国際基督教大学高等学校 入試対策
2019年度「国際基督教大学高等学校の英語」
攻略のための学習方法
基本的なイディオムや文法事項はしっかり押さえること。文法事項について押さえておいて欲しい項目を挙げておく。不定詞についてである。不定詞は高校入試だけではなく次の大学入試においても重要な事項となるので、今の時点でしっかり基本を身に付けて欲しい。
第一に『不定詞』である。不定詞は①名詞用法、②形容詞用法、③副詞用法があることは既に承知しているだろう。中でも副詞用法が一番重要であり大学入試でも明確に理解しているかどうかが問われてくる。
副詞用法について重要な事項を述べる。副詞用法はさらに4つのジャンルに分類される。目的、結果、原因、判断基準である。名詞用法と形容詞用法にはこれほどの多様性はないのでしっかり文法書を見て確認しておいて欲しい。
第二に『比較』である。比較は基本的には現時点での異なる2事象間における違いを比べる(比較)のである。つまり、今この時にA君とB君を比べて、「A君の方がB君より背が高い」ということになる。
したがって、この場合には比較する際の基準となる「データ(この事例ではB君のデータ)」が必要となり、それが『than』以下の内容となるのである。比較に関しては更に、「A君がA’君になった」という比較もある。
つまり、A君に対して時間の経過の中で『身長が伸びた』、『体重が増えた』などの変化が生じA’君になったということである。
第三に『関係詞』である。先行詞が人、物によって、さらに主格、目的格、所有格によってどのような関係代名詞を使うのかをしっかり理解すること。また、目的格は省略可能なので文章中でそれを見抜く練習もしっかり行なうこと。
特に、関係詞の中でも「what」は特殊な関係詞(先行詞を含んでいる)なので、ぜひ一度、文法書で確認しておいて欲しい。また、英文が長くなる主たる原因が『関係詞』である。
受験生は関係詞が出てくるとどこまでをカッコで括って前に戻って先行詞を修飾させる(~した…)という手法を取るのではないだろうか。前に戻る、つまり前に帰って先行詞を修飾する(返り読み)をしてしまう。しかし、このような返り読みをしていては試験時間を有効に活用できない。
なぜならば、一つの英文を返り読みしてしまうと時間が掛かってしまうからである。特に、国際基督教大学高校のような問題量の多い場合に、返り読みをしていては最後の問題までにたどり着けなくなってしまうかもしれない。したがって、関係詞が入った英文の読み方は返り読みをしないということを心掛けて欲しい。
つまり、関係詞の前で英文を切って、訳を考えるということである。例えば「Yesterday, I met him whom I had given my book ten years ago.」を一緒に考えてみよう。返り読みをしない訳は「昨日、私は彼にあった。そして、その彼に私は10年前に本を与えたのであった」となる。
この英文は単純であるのでこのような訳出方法の有用性は実感できないかもしれないが、複雑な英文になればなるほど役立つ度合いは高まるであろう。自身でも、一度研究してもらいたい。
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2019年度「国際基督教大学高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問1】は、説明文の長文読解<7分>。
【大問2】は、説明文の長文読解総合問題<13分>。
【大問3】は、説明文の長文読解総合問題<15分>。
【大問4】は、伝記文の長文読解総合問題<15分>。
【大問5】は、イラストを参照しながら英作文を考える総合問題<20分>。
イラストの流れをつかむことが重要である。例年、この出題形式である。
【大問1】適語・句選択の説明文の長文読解問題
- 時間配分:7分
全部で20問。一つ一つは基本的な文法知識がしっかり定着していれば完答も可。
内容としては、1933年の『晩餐八時』という映画で描かれたチョコレートを食べるシーンから、チョコレートに関する歴史的背景について述べた英文である。
設問の内容は概ね以下の通りである。
①現在完了形(完了用法)が続くので、適切な表現形式を考える。
②主語について注目しよう。主語は、3人称単数現在形(3単現)であるので、適切な選択肢を選ぶ。
③「アステカ人の間で」という内容にしたので、「~の間で」を表す選択肢を選ぶ。
⑥文の初頭は、「1600年初頭は」とあるので、過去形にするのが適切である。
⑦「~と競う」という意味のイディオムを考える。‘compete with ~’である。
⑩逆接を表す接続詞を選ぶ。
⑪「~に初めて登場したようだ」という表現にしたいので、‘seem to ~’を使用すること。
⑬「(人)に(物)を送る」という表現は、‘send+人+物’という形になる。
⑰「~だけではなく…も」という内容を表す‘not only ~ but also …’を考える。この英語表現はお馴染みであろう。
⑳「同じ~」という表現は、‘the same’である。
【大問2】説明文の長文読解総合問題
- 時間配分:13分
日本の伝統的な「手ぬぐい」に関する説明文である。
問1は、単語の意味を問う問題である<5分>。中学では見慣れない英単語も散見される。英検準2級以上の英単語力が求められる。前後の文脈から類推する力も必要である。
- 直後の文内容より「模様」が適切である。
[イ]「薄く」とあるので「布地」を選択する。
[カ]手ぬぐいがハンカチよりも多くの目的に使用できる理由を考えよう。
[ケ]直前に「片面だけに印刷されている」という内容の文章がある。ここを手掛かりに解答しよう。
[コ]‘figure’という単語には、本文で使用する意味の他に「人形、人物、数字、桁」などがある。
問2は語句解釈に関する問題<8分>。
[A]‘absorb’は「吸収する」であるので、「取り入れる=take in」を選択すること。
[B]‘substitute for’は「~の代わりとなる、代用する」という意味なので、選択肢の中の‘take the place of’を選ぶこと。
[G]‘common people’は「庶民、一般市民」という意味であるから、選択肢の中の「権力のない一般」を選ぶ。
[H]「手ぬぐいはいくつかの分類に分けられる」のであり、‘separate into’を使った選択肢を選ぶ。
【大問3】説明文の長文読解問題
- 時間配分:15分
Aは内容把握選択問題<1分>。
恐竜が絶滅した仮説として不適切な選択肢を選ぶ。関連するのは、第1段落に記載されている。
Bは内容把握選択問題<1分>。
恐竜絶滅の主たる理由として気候変動が間違っている根拠を選ぶ問題であり、第2段落に記載されている。
Cは要旨把握選択問題<2分>。
恐竜絶滅の原因が隕石であると最初に考えられた理由を選択する問題である。関連する段落は、第3段落に記載されている。
Dは要旨把握選択問題<2分>。
恐竜絶滅の原因が隕石の衝突にあるということを裏付けたものを選択する問題であり、手掛かりは第3段落にある。
Eは要旨把握選択問題<1分>。
食物の多くが死滅した根本的原因を選択する問題であり、第3段落にヒントがある。
Fは適語選択問題<2分>。
空欄①及び②に、前後の関連から適切な選択肢を選ぶこと。①は逆接の接続詞、②は勝ったという意味の選択肢を選ぶ。
Hは適語選択問題である<2分>。
本文の内容から考えると、人類が今こうしていられるのも「先祖」のお陰なのである。
Iは内容正誤問題<2分>。
2.「気候変動が恐竜悦滅の主要な仮説の一つであった」、4.「肉食動物は草食動物の後に絶滅した」などは内容が本文と一致している。
【大問4】伝記の長文読解総合問題
- 時間配分:15分
本文は、イギリスの天才宇宙物理学者であるホーキング博士に関する伝記である。彼は、21歳の時に筋萎縮性側索硬化症を発病し「車いすの物理学者」として世界的に知られていた。
Aは適語選択問題<1分>。病気を発症した時のホーキング博士の気持ちを考える。
Bは適語選択問題<1分>。
「病気を発症してから50年」としたいので「~後」という意味を表す‘later’を選択する。
Cは適語句選択問題<1分>。
前後の内容が全く真逆になっているので、「一方で」が適している。
Fは英文解釈問題<2分>。
‘audience’は「聴衆」という意味なので、「選手」と訳している選択肢2及び4は不適である。
Hは適語・句選択問題<2分>。
現在完了形(経験)の文章になるので、「~へ行ったことがある」を表す‘have been to ~’となる。
Iは内容正誤問題<2分>。
ホーキング博士が、病気を発病した時の自分が感じた気持ちをしっかり捉えよう。
【大問5】イラストを見ながら場面状況を理解して英文を作文する力を問われる問題
- 時間配分:20分
A.は条件作文問題<3分>。「探している」という表現を表したいので、進行形で書くこと。
B.は整序英作問題<6分>。
書き上げたい英作文は、「よしちゃんを見つけたら、自分(オバタさん)が彼をお母さんも元へ連れてくることを約束した」という内容にしたので、語群から適切に単語を選ぶこと。
C.は整序問題<5分>。
英文は、「丘の上からオバタさんが呼びかけると、誰かが答えた」という趣旨の英文を作りたい。
D.は条件英作問題<6分>。比較級又は最上級の構文をあてはめて文章を書く。
攻略のポイント
相当な英語力を求められている。中学校では学習しないような英単語も極めて多くみられる。毎年、長文が出題されるが、事前の準備をしっかりしないと試験本番では時間切れになってしまう。
したがって、最大の得点源である長文において高得点を確実にするためには、難関校の入試問題、特に長文読解問題を集中的に演習することが重要である。
また、長文(500~600単語)をただ漫然と読むのではなく、緩急をつけて読む手法も必要であろう。入試英文を読む際に「緩急」をつけるとは、必要であると思われる個所はじっくり読む(精読)、あまりテーマとは関係なさそうな個所はさっと読む(速読)という具合に、本文通読にメリハリをつけるということである。また、設問の一つ一つは基本的な文法事項やイディオムの知識があれば十分に合格点は取れるので、基本をしっかり押さえておこう。