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江戸川女子高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「江戸川女子高等学校の国語」
攻略のための学習方法

合格のための「読解力」とは何かを考えてみたい。
読解力とは、文字通り考えると「読み解く力」である。
『現代文の文章は、日本語で書かれているので、日本人であれば何が書かれているかは当然理解できるのだから、現代文攻略のために特段の事前準備は必要がない』
と考えている受験生も中にはいるのではないだろうか。確かに、数学や理科のように明確な客観的原理や原則に基づいて文章を定型的に分解できるものではないことは自明ではある。個人の考え方や価値観の違いも、複数の人間が同じ文章を読んだ場合に違った印象や感想を抱く背景にはその「価値観の違い」がある。

それでは、入試で扱われる文章(小説にしても論説文にしても)は、そのような意味で「読み手」の感覚でいかようにでも解釈が可能になるような文章なのだろうか。答えは「否」である。なぜならば、読み手によって解釈が複数可能であるとするならば「入試問題」として求められる「客観性」を欠いた文章ということになり、それは入試問題としての特性を有していないことにもなる。したがって、入試問題として出題される文章は、そのジャンルがどのようなものであったとしても、客観的かつ論理的に読解が可能であり、基本的にはだれが読んでも「同じ結論に至る」というのが原則である。

しかし、そのような「結論」に至るためには「文章の読み方」がある。それが「読解力」であり「読み解く力」である。具体的には、①キーワードを探す②作者の結論を見つける③特に心情把握を問われる小説では「会話」と「情景描写」に注目する、ということである。

キーワードを探す

「キーワード」とは文中でとても重要な単語・用語である。重要であるから作者は何度も繰り返して使用する。ときには同じ内容について表現を変えて使う場合もある。いずれにしても、熟語になっているような単語などで繰り返し使われているようなものは必ずチェックすることが重要である。

作者の結論を見つける

特に論説文では「作者の結論」が何かを発見し、理解することがとても重要である。作者が結論を論じる場合、必ず「つまり」「したがって」というつなぎ言葉がついている。この言葉を手掛かりに、その後ろに書かれている内容をしっかりと理解することである。そうすることによって、作者が言いたいこと、主張したいことが何であるのかが見えてくるのである。

「会話」と「情景描写」に注目する

特に小説においては「心情把握」が重要である。小説において、「太郎はその時とても悲しく思った」などの心情を表わす直接的な描写は行わない。人物の悲しさは登場人物との会話や情景を描写する中で間接的に描かれるものである。したがって、小説における心情把握が苦手であるという受験生は是非「会話」と「情景描写」に着目して文書を読んでもらいたい。

以上、簡単に入試国語の文章読解におけるポイントを確認したので、今後の勉強に少しでも役立つことができればと思う。

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2021年度「江戸川女子高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】国語の知識問題<4分>。漢字の書き取り問題と語句問題の選択問題である。

【大問2】小説の読解総合問題<18分>。心情把握、品詞問題などが出題内容である。

【大問3】論説文の読解総合問題<18分>。内容把握、要旨理解問題。論説文の的確で迅速な内容理解力が不可欠である。

【大問4】古文の読解問題<10分>。文学史、現代語訳、内容把握が出題されている。基本的な古語、古典文法は確実に押さえておくこと。

【大問1】国語の知識問題

  • 時間配分:4分

問Aと問Bとの選択問題である。

問Aは、漢字の書き取り問題。神社の敷地内を表わす「ケイダイ」、地獄の「サタ」も金次第などの漢字はしっかり書けるようにしておこう。

問Bは、語句問題。「アイロニー」「バーチャル」「リズム」「モラル」「シンボル」外来語をそれぞれ漢字で書かせる問題(2字熟語で答えるが1字は指定)である。

【大問2】 小説の読解総合問題

  • 時間配分:18分

出典は『完璧な病室』(小川洋子著)。

問一は、品詞問題<1分>。「つて」「頃」「匂い」は名詞である。

問二は、語句問題<2分>。
A.「とりとめのない」は、まとまりのなさのことである。
B.「よじれさせている」は、複雑な状態になっているという意味である。
C.「健気な」は、心掛けがよくしっかりしている様子のことである。

問三は、表現選択問題<2分>。XとYに入る語句の組み合わせで適切な選択肢を選ぶ。Xは「家族とか家庭という言葉を耳にした時、それだけが特別仕立ての言葉のように思えて、どうしても…と聞き流せない」のであるから「さらり」である。Yは「この方が、人生としてはずっと…している」に「ざっくり」か「すっきり」のいずれかを選択する。

問四は、内容把握記述問題<5分>。「わたしの不思議」の具体的な内容を本文に即して考える。「わたし」が置かれている家庭環境や生活環境を理解して判断する。

問五は、心情把握問題<2分>。アルバムの写真は集合写真ばかりである。それは、ひかり園の一人として「わたし」も写真に写っているのであり、その写真に一緒に写っている両親は「わたし」の両親ではなく、ひかり園の園長として写っているのである。

問六は、内容把握抜出し問題<3分>。「無花果の記憶」である。無花果に関して述べているのは、冒頭に「自分の中にある古い記憶」を並べると「一番最初の記憶が…焼き付けられている」とあり、その後に「日差しのきつい初夏の午後だった」とある。そしてこの「記憶」の話は、ある日突然やってきた純とのかかわりを含み「純は眉間に少し皺を寄せながら、唇をなめた」まで続くのである。

問七は、心情把握選択問題<3分>。「わたし」が生まれたひかり園が、どうして「一番のどうしようもないできないこと」なのかの理由を考える。「わたし」は両親のもとに生まれた子どもであり孤児ではないのであるので、「わたし」は普通の家庭の子どもでありたいと思っているのであるが両親は「ひかり園」の園長でもある。そのような家庭環境下では「わたし」の願いはかなわないのである。

【大問3】論説文(人間に関する哲学的分野)の読解問題

  • 時間配分:18分

出典は『人はなぜ「美しい」がわかるのか』(橋本治著)。

問一は、適語選択問題<2分>。Ⅰは「自分の都合」とは「脳が勝手に決めた」のであり、「『自分の現実』とはずれていること」がいくらでもあるのである。Ⅱは「性格美人」という意味を本文に即して考える。

問二は、内容把握問題<2分>。「『“美しい”と思える』になること」もあれば「ならないこと」もある。また、「人間は、『自分の都合』」を第一にして生きているのである。

問三は、内容把握選択問題<2分>。「醜い」はなぜ人間だけに関わるものであるかについての理由を選択する問題である。人間は「自分の都合」で「こうあるべきである」という基準を作り、その基準に合致するか否かで美醜を判断するのである。

問四は、内容把握問題<2分>。「どうも人間というものは、そうまでして『容貌の美しさ=美人』という称号」を得たいと思い、「表相」にこだわるのである。「容貌」とは「顔かたち」のことである。

問五は、文脈把握問題<3分>。挿入文の冒頭に「だから」とあり、「『存在の醜さ』を隠そうとして『容貌の美しさ』に走る」とある。本文には「『醜い』と言われることを、人間は怖れ」るのであり、「だから、『存在の醜さ』を隠そうとして『容貌の美しさ』に走る」のである。

問六は、内容把握問題<5分>。
(1)「制度的な美」とは「固定的な価値基準に基づく美」である。
(2)「『生活の中から生み出されたものは、それ自体が固有な美しさを持っている』という思想は、二十世紀になってからようやく生み出された思想」であるがゆえに理解されないのである。
(3)人生にも美醜はあるのであり、それは「成功と失敗」に置き換えられる。そして「失敗」とは、「他人の判断」によって「失敗」と考えているのである。
問七は、内容一致選択問題<2分>。人間は「自分の都合」で生きているのであるが、「自分の都合」は「自分の現実」とはずれていることがいくらでもあり得るものであり、さらに「自分の現実」は「他人の目からはまた違ったもの」になっているのかもしれないのである。

【大問4】古文の読解問題

  • 時間配分:10分

出典は『宇治拾遺物語』。

問一は、文学史に関する問題<1分>。芥川龍之介の作品ではないものを選択する。「浮雲」は二葉亭四迷の作品である。

問二は、現代語訳問題<3分>。
A.「いくばくもなくして」は、「いくらも時間がたたないうちに」という意味である。
B.「思いわびて」は、「悩んで」という意味である。
C.「謀るなり」は、「だます」ということである。

問三は、内容把握選択問題<2分>。「清水に二千度渡りたる事」を「渡さん」と言っているのである。

問四は、内容把握選択問題<2分>。生侍が双六をした相手の「同じようなる侍」のことである。

問五は、内容理解選択問題<2分>。双六に勝った侍には「仏を敬う気持ち」があったのである。その気持ちが良縁に恵まれることにもなったのである。

攻略のポイント

漢字又は語句に関する知識問題の選択、小説、論説文、古文と全ての分野から出題されている。大問1は漢字問題よりも語句に関する知識問題の方が取り組みやすいであろう。小説は本問に限らず、一般的に人物の心情把握がメインであり、本問においても孤児院の園長をしている両親のもとに生まれた「わたし」の家庭環境における一種の「閉塞感」をどう読み解くかである。また、論説文は内容把握が少々難しいかもしれない。文脈を丁寧に読み進め内容の把握をしっかり行うことが重要である。古文は、難解な文章ではないので内容把握は確実に行えるであろう。

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