程困難ではないであろう。
大問3は、正誤問題<7分>。動詞の用法や助動詞の使い方などどれも標準的問題である。
大問4は、対話文の完成問題<7分>。対話の流れをしっかりつかみ、確実に適切な選択肢を選びたい。
大問5は、長文読解総合問題<25分>。使用されている英単語も標準的であり、内容把握もそれほど困難ではないだろう。
大問6は、1文字指定の完全自由英作問題<7分>。一度は見たことのある表現や慣用表現を用い5問中4問は完答したい。
【大問1】
- 時間配分:7分
適合選択問題である。どの設問も標準的問題である。一度は、演習問題で行ったことのある問題ばかりであろう。
(1)のhearは、知覚動詞といわれ後ろの目的語の後に
①動詞原形、
②現在分詞、
③過去分詞という形を取る。
設問の場合には『今、誰かが私の名前を誰かが呼んでいる』ので②現在分詞を選択する。
(5)はsinceがあるので、『(ある時点から)ずっと~している《継続》』という現在完了進行形の形となる。
(9)had betterは助動詞なので後ろには、to不定詞ではなく動詞の原形がくる。
【大問2】
- 時間配分:7分
単語の定義に関する問題。
定義英文もそれほど難解な英文ではない。定義された英単語も、馴染みのあるものばかりなので、スペルミスは絶対に許されない。
(2)one-tenthなどの分数表記は必須事項。また、the number of ~(~の数)とa number of ~(たくさんの~)との違いを明確に覚えておくこと。この大問も、完答を目指したい。
【大問3】
- 時間配分:7分
文法事項の正誤問題。
比較構文や条件を表す副詞節の中での時制は現在形を用いるという原則など、基本的文法事項をしっかり身に付けているかが重要である。何問か確認しておこう。
(4)give upは目的語としてto不定詞ではなく~ingを取る。
(9)は一見すると「私は先週末にテニスラケットを盗まれた」と違和感のない日本語になるかもしれないが、設問の英文ではstealが受身の形で使われており、このままでは「私が盗まれた」という意味になり適切ではない。したがって、この場合は「テニスラケット」(物)主語とした受け身の文章を考える。
【大問4】
- 時間配分:7分
対話文完成問題。
この種の対話文完成問題は、対話の流れを正確に把握することが重要である。全体的にも難解な英単語や表現は見られないので、ここは完答したい。
【大問5】
- 時間配分:25分
長文読解総合問題。
標準的な長文読解問題である。単語・イディオムレベルも難解なものはないので、本文の内容を十分理解したうえで各設問に解答できるはずである。いくつかの設問を見てみたい。
(問3)は文脈の流れの中で、「洞窟絵画の発見者に会いたい」ということに対して、「すでにその人に会っている」と言っているのは、「その人」が目の前にいるからである、と考えると答えは導けるであろう。
(問6)は「作られた」という受け身の意味にしてholeを修飾したいのであるからmadeという過去分詞形にする。文法的には過去分詞の形容詞的用法という極めて重要で基本的な事項なので、現在分詞の形容詞的用法と併せてしっかり覚えること。
(問8)は英文解釈である。have come a long wayには「とてもよくなる、成功する」などの意味があることを踏まえ、本文では「はるかに現代に向かって進んでいた(=進化していた)」と解釈すれば、正解の記号も確実に選択できるだろう。
【大問6】
- 時間配分:7分
完全自由英作文問題。
どれも標準的な英作問題である。指定使用単語があるのでイディオムの正確な知識が求められる。難しい表現、使用英単語はないので、是非とも完答を目指して欲しい。
英作文(特に自由英作)では、与えられた日本文を趣旨を逸脱しない範囲で英文が作りやすいように、日本語表現を修正する(全く違う日本文にしてはいけないのは当然であるが)ことも大事で、結果、英語による表現がより簡単になる場合もある。
例えば、主語が『無生物』であるような英文を自在に活用できるようにしたい。『新聞よれば~である』という日本文を英訳するとき、according to ~(~によれば)というイディオムが思いつかない場合に、『新聞が~と言っている』と日本文を読み替えて、The paper says that ~ と英訳できるようにしておきたい。
攻略ポイント
全体的にどれも標準問題であるので、基本的な文法事項をしっかり習得することが最優先であろう。英単語もそれほど難解なものは出題されていないので、標準英単語集に掲載されている英単語をしっかりもれなく暗記したところだ。
動詞の使い方、つまり目的語を取るのか取らないのか、知覚動詞+目的語の後に動詞の原形がくるのか~ingなのか、又は過去分詞形がくるのかなどに十分慣れておくように。
また、文法事項としては、現在完了形の用法(完了・継続・経験)や関係代名詞、間接疑問文、比較構文、分詞(過去分詞及び現在分詞)の形容詞的用法などは文法書と問題集(標準的レベル)を繰り返し確認するように。
また、対話表現も重要であるので、対話問題の演習も漏れがないようにしておきたい。配点が高い長文読解であるが、300~400単語の長文総合問題を2日に1題というペースで継続して学習して欲しい。