市川高等学校 入試対策
2016年度「市川高等学校の英語」
攻略のための学習方法
[国語的な運用力]
設問を丁寧に吟味出来るだけの時間を確保するために、英文をどれだけ早く読めるかが大きなポイントである。
語彙に関しては、注訳が多く与えられていることから、単語レベルで難易度が高いわけではない。
英文を読ませて「国語的な運用力」を問うという色合いが強いことから、普段の勉強から思考力を問う設問に取り組む必要があるだろう。
以下、市川高校の英語克服のための具体的な学習方法を見ていこう。
[リスニング問題]
リスニング問題としてはやや難易度が高い問題と言えるが、全体との兼ね合いで取りこぼしの許されない問題になる。
普段から音声学習を取り入れたい。英検3級・準2級の教材や類似過去問を繰り返しやり直すことで、ほとんどの問題で正解を導くことが出来るようになるだろう。
余力があるのであれば、ラジオ講座などを利用することをお勧めする。
後述する音読学習もリスニング対策としては効果的である。
[長文読解]
問われているのは、ほぼすべて実質的には内容把握であるため、いかに早く正確に、解答に必要な範囲での丁寧さで読めるかがポイントとなる。
普段の勉強としては、精読と速読のトレーニングを意識して分けることが大事だ。また、説明文と物語文をバランスよく素材として選択して欲しい。
まず、精読に関しては、英文構造をある程度正確に分析できるようにするため、解説の詳しい問題集を進めていく必要がある。
むろん、本番では全ての英文を丁寧に構造分析しながら読むのは時間的に不可能ではあるが、立ち止まって丁寧に訳さなければ訳がつかみにくいという部分が必ずあり、そしてその部分こそが英語力の有無を試すことが出来ることから、設問に絡みやすいのだ。
したがって、どのような英文でもやろうと思えば英文解釈することが出来る力をみにつけなくてはならない。
文法事項の一通りの学習を早急に終わらせ、英文法を英文を読むためのツールとして捉え直す必要がある。
次に速読に関してだが、やはり前から句・節ごとに訳し下していく練習が必要になる。
きれいな日本語を作ろうとすると、いったん英文の後ろまで目を通して後ろから訳を作ることになり、結果的に一文を二度読むことになってしまい時間がかかりすぎてしまうからだ。
普段の勉強から音読学習を取り入れるのが効果的だ。声に出して読むことで前から読み下す力を身に付けることが出来る。
また、かなりのスピードで読み下していくことになるため、途中で話の流れを見失わないように、各パラグラフを読み終えるたび、そこではどのようなことが述べられていたのかをしっかり確認する習慣を身に付けよう。
そうすることで、次の段落の内容が頭に入って来やすくなるの。物語文に関しては英文量も多くなるうえ、その特有の読みづらさがある。
登場人物の心情の変化や人物関係の整理・場面転換などに意識を払うようにしよう。
【誤文訂正問題】
基本的な事項が問われているとはいえ、誤文訂正問題という形式に慣れていないと素早く答えを出すことは難しい。したがって、一通りの文法語法の学習が終わった時点からは、範囲指定のかかっていない当該型式の問題のトレーニングを行おう。
設問を解く際には、動詞・準動詞から検討するなど、答えにたどり着きやすい手順を確立しておきたい。
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2016年度「市川高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
前述のとおり、大問数はリスニング1題・長文読解問題2題・誤文訂正問題1題。
長文の分量が多く、設問も正確な内容把握が前提となっており、解答に時間がかかる作り方をされていることから、かなりの読解力が要求される。
一朝一夕では対応出来ない問題であるが、英語の地力を問う良問とも言える。
当校の典型的な設問形式に慣れるため、過去問を繰り返すことで時間的な負荷をやや減らすことが出来る。
【大問1】リスニング問題
- 時間配分:
やや長め(350語程度)の英文を聞き、その内容について、放送される英語の質問に選択肢から正しいものを選ぶという問題。
英文そのものが長い上、質問文が問題用紙に書かれていないという難しさがある。
一度目の放送で出来るだけ多くの要素を聴き取ってメモすることも大事だが、その後に流れる1回目の英語の質問をどれだけ正確に聞き取り、2回目の放送をむかえられるかが大きなポイントになる。
【大問2】長文読解問題
- 時間配分:23分
心と脳に関する説明文。英文の難易度はやや高い。設問は全体として内容把握中心の問題となっている。
問1の脱文挿入は、最初の空所が出てくるパラグラフの直前で一通り選択肢の英文に目を通しておくことで効率的に解くことが出来る。ひとつ目の空所から確定させるのではなく入れやすいものから入れることで精度を高め効率的に解くことが出来る事をわかっておこう。
問2は代名詞を補いながら和訳させる問題で、解答がやや長くなる。設問処理に時間がかかる。市川の記述問題は設問処理に時間がかかるものが多いため、普段からしっかり手を動かす勉強も必要だ。
問3の空所補充は容易だが、問4の一語抜き出しは根拠となる英文がやや遠いところにあるので少し難しいかもしれない。
問5の内容正誤問題に関しては、一読目の際に何がどこに書かれているのかを明確にするよう線を引いたりマークをつけたりするなど、本文に事後的な情報検索を考えた手がかりを残しておくほうが良い。
【大問3】長文読解問題
- 時間配分:23分
物語文。こちらも英文量が多い。登場人物が多いわけではないが、その心理を把握するのが難しい英文である。
問1の語句整序を除けば、設問はすべて内容把握を問うものとなっている。
問5の問題文で語られている出来事について述べられた5つの英文を起きた順に並べ替える問題はやや手間がかかる。頭から確定するというより、特徴的な出来事を軸にしてその前後に足したり入れたりするという意識を持つことで効率的に解くことが出来る。
問7の内容正誤問題も、大問3で述べたように、事後的な情報検索の便宜を考えた手がかりを本文に残しながら読んでいきたい。
【大問4】誤文訂正問題
- 時間配分:4分
去年度出題された誤文訂正が今年も出題された(5題)。
誤り指摘のみならず訂正まで要求されているため難易度の高い形式ではある。
もっとも、問われている知識自体は、主語と動詞の一致や準動詞など誤文訂正の典型的な論点が問われているため、当該形式の問題を数多く解き苦手意識をなくしたい。
攻略ポイント
短い時間で長文を読み切らなければ、手間のかかる設問に取り組むだけの余裕がなくなる。そこで、まずは速読力の向上が大きな攻略のポイントとなる。そしてその際には、単に一文ごとの逐語訳をするだけでは足りない。意味のかたまりごとに内容をとり、その上で各文の内容のつながり、パラグラフ間の内容のつながりを意識した読解力の向上を目指す必要がある。
リスニングは普段から音声学習を取り入れることが必要だ。また、記述や脱文挿入などは解くことに慣れておく必要がある問題形式であることから、類似の問題を出す他校の過去問を上手に使いたい。