国際基督教大学高等学校 入試対策
2017年度「国際基督教大学高等学校の英語」
攻略のための学習方法
基本的なイディオムや文法事項はしっかり押さえること。文法事項について押さえておいて欲しい項目を挙げておく。不定詞についてである。不定詞は高校入試だけではなく次の大学入試においても重要な事項となるので、今の時点でしっかり基本を身に付けて欲しい。
第一に『不定詞』である。不定詞は①名詞用法、②形容詞用法、③副詞用法があることは既に承知しているだろう。中でも副詞用法が一番重要であり大学入試でも明確に理解しているかどうかが問われてくる。
副詞用法について重要な事項を述べる。副詞用法はさらに4つのジャンルに分類される。目的、結果、原因、判断基準である。名詞用法と形容詞用法にはこれほどの多様性はないのでしっかり文法書を見て確認しておいて欲しい。
第二に『比較』である。比較は基本的には現時点での異なる2事象間における違いを比べる(比較)のである。つまり、今この時にA君とB君を比べて、「A君の方がB君より背が高い」ということになる。
したがって、この場合には比較する際の基準となる「データ(この事例ではB君のデータ)」が必要となり、それが『than』以下の内容となるのである。比較に関しては更に、「A君がA’君になった」という比較もある。
つまり、A君に対して時間の経過の中で『身長が伸びた』、『体重が増えた』などの変化が生じA’君になったということである。
第3に『関係詞』である。先行詞が人、物によって、さらに主格、目的格、所有格によってどのような関係代名詞を使うのかをしっかり理解すること。また、目的格は省略可能なので文章中でそれを見抜く練習もしっかり行なうこと。
特に、関係詞の中でも「what」は特殊な関係詞(先行詞を含んでいる)なので、ぜひ一度、文法書で確認しておいて欲しい。また、英文が長くなる主たる原因が『関係詞』である。
受験生は関係詞が出てくるとどこまでをカッコで括って前に戻って先行詞を修飾させる(~した…)という手法を取るのではないだろうか。前に戻る、つまり前に帰って先行詞を修飾する(返り読み)をしてしまう。しかし、このような返り読みをしていては試験時間を有効に活用できない。
なぜならば、一つの英文を返り読みしてしまうと時間が掛かってしまうからである。特に、国際基督教大学高校のような問題量の多い場合に、返り読みをしていては最後の問題までにたどり着けなくなってしまうかもしれない。したがって、関係詞が入った英文の読み方は返り読みをしないということを心掛けて欲しい。
つまり、関係詞の前で英文を切って、訳を考えるということである。例えば「Yesterday, I met him whom I had given my book ten years ago.」を一緒に考えてみよう。返り読みをしない訳は「昨日、私は彼にあった。そして、その彼に私は10年前に本を与えたのであった」となる。
この英文は単純であるのでこのような訳出方法の有用性は実感できないかもしれないが、複雑な英文になればなるほど役立つ度合いは高まるであろう。自身でも、一度研究してもらいたい。
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2017年度「国際基督教大学高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、会話文の長文読解である<10分>。
大問2は、説明文の長文読解総合問題である<15分>。
中学レベルを超えた英語読解力と理解力が求められる。英検準2級以上の単語やイディオム力は日頃からつけておきたい。
大問3は、説明文の長文読解である<15分>。
大問4は、物語文の長文読解問題である<15分>。
大問5は、イラストを参照しながら適文を考える問題である<15分>。
イラストの流れをつかみ、イマジネーションを働かせること。
【大問1】長文読解(会話文)
- 時間配分:10分
長文読解(会話文)である。全部で20問の設問であり、一つ一つは基本的な文法知識が定着しているかがポイントである。例えば、
① a weekを期間とする前置詞はforである。
② 私たち全員、という表現はwe allとなる。
④ understandの目的語を導きたい。関節疑問の語順は、疑問詞+主語+動詞となる。
⑦「改善する」という意味の単語が適切である。
⑧ 譲歩の接続詞を選択する。
⑨「不況」としたいので、economic slumpとしたい。
⑫ in order to~は、「~するために」である。
⑬「非難する」という意味の単語を選ぶこと。
⑯ 文脈から推察するに「~を見下す」を意味するlook down onである。
⑰ ~に責任がある、とつなげたい。
⑲「~に感動する、~に感銘を受ける」とは、be impressed with~である。
本問の解答時間の目安は10分間。基本的イディオムの知識問題が主であるので、それほど手間取らないであろう。
【大問2】長文読解(説明文)
- 時間配分:15分
説明文の長文読解である。設問内容は、基本的な単語の意味確認である。解答時間は15分。完答を目指してほしい。
問1は、単語の意味を問う問題である。中学では見慣れない英単語も散見される。そのようなときには、前後の文脈で選択肢の中から選べることができるようにする練習が大事である。
例えば、[ア]は直前にhappyやfeel likeから推察すると「感情」となろう。
[イ]はpositiveの反対であるので「否定的」。
[ケ]は直前のowners「飼い主」との対比で考えると「他人、見知らぬ人」を意味する英単語を選択する。このように個別に正解が思い浮かばなくとも、前後の文脈で十分に正解は導くことが可能である。
問2は、語句解釈問題。本問も前問同様、個別単語の意味が不明でも前後の脈絡を頼りに類推は十分可能である。
[A]については、articleの意味は「記事、論文」などであり、いずれにしても「書かれたもの」を意味する語句を選択する。
[F]のphilosopherの意味はしっかり押さえておくこと。
[H]はetchingであり「(エッチングによる)絵」を意味する。
[J]は直後のstay awayを見て考える。orという等位接続詞が手掛かりになる。
【大問3】長文読解問題(物語文)
- 時間配分:15分
説明文の長文読解問題である<15分>。英文の筆者が何を読み手に伝えたいのかを丁寧にかつ迅速に追うことである。
A<指示語>の問題。解答時間<1分>。「暗記パンは、素晴らしい方法」という個所から考える。
B<指示語>の問題。解答時間<1分>。「暗記パン」は、「ドラえもんの道具の1つ」である。「道具」を選択する。
F<英問英答>の問題。設問の内容をしっかり理解し、適切な選択肢を選ぶこと。解答時間は<2分>。
Ⅰ<内容正誤問題>。内容に一致する選択肢を全て余すことなく選び、番号の早い順に書き出す問題である。正しく選択できたとしても、解答形式を無視してしまっては得点も見込めないので十分注意すること。
【大問4】長文読解問題(物語)
- 時間配分:15分
物語の長文読解総合問題である。解答時間は15分。それほどの長文でもなく、内容的にも、難解で全く手が出ないというレベルではないので、手際よく問題にあたってほしい。
Aは、複数の中からある物を取り出して、残ったものについてはthe otherを用いる。解答時間は<1分>。
Bは、適語選択問題である。「~と呼ばれる」という意味の選択肢を選ぶこと。解答時間は<1分>。
Cは、適語・句選択問題である。①の直後の文脈を考えると、unhappyが適切であろう。②のnotの後には、recognize herが省略されている。解答時間は<2分>。
Eの英文解釈は、better funの意味を考えれば、「これ以上の楽しみ」ということである。I は内容正誤問題である。本文の脈絡を丁寧に追いかけ、かつ選択肢の紛らわしい表現の置換に留意し、決してひっかけ問題に足をすくわれないように。解答時間は<5分>。
【大問5】イラストを参照しながら適文を考える問題
- 時間配分:15分
イラストを見ながら場面状況を理解して英作文力を問われる問題である<15分>。
A.は整序結合問題である。解答時間は<3分>。絵2より「有名な野球選手であるスズキ・イチロウ選手はアメリカでプレーしており、3000本安打達成という歴史を作り上げた」という文章に仕上げたい。関係代名詞の主格などの文法知識をベースに考えること。
B.「驚いていない」(結果)は、「数字を目標としていないから」(理由)という因果関係をしっかり捉えて英文を考えること。解答時間は<3分>。
C.適文選択問題である。解答時間は<4分>。絵5は解説の英文を読んでも「朝食の食卓」での状況であることは明確である。右の英文より、テツヤの両親がテツヤの応援に駆け付ける支度をしている状況が読み取れる。
Ⅾ.テツヤはイチロウのコメントから何かを学んだのである。つまりイチロウは、「ファンがいて、その瞬間を一緒に喜んでくれること」が一番だと言ったのである。テツヤにとっての最大のファンは、『両親』であることを踏まえ英文を考えよう。
攻略ポイント
相当な英語力を求められている。中学校では学習しないような英単語も極めて多くみられる。毎年、長文が出題されるが、事前の準備をしっかりしないと試験本番では時間切れ状態に陥ってしまうだろう。
語学である英語は、少しでも長い時間目に触れ、英文を読み込むという行為が重要である。したがって、最大の得点源である長文において高得点を確実にするためには、少しの時間を惜しんでも様々なジャンルの英文に目をふれる(英文を読み込む)ということが不可欠である。
そのためにも、難関校の入試問題、特に長文読解問題を集中的に演習することである。その際にも、長文(500~600単語)をただ漫然と読むのではなく、緩急をつけて読む手法も必要であろう。
入試英文を読む際に「緩急」をつけるとは、必要であると思われる個所はじっくり読む(精読)、あまりテーマとは関係なさそうな個所はさっと読む(速読)という具合に、本文通読にメリハリをつけるということである。そのような読み方をすると、時間短縮にも有益であるし話の骨格が見えてきて、設問に対する正答率も必ず上がるであろう。