広尾学園高等学校 入試対策
2023年度「広尾学園高等学校の英語」
攻略のための学習方法
(1)リスニング問題
標準的な問題とはいえ全体との兼ね合いで点数を稼いでおきたい問題になることから、普段から音声学習を取り入れ早い時期から対策する必要がある。準2級・2級の教材や類似過去問を繰り返しやり直すことで、ほとんどの問題で正解を導くことが出来るようになるだろう。後述する音読学習もリスニング対策としては効果的である。ディクテーションは早い時期から行うことで、自分の苦手な音を潰していけるためリスニング問題攻略としては効率が良い。
(2)語句整序問題
大問としての出題はなくなったが、読解問題の中で問われている。細かい事項が問われているわけではないが、文法などのあてはめだけで考えてしまうとやや時間がかかってしまうので、処理時間の効率をあげるため、頭から英文を作るのではなく、英文の基本構造から組み上げプラスアルファを足していくという意識を持ってトレーニングしておく必要がある。
(3)長文読解問題
英文そのものは標準的なレベルのものではあるが、設問処理に時間がかかるものが多く、本文自体は短時間で読みきらなくてはならないため、かなりの速読力を身につける必要がある。問われている問題の多くは内容把握が前提となっているため、いかに早く正確に、回答に必要な範囲での丁寧さをもって読めるかがポイントとなる。
速読能力を高めるための大きな方針としては、英文を前から句ごとに内容を取っていく読み方を身に付けることが必須だ。このためには、音読学習を勉強の中に取り入れることが効果的といえる。声に出して読む場合、前から内容を取らざるを得ないからだ。句ごとに切りながら声を出して読む練習をするとよい。また、パラグラフごとに、一言で大意をまとめる訓練をすることで、読んでいる途中で話の流れを見失わずに無駄な2度読みを廃することができるようになる。本校と同レベルの類似過去問を用いて、速読のトレーニングを行うと良いだろう。
設問処理能力の向上も重要である。説明問題、文整序、英問英答の内容一致問題などがある問題集・類似過去問を利用したい。
(4)自由英作文
まずは、学習した文法・構文を正確に出力する意識を持って書くトレーニングをしよう。基本的な和文英訳トレーニングを先行させるとよい。そのうえで、テーマ・語数的に考えると英検準2級の英作文の過去問・問題集を使って練習するのが効率が良いだろう。
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2023年度「広尾学園高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
リスニング・読解問題2題・自由英作文という構成である。知識系大問が姿を消し大問数が減ったものの、時間がかかる問題が多い。長文を含め、用いられている英文自体はそれほど難しくはないものの、説明・和訳問題と文挿入や内容一致の一部、自由英作文に手間がかかるため全体として時間的には厳しいものとなるだろう。
【大問１】リスニング問題
- 時間配分：
〈Part A〉短い対話文を聴き、その最後の文に対する応答として最も適切なものを選ぶ問題が3題。英文は1度しか読まれないため、集中力を切らさず聞く必要がある。前もって選択肢の内容をしっかり咀嚼しておきたい。
〈Part B〉ディスカッションを聴いて、それに関する質問に答えるという問題。ディスカッション内容をまとめたメモの空欄に入るものを選択肢から選んだり、話者の立場を特定したりなど、内容の聞き取りが問われている。こちらは2度読まれるが、英文はかなり長いため前もって選択肢にしっかり目を通してメリハリのある読み方をする必要がある。
〈Part C〉3つの短い対話が放送され、一部を書き取るというディクテーション問題。書き取る語は年によってやや変動がある。今年は７～９語程度の書き取りがあった。また書き取る語がやや多めなだけではなく、リンキングなど音声変化が生じている部分があるなど、やや難しい箇所がある。
【大問２】長文読解問題
- 時間配分：14分
本文の英文はそれほど長くないものの、設問は時間がかかるものが多く、語句整序、説明問題（35字程度）、和訳問題や、内容一致問題も正しいものすべてを選ぶことが要求されている。ある。また、資料が与えられており、それについての読み取りも併せて問われている。手間がかかる設問が多いため本文はかなりの速度で読んでいかなくてはならない。
【大問３】長文読解問題
- 時間配分：12分
物語文の読み取り。読みやすい英文ではあるものの、状況把握ができるまでやや時間がかかるかもしれない。例年、状況を丁寧におっていかないと結末の意味が分からなくなってしまうものが多く出題される。やや難しいのは、設問最後にある英文全体から問われる内容一致問題である。選択肢が英文であり、また、かなり正確な読み取りが出来ていないと間違いに気がつけないものがいくつかある。本文の根拠となる英文と丁寧に照らし合わせながらでないと答えが絞り切れない。設問処理に時間を割くためにも英文そのものは素早く読み、その際には事後の情報検索の便宜を考えた本文へのマークなどをつけながら読むのが効率的だろう。
【大問４】テーマ英作文
- 時間配分：13分
昨年度より部分英作文がなくなり、自由英作文のみの出題となっている。昨年は立場を選択したうえでリード文に併せて書き始める形であったが、今年はテーマだけ与えられ、60～80語で自分の意見を書くというオーソドックスな形式になった。採点基準には意見の展開の評価も含まれているため、単に間違っていない英語を書くだけではなく、一読了解の筋の通った内容を書く必要がある。しっかり構成してから英文を書き始めたい。
攻略のポイント
トータルで読む英文の分量はそれほどではないものの、設問処理にかなり時間がかかるため、本文自体は英文の語順のまま読みこなしていく速読能力を身に付ける必要があるだろう。知識の補充に努めながらも、早い段階から様々なジャンル・形式の長文読解問題に取り組むことが必要だ。文法・語法系の大問が姿を消したため、英文法の知識はこれまで以上に英文を読むためのツールとして捉え直す必要があるだろう。また、リスニング配点が上がっているため、充実した対策が必要だ。