江戸川学園取手高等学校 入試対策
2014年度「江戸川学園取手高等学校の数学」
攻略のための学習方法
全体的には難問の類はない。ほとんどが標準問題といっていいだろう。初見の問題もないはずである。
普段の学習として心掛けてほしいのは「数量編」と「図形編」を万遍なく学習するということである。
演習する問題のレベルとしては、標準問題以上であること。その際に、是非実行して欲しいことは「解答時間を決める」ということである。入試も本番では当然ながら解答時間は決まっている。したがって、普段の学習から解答時間を計る習慣をつけるべきである。問題の難易度にもよるが、江戸川学園取手高校の本年度の入試問題における大問2や大問3などのレベルであれば、10分を目標に集中して解答すること。大事なことは、決して途中で諦めないことである。最後まで、自分の頭で考え自分の答えを出すことである。不正解であった場合に、正解と自分の解答を見比べて、どこが正解と違うのか自分で発見する、そして再度正解へ向け作業を開始する。この作業をどの位繰り返し確実に行えたかが、本当の意味での「数学力」を培うことになるのである。
全ての分野について苦手意識をなくすことである。特に、図形編については何が出題されてもしっかり考え、正解に辿りつくことができるようにして欲しい。ポイントは、定理や原理などについて、根本的な仕組みを知ることである。当然ながら、定理を知らなければ問題は解けないことは論を待たないが、定理を知っているだけで問題は解けるのだろうか。答えは「ノー」である。大事なのは、定理の原理をしっかり学び、理解することである。そして、理解するためには、一度、その定理を自分で証明することである。そのようなプロセスの中で、「数学的物の考え方」、「論理的な思考力」、「合理的根拠の組み立て方」など高度の数学力習得のために必要不可欠な要素を自分のものとすることが可能となるのである。
そのような「数学力」に基づき、次に行うべきことは定理の入試問題への「当てはめ」である。図形においては数量編と異なり、与えられた問題の図形において「どの図形に注目するか」という出発点の発想(着眼点)を的確・迅速に思い描けるようになることは、上位校の合格を勝ち取るためには不可欠である。
例えば、図形編、特に平面図形において「等積変形」という考え方がある。「底辺と高さが同じ三角形は面積が等しい」という考え方である。この原理を表面上だけでなく根本的に理解を深めることができるかどうかである。この理解を深める作業を具体的に考えると、「複数の三角形の一片を平行な2直線の一方に置き、三角形の3点目をもう一方の直線上に置くことである」という考え方を自分の発想として定着させているかどうかである。そのような発想ができれば、本問の大問2の(1)は40秒で正解が出せる。他の問題にも、このような手法が応用できるので、是非とも自分の頭で様々な定理の組み立てが出来るように頑張って欲しい。
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2014年度「江戸川学園取手高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は小問集合問題。設問数は6題である。全て基本問題の類である。一部に見慣れない問題もあるが、基本問題をしっかり解いている受験生にとっては正解もそれほど苦労せず導けるはずである。解答時間は11分。大問2は放物線と直線。解答のために使う道具は有名な定理ばかり。日常的にじっくり考える学習姿勢が重要である。解答時間は11分。大問3は正方形を用いた平面図形。相似の考え方を駆使すること。解答時間は10分。大問4は空間図形と動点と体積の問題。イメージを膨らませて図を書いて問題を視覚化する。解答時間は20分。
【大問1】小問集合問題
- 時間配分:11分
標準問題の集合問題である。(【 】の数字は解答時間を表すこととする)
(1)は割る数と余りの数の差が同じであることに注目。【1分】
(2)は基本的な1次方程式の応用問題。【2分】
(3)直線に関して対称な点を(a,b)とする。2点の中点の座標をa、bで表し、y=2x+1上に存在することから中点のx座標、y座標を式に代入しa、bに関する方程式を求め、更に垂直条件から新たなa、bに関する方程式を求めて、a、Bに関する連立方程式を解く。【3分】
(4)何度か解いたことがあるであろう。基本問題である。【1分】
(5)三角形の内角の和が180度であることより図をかいて考える。∠A=40度であるので、∠B+∠C=140度であるので求める角度は、180度−(140÷2)【1分】
(6)三平方の定理を利用して各辺の長さを出し面積を求める。【2分】
【大問2】放物線と直線
- 時間配分:11分
頻出分野である2次関数である。
(1)A、Bのx座標を2次関数と1次関数の式を連立して解き求め、△OABの面積を求める。【2分】
(2)OBの距離を求め(三平方の定理を利用)、AからOBへの垂線の長さ(回転体の底面の半径)を求める。【3分】
(3)y=−x+kと直線OAの傾きが同じであることを手掛かりに考える。【6分】
【大問3】平面図形
- 時間配分:10分
平面図形の問題。
(1)相似の△を探す。【1分】
(2)2組の相似である△から、AG:GC、AH:HCを求め、AG:GH:HCを求める。ACは正方形の対角線であるので容易に求められる。【5分】
(3)△EGC−△FHCで求める面積が得られる。【4分】
【大問4】空間図形と動点と体積
- 時間配分:20分
空間図形と動点の問題。正四面体であるので各面は正三角形である。予め、正三角形の面積と高さを出しておく。
(1)△OBCの面をかき1秒後のP、Qを書き入れBQを結んで面積比で考える。【2分】
(2)Oから△ABCへ垂線を下ろしたとき、垂線は△ABCの重心を通る。【7分】
(3)求める立体の底面を△OPQとすると、高さは(2)で求めた数値である。【10分】
攻略ポイント
数量編というよりは図形編にウエイトがおかれているようである。確実な計算力がないと、単純な計算ミスが命取りになる。乗法の展開公式、因数分解、2次方程式などの計算力をしっかりつけておくように。図形編では、平面図形と空間図形(立体図形)について十分な練習が必要である。相似の考え方、等積変形、相似比と面積比・体積比の関係はしっかり習得し理解しておくこと。空間図形は、イメージを明確に浮かべ空間という3次元の問題を紙という2次元のレベルで図をかくことで問題を視覚化し、具体的解法を考える。