国際基督教大学高等学校 入試対策
2024年度「国際基督教大学高等学校の英語」
攻略のための学習方法
基本的なイディオムや文法事項はしっかり押さえること。
文法事項について押さえておいて欲しい項目を挙げておく。不定詞についてである。不定詞は高校入試だけではなく次の大学入試においても重要な事項となるので、今の時点でしっかり基本を身に付けて欲しい。
第一に『不定詞』である。不定詞は①名詞用法、②形容詞用法、③副詞用法があることは既に承知しているだろう。中でも副詞用法が一番重要であり大学入試でも明確に理解しているかどうかが問われてくる。
副詞用法について重要な事項を述べる。副詞用法はさらに4つのジャンルに分類される。目的、結果、原因、判断基準である。名詞用法と形容詞用法にはこれほどの多様性はないのでしっかり文法書を見て確認しておいて欲しい。
第二に『比較』である。比較は基本的には現時点での異なる2事象間における違いを比べる(比較)のである。つまり、今この時にA君とB君を比べて、「A君の方がB君より背が高い」ということになる。
したがって、この場合には比較する際の基準となる「データ(この事例ではB君のデータ)」が必要となり、それが『than』以下の内容となるのである。比較に関しては更に、「A君がA’君になった」という比較もある。
つまり、A君に対して時間の経過の中で『身長が伸びた』、『体重が増えた』などの変化が生じA’君になったということである。
第3に『関係詞』である。先行詞が人、物によって、さらに主格、目的格、所有格によってどのような関係代名詞を使うのかをしっかり理解すること。また、目的格は省略可能なので文章中でそれを見抜く練習もしっかり行なうこと。
特に、関係詞の中でも「what」は特殊な関係詞(先行詞を含んでいる)なので、ぜひ一度、文法書で確認しておいて欲しい。また、英文が長くなる主たる原因が『関係詞』である。
受験生は関係詞が出てくると後ろをカッコで括って前に戻って先行詞を修飾させる(~した…)という手法を取るのではないだろうか。前に戻る、つまり前に帰って先行詞を修飾する(返り読み)をしてしまう。しかし、このような返り読みをしていては試験時間を有効に活用できない。
なぜならば、一つの英文を返り読みしてしまうと時間が掛かってしまうからである。特に、国際基督教大学高校のような問題量の多い場合に、返り読みをしていては最後の問題までにたどり着けなくなってしまうかもしれない。したがって、関係詞が入った英文の読み方は返り読みをしないということを心掛けて欲しい。
つまり、関係詞の前で英文を切って、訳を考えるということである。例えば「Yesterday, I met him whom I had given my book ten years ago.」を一緒に考えてみよう。返り読みをしない訳は「昨日、私は彼にあった。そして、その彼に私は10年前に本を与えたのであった」となる。
この英文は単純であるのでこのような訳出方法の有用性は実感できないかもしれないが、複雑な英文になればなるほど役立つ度合いは高まるであろう。自身でも、一度研究してもらいたい。
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2024年度「国際基督教大学高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、対話文の長文読解である<10分>。
大問2は、スピーチの長文読解総合問題である<15分>。
大問3は、説明文の長文読解総合問題である<15分>。
大問4は、エッセーの長文読解総合問題である<15分>。
大問5は、イラストを参照しながら英作文を考える総合問題である<15分>。
イラストの流れを把握したうえで適切な英文を考える。例年、この出題形式である。
【大問1】適語・句選択の対話文読解問題
- 時間配分:10分
全部で20問。一つ一つは基本的な文法知識を求められているものであり、正確な知識をもとにした的確で迅速な解答力が必要である。
設問のポイントは以下の通りである。
①現在完了形(結果)を表す文にしたい。
②one of (複数形)となる。
③「~してもいいですか」という許可を求める表現にするのでMayが適切である。
④次の会話はReally?となっていることより、本問は意外であることを含む文になるので、actually「実は~」が正しい。
⑤前後の内容の関係性を正確に把握すること。因果関係を示しているので、so「だから」になる。
⑥否定疑問文であり、時制は過去である。
⑦文脈的に過去形を選択する。
⑧「たくさんの」という表現を選択したいがa lot of ~がないので、lots of ~を選ぶ。
⑨English(不可算名詞)を修飾する選択肢はa littleである。
⑩情報を追加するような場合に使われる単語はalthoughである。
⑪形式主語構文である。It is ~ to …となる。ただし、問題の箇所は受動態にはならない。
⑫現在完了形(経験)の形にするのでbeforeを選択する。
⑬「古代に」という内容にしたい。選択肢のinは「~のうちに」という意味になる。
⑭前の英文にthe only thing we have in commonとあるので、the sameを選択する。
⑮本問の主語は、前の英文の内容であるのでthatである。
⑯「~についての議論」であるので、argument aboutである。
⑰so ~ that …の構文である。非常に重要な構文であるので確実に覚えておこう。また、sa that ~could…は「~が…できるために」という目的を表す。
⑱friendship with ~は「~との友情」である。
⑲前後の関係からTo tell the truth「実をいうと」となる。
⑳「それほど似ていない」という意味にしたい。
【大問2】スピーチの長文読解総合問題
- 時間配分:15分
問1は、単語の意味を問う問題である<7分>。
[ア]unemployedは「失業中の」である。
[イ]financiallyは「金銭的に」である。
[ウ]deliverは「配達する」である。
[エ]rebuildは「修正する」である。
[オ]securityは「安心」である。
[カ]valueは「価値」である。
[キ]emergeは「抜け出す」である。
[ク]adversityは「逆境」である。
[ケ]qualificationは「資格、技能」である。
[コ]humilityは「謙そん」である。
問2は語句解釈に関する問題である<8分>。
[A]phenomenalは「驚くべき」という意味であるのでvery great or impressiveが適切である。
[B]ascentは「出世」という意味であるのでthe process of moving up to a better position or of making progressが適切であろう。
[C]aimlessは「目的がない」という意味であるのでhaving no direction or planが適切である。
[D]benefitは「恩恵」という意味であるのでa helpful and positive effectが適切である。
[E]foundationは「基礎」という意味であるのでsomething to base something onが適切である。
[F]disciplineは「規律、躾」という意味であるのでthe ability to control the way you live and workが適切である。
[G]setbackは「後退」という意味であるのでa problem that delays something or makes a situation worseが適切である。
[H]painfullyは「苦労して」という意味であるのでwith a lot of effort and sufferingが適切である。
[I]confuseは「混同する」という意味であるのでto make the mistake of thinking one thing is anotherが適切である。
[J]complicatedは「複雑な」という意味であるのでdifficult to understand or deal with because it involves many parts and detailsが適切である。
【大問3】説明文に関する長文読解問題
- 時間配分:15分
Aは、適語選択問題。直後にwe can adjust the size of the lettersとあるので、convenientが適切である。
Bは、適切な選択肢を選ぶ問題。直後のeven though につながる文を選択する。
Cは、適語選択問題。本問を含む段落の要旨と文頭のHoweverを手掛かりに考える。
Dは、単語の意味問題。frequently の意味を問う問題である。「頻繁に」という意味ではあるが、本文中で使用されている意味を考える。文脈を考慮すること。
Eは、英問英答問題。英語での質問内容は「本文によると、人々の読書習慣は近年どのように変化したか」である。
Fは、英問英答問題。英語での質問内容は「本文によると、スクリーンによる読書のうち肯定的な特徴でないものは以下のうちのどれか」である。
Gは、内容理解選択問題。本文にWhen we read a paper book, we stop to deeply consider certain ideas …とある。
Hは、内容正誤問題。正しい選択肢は、「1.テキストメッセージに気を取られた後で、元の通りに同じレベルで集中できるようになるには20分は必要である人もいる」である。
Iは、英文英答問題。英文の質問内容は「読書習慣を管理するために、マリアンヌ・ウルフは何を勧めているか」である。
Jは、内容正誤問題。内容と合わないものを3つ選ぶ問題である。合わないものを選択することに注意すること。内容が合わない選択肢は以下の3つである。
1.2つの方法で読める脳によって、われわれは異なる言語を読むことができるのである。
4.スペインとイスラエルの研究者たちは、スクリーンで読む人々の方が紙で読むよりももっと学ぶと考えていることを発見した。
6.マリアンヌ・ウルフ教授は、スクリーンでの読書と紙での読書はそんなに変わりはないと信じている。
【大問4】説明文に関する長文読解総合問題
- 時間配分:15分
Aは、英文解釈問題。下線部にあるthat wayは、前文のI had a very ordinary childhoodを手掛かりに考える。not everyone で「みんなが~するわけではない」という部分否定である。
Bは、適切語句選択問題。直後にThey asked me questions like …の箇所を参考にしよう。
Cは、適語句選択問題。譲歩を表す接続詞(従属接続詞)であるAlthoughが適切である。
Dは、英文解釈問題。解釈のポイントはto be put in pairs「組にされるべき」である。選択肢の中で合致するのは、The author had to put each sock together with another one that looked the same.である。
Eは、要旨把握問題。直後にShe would leave for three weeks and return with a fully trained canine addition to the family.がその理由である。
Fは、適語句問題。文脈から判断して「目の見える」parents、「目の見えない」childrenである。
Gは、内容把握問題。下線部であるthat thought は直前の“Don’t you feel sad that your parents have never seen you?”を手掛かりに考える。
Hは、適所選択問題。文脈からH-1にはSeeing、H-4にはknowingが入る。
Iは、内容正誤問題。本文の内容と合致する選択肢は以下の通り。
1筆者は父親とチェスをやるのがとても楽しかったので、そのことをとても良く覚えている。
5筆者の子どもたちは、なぜ祖父母が自分たちとアイコンタクトができないかを理解できなかった。
8筆者は盲導犬のトレーナーと彼女の家で飼っている盲導犬を大変尊敬していた。
【大問5】イラストを見ながら場面状況を理解して英文を作文するライティングの力を問われる問題
- 時間配分:15分
A.条件英作文問題。シュンの吹き出しの中は「マンガ」と「ゲーム機」のイラストが描かれている。したがって、「どちらをやろうか?」という内容の英文を考える。
B.整序問題。4のイラストではシュンは「あくび」をしており、6のイラストではI just skipped 10 seconds!と話している。語群のなかに、boringがあることより、「このシーンは退屈でおもしろくない」という内容でまとめる。
C.条件英作文問題。7のイラストではDo you often skip scenes ?とトシがシュンに尋ねている。それに対してシュンはOf course !と答えているが、その理由は8のイラストから「やることがたくさんあるから時間を無駄にしたくない」という趣旨の内容にまとめる。
D.条件英作問題。トシはシュンに「『君の考え方(違った考え方)はわかるけど、誰かと一緒に映画を見ているときは』、相手にスキップしても良いかを聞くべきだよ」という内容になる。
攻略のポイント
相当な英語力を求められている。中学校では学習しないような英単語も極めて多くみられる。毎年、長文が出題されるが、事前の準備をしっかりしておかないと試験本番では時間切れになってしまう。
したがって、最大の得点源である長文において高得点を確実にするためには、難関校の入試問題、特に長文読解問題を集中的に演習することが重要である。
また、長文(500~600単語)をただ漫然と読むのではなく、読了時間(5~6分)を決め、緩急をつけて読む手法も必要である。入試英文を読む際に「緩急」をつけるとは、必要であると思われる個所はじっくり読む(精読)、あまりテーマとは関係なさそうな個所はさっと読む(速読)という具合に、本文通読にメリハリをつけるということである。また、設問の一つ一つは基本的な文法事項やイディオムの知識があれば十分に合格点は取れるので、基本をしっかり押さえておこう。