江戸川女子高等学校 入試対策
2022年度「江戸川女子高等学校の英語」
攻略のための学習方法
問題全体としては、600単語を超えるような長文は出題されていないし、複雑な構文の理解を確認するような出題もなされていない。基本的で標準的な300~400単語の長文総合読解問題を1週間に2~3題演習することで、長文読解対策は十分である。その際に、英文中で使用されている基本的な構文(so ~ that …、not only A but also B、it is ~ for … to - など)を目にしたら、すぐにその訳や文構造を頭で思い描くことができるようになるまで、徹底した構文読解が必要である。
受験生の多くが「時間が足りなくて英文が全部読みきれなかった」「英文が長くなるとどこで切ってどうつなげるのかが全く見えてこない」などの悩みを抱えている場合が多いのではないだろうか。それらの悩みを解消する方法として以下に何点か挙げてみよう。
正確で迅速な読解力
合格するためには「正確で迅速」な読解力を必要である。つまり、精読と速読を同時に行うことができる能力である。仮に、この能力のことを「速精読力」と呼ぶこととする。速精読力を習得するために必要なことは、「一つでも多くの英文に接すること」なのである。具体的には、時間があれば一文でも多くの英文を読み込むことである。その際に、英文を目で追いながら、頭の中で英文の構造を理解し、適切な日本語訳を考えることである。そのためには、以下のことが重要である。
ⅰ)英単語・イディオムの知識を蓄えること
英文を正確に読むためには、「単語」や「イディオム」の知識が不可欠であることは言うまでもない。さらに、シンプルな単語であればあるほど、その単語が持つ意味は重層的であり、その複数ある意味の中から適切な意味を選択しなければ英文を正しく読解することは難しい。一つの英単語に一つの訳しか覚えていないと正確な長文読解もあいまいになり、自分の知っている英単語の意味をつなぎ合わせて「自分で作文をしてしまう」ことにもなりかねない。例えば、poorという単語を見てどのような訳を思いだすだろうか。まずは殆どの受験生は「貧しい」という訳をあてはめるであろう。しかし、poorにはその他にも「かわいそうな、劣悪な、苦手な(不得意な)」などがある。なぜそのような意味が出てくるのかといえば、poorとは「ある基準に達していない(不足)状態」という根源的な意味があるからである。つまり、その不足が「経済的」であれば「貧しい」となり、「スキル的」であれば「苦手な(不得意な)」となるのである。したがって、シンプルな単語ほど、その根源的な意味をしっかり押さえておくと、より正確に英文を理解できるようになるのである。そのためには「英英辞典」の活用も一つの有効な方法であろう。
ⅱ)文法事項を押さえること
単語・イディオムが理解できたとしても、目にした英文を適切に日本語訳ができない、という悩みをよく耳にする。その原因として考えられる最大の要素は、文法知識の欠如である。入試で問われる文法知識は、5文型(特にS、V、O、Cになり得る品詞の識別)、関係代名詞、比較級、不定詞、仮定法、話法、分詞と動名詞である。特に分詞については、現在分詞も過去分詞も形容詞的用法を持っており、入試英文では必ずこれらに関する知識が問われるのである。江戸学女子高校の入試においては、長文読解の問題数より文法問題やイディオムの知識を問う独立した問題が多く出題される。配点的には6割を超える高い配点であるので、そこで高得点を得るためにも基本的な文法事項の理解は、合格答案作成のためには不可欠である。
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2022年度「江戸川女子高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問Aは、単語発音問題<3分>。基本的な発音問題である。完答も可。
大問Bは、単語関係問題<4分>。同音異義語、名詞-形容詞、原級―最上級、動詞現在形―動詞過去分詞、単数形-複数形の問題である。
大問Cは、対話完成問題<6分>。会話の流れを把握し適切な語を考える。会話表現もしっかり押さえておこう。
大問Dは、整序問題<7分>。基本的な文法事項、語法を基準に判断する。
大問Eは、内容真偽に関する長文読解問題<10分>。説明文の長文読解である。内容と文脈を正確に把握する。
大問Fは、説明文の長文読解総合問題<20分>。適語選択、整序、英文和訳、要旨把握、適語補充など総合読解問題。
【大問A】 単語関連知識問題
- 時間配分:3分
基本的な単語発音に関する知識問題である。完答を目指そう。
1.onlyが他の単語と下線部発音が異なる。onlyは[ou]である。
2.heartが他の単語と下線部発音が異なる。heartは[ɑːr]である。
3.radioが他の単語と下線部発音が異なる。radioは[ei]である。
4.policeが他の単語と下線部発音が異なる。policeは[iː]である。
5.peaceが他の単語と下線部発音が異なる。peaceは[iː]である。
【大問B】 単語関係問題
- 時間配分:4分
同音異義語、名詞-形容詞、原級-最上級などの単語関係問題である。
1.同音異義語の問題。oneと同音異義語を考える。
2.名詞―形容詞の関係と同様な関係を示す単語である。
3.原級-最上級の関係と同様な関係を示す問題である。badの最上級はworstである。
4.動詞の現在形―動詞の過去分詞の関係と同様な関係を示す問題である。fellの過去分詞はfallenである。
5.名詞の単数形-名詞の複数形の関係と同様な関係を示す問題である。thiefの複数形はthievesである。
【大問C】対話文適語補充完成問題
- 時間配分:6分
対話の流れを正確に把握すること。また、会話表現もしっかり習得しておくように。
①「ご用件はなんですか」という会話表現である。May I help you? である。
②カッコの後は、she’ll be back「いつ頃戻りますか」とあるのでWhenが入る。
③Secretaryが③を相手に伝えて、相手(Caller)は伝言(message)を伝えているので、「ご伝言は何かありますか?」という趣旨の文になる。May I take a message? となる。
④SecretaryがCallerにファクスで書面を送信しようとしたところ、Callerは…our fax is being repaired at the moment, and it won’t be working until around 2:30.となる。「~まで」を表すuntilが適切である。
⑤SecretaryがCallerの個人情報を聞いている場面である。次に、Callerが自分の名前を述べているのでSecretaryはnameを尋ねていると判断できる。
⑥SecretaryからCallerは名前の綴りを聞かれているのである。1つのKと2つのlである。
⑦SecretaryはCallerに、聞き取った内容が正しいかどうかを確認している場面である。correctが適切である。
⑧SecretaryはCallerに「今日の午後、必ずファックスを送る」ことを約束したのである。したがって、send(送る)が適切である。
【大問D】整序に関する問題
- 時間配分:7分
1.全体的な時制をしっかり捉えること。「~と異なる、~と違う」はbe different from ~である。関係代名詞目的格の省略の文にする。
2.「~をやり終えていない」という表現は、現在完了の否定形で表すこと。また、「やり終える」はfinish ~ingとなることに注意すること。
3.「世界で富士山ほど美しい山はありません」という内容は最上級であるが、提示されている語群からは原級の構文で表現する。There is no other mountain so beautiful as Mt. Fuji in the world.となる。
4.「~してはいけない」はmust not で表す。また、「(ドアを)開けっ放しにする」は受動態で考えてbe left openをmust notに続ける。
5.「とても~なので…」の表現ではあるが、「~」の部分に名詞(=美しい朝)が入るのでsuch ~ that …を用いること。
【大問E】説明文に関する長文読解問題(内容正誤問題)
- 時間配分:10分
本文は、最近話題になっているLGBTに関する説明文である。内容を正確に読み迅速に選択肢の正誤を判断する。内容が正しい選択肢は、
3.AB型の血液型の人の数は、左利きの人の数と同じである。
4.性的志向や性別に関してまだ決めていない人はQグループに含まれる。
5.自治体によっては同性のカップルはパートナーシップ証書を与えられるのである。
6.性的志向を隠すことなくテレビに出演するLGBTの人たちもいる。
7.企業の求人に応募する際に、志願書に性別を記入する必要がない企業もある。
10.筆者は、同性婚は日本で受け入れられるべきであるという意見を持っているようである。
【大問F】説明文に関する長文読解問題
- 時間配分:20分
1は、適語選択問題<2分>。
(ア)2つの質問の「いずれにも」という内容にしたいので、eitherが適切である。
(イ)「魚についてはどうか」という疑問文にしたいので、What(about)…となる。
(ウ)「哺乳類と同じ型の脳波ではない」としたい。…, they do not have the same types of brain waves (as) mammals.となる。
(エ)[3]にOne way …とあり、これと対応する形で「もう一つの方法」としたいのでanother となる。
2は、語形変化問題<2分>。
(a)現在進行形の形にするのでlyingとなる。
(b)後ろにthanがあるので比較級の形を作る。したがって、more quicklyまたはquickerとなる。
3は、整序問題<3分>。
「魚が眠っているかどうかはどのように分かるのでしょうか」という意味の英文を作りたい。まずは、How can you tell で書き始める。そのあとは、whether a fish is sleeping ? と続ける。
4は、英文解釈問題<3分>。
下線部の内容を2つ答える問題である。直後の文にThis means that …. This also means that ….とある。この2つのthat以下をまとめることになる。
5は、要旨把握問題<5分>。
Aは、One way to tell if a fish is resting is to watch what it is doing.を手掛かりに考える。
Bは、By staying in one place, the fish is able to rest even though it does not look like it is actually asleep.から判断する。
Cは、Some sharks, … in order to keep oxygen flowing into their gills.とあることから考える。
Dは、The organ that helps sharks to swim is located in their spinal cord, not their brain.から考える。
6は、適語補充問題<5分>。
オは、魚の「休息」中の反応を確かめるのであるので、restingが適切である。
カは、カッコの直前にmuch longerとあるので、thanが適切である。
キは、「完全に目覚めているときより」という意味の文にしたいので、awakeが最適である。
攻略のポイント
全体的に、複雑な構文や文法事項は出題されていない。極めて標準的な設問である。基本的な文法事項や語法、イディオムは確実に覚えておきたい。文法事項としては、関係代名詞、不定詞、動名詞、比較、話法、分詞(形容詞的用法)などは、特に要注意である。基本的なイディオムも単に暗記しているだけではなく、英文の中でどのような使われ方をするのかをより実戦的に理解する必要がある。そのためにも、さまざまな英文を読み、その中で使われているイディオムや構文に対する理解を深める対策をしっかり行うことが重要である。