城北高等学校 入試対策
2024年度「城北高等学校の英語」
攻略のための学習方法
全般的には標準的な問題であるので、基本をしっかり学習し基本的事項に関する知識を身に付けるべきである。
長文総合問題の占める得点比率が高いであろうから、長文読解については事前の十分な練習が必要である。標準レベルの長文総合問題集で、入試本番までに70~90題(単語数:600~700語)の長文読解問題に取り組んでもらいたい。
ジャンルは、論説、評論、小説、エッセーと様々で多岐にわたっている。
比較的、論説や評論は論旨も明確で文脈を辿ることもそれほどの困難さは感じないはずである。
むしろ、人物の心情を探らなければならない小説は、表面的に文字で内面の世界である人物の心情など書かれていないので、使用されている動詞、副詞、形容詞のニュアンスや使用されているイディオムの違いなどに留意し丁寧な読解を心掛けたい。
日本語の小説でも、人物の内面的な心情の類を把握するのは難しい場合もある。イマジネーションを働かせて、発想を柔軟にして設問の意図を間違えずに理解し解答したい。
英語表現としては、会話における「口語表現」も注意が必要である。
見慣れない会話表現がないように、代表的な口語表現はしっかり押さえておきたい。
また、英単語の持つ微妙なニュアンスの違いを把握しておくことも大事であろう。
代表的なところでは「勇気」を表す「courage」と「bravery」。英和辞典的にはどちらも「勇気」である。
しかし、前者は精神的・内面的強さを表しており、後者は内面的というより腕力的強さを表している。
よって、「インド建国の父」、「無抵抗の指導者」といわれた「ガンジー」は「courage」を持った人物といえる。
また、ドラえもんに出てくる「ガキ大将のジャイアン」は「bravery」な人物ということになる。
このような違いを明確に把握しておくことは、長文総合問題における内容真偽問題において、消去法を用いなくとも正解を特定可能とする知識となる。
また、次のような状況で、「まだ」という英語表現をする際に「yet」を使うのか「still」を使うのかを考えて欲しい。
状況は「太郎君が駅前で19:00に次郎君と待ち合わせをした。18:45に駅に到着した太郎君は、たまたま出会った友人の三郎君から何してるの、と聞かれたとき『次郎君と待ち合わせしてるんだけど、まだ来ない(事例1)』と答えた。
時刻は20:00。太郎君は次郎君を待ち続けている。その時、駅前を通りかかった友人の四郎君から何してるの、と聞かれたとき『次郎君と待ち合わせしてるんだけど、まだ来ない(事例2)』と答えた」。
どうだろう。事例1と事例2のどちらに「still」または「yet」を使うのか。
正解は、事例1が「yet」、事例2が「still」である。
つまり、「yet」には、物事がいまだ完了していない(未了)状態(事例1は約束した時間である19:00前だったので、次郎君が19:00に約束通り来るかどうか確定していない状況)を表す意味があり、「still」には、物事が決まってしまい、その確定状況に変化がない事態が継続(事例2は次郎君が約束した19:00に来ないという事実が確定し20:00においてもその状況が継続)しているのである。
別の観点で考えると「still」には、「依然として」という意味がある。つまり、「ある事実が確定し今でも状況に変化はなく、その状況が継続している」のである。したがって、事例2「still」はとなる。
そのような意味での使い方の違いは日本語にはない。日本語であれば事例1も事例2も「まだ」である。
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2024年度「城北高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、和文英訳(適語補充)問題<3分>。
基本的文法知識(to不定詞、構文、前置詞)をしっかり習得し完答をめざそう。
大問2は、整序問題<7分>。
本問も基本的な文法事項に基づき適切に適語を補充する。基本イディオムの知識も不可欠である。
大問3は、和文英訳(自由英作)問題<7分>。
基本的な語法知識や文法知識を用いて考える。
大問4は、説明文に関する長文総合問題<24分>。
整序、適語選択・補充、語形変化、要旨把握、英文解釈、内容真偽などに関する総合問題である。
大問5は、物語に関する長文総合問題<19分>。
要旨把握、文脈把握、英文解釈、指示語などに関する総合問題である。
【大問1】和文英訳(適語補充)問題
- 時間配分:3分
(1)「~は…するのが易しい」という表現は、be+easy+to不定詞になる。
(2)「~し過ぎて…できない」は、too ~ to …である。
(3)本問の「まで」は期限を表しているのでbyである。同じ「まで」でも継続を表す場合はtillまたはuntilとしっかり区別すること。
【大問2】整序問題
- 時間配分:7分
(1)「…の2倍~」は、twice as ~ as …を用いる。
(2)「高ければいいのに」とは「現在の事実と異なる願望」を意味しているので仮定法過去で表す。
(3)「~が盗まれた」はhave+目的語+過去分詞を使用して表現する。
(4)yesterdayという過去を表す単語と現在完了は同時に使用不可であることを覚えておくこと。
【大問3】和文英訳(自由英作)問題
- 時間配分:7分
(1)「何人かのクラスメート」はsome of my classmatesである。ofは「選択のof」といわれof以下は複数となる。
(2)「1人もいない」はnot ~ any+名詞を用いて表す。
(3)本問では「時制の一致」に留意すること。
【大問4】長文(説明文)読解総合問題
- 時間配分:24分
問1は、整序問題<3分>。
①happens の主語は what、「具合が悪くなったとき」と続けたいのでwhen they go wrongとする。
②本文の内容を十分理解したうえで整序を考える。コンピューターが人間より優位な立場(=支配する関係)になることを述べているのである。
問2は、適語句選択問題<2分>。
《あ》a chess computerを「作る」ために、としたい。
《い》teach+目的語+to不定詞を用いて考える。
《う》使役のmakeを使って考える。
問3は、適語句選択問題<2分>。
Xは、直後の文であるThey did a lot of work on the computer とあることから考えをまとめる。
Yは、直前の文であるAlan Turing himself made this predictionから考えること。
問4は、適語選択問題<2分>。
(a)は、Deep Blueは「今回は」勝利したのである。
(b)は、( )の前後は真逆の関係になっている。
(c)は、文脈的にコンピューターの否定的な意見を重ねて述べているので「さらに」という趣旨の語句を選択する。
問5は、文の整序問題<2分>。
文脈の流れを踏まえると、… and scientists do not always agree on the answersとあるので、科学者たちの意見が一致しないことが分かる。また、SomeとOtherとの関係から各文の順番を考える。
問6は、適文選択問題<2分>。
指示語であるthisは、直前のthese computers begin working for humansの中にある。
問7は、文脈把握問題<2分>。
下線部のitは、直前の文のDeep Blue can look at 200,000,000 different chess moves every second : a human chess player like Kasparov can look at three !を参考に考える。
問8は、英文解釈問題<2分>。
asは後ろに文章が来ているので接続詞であり、かつ比較級を含んでいるので「~につれ」という意味になる。また、soはget betterを表す。
問9は、指示語問題<2分>。
前文にはmusic, like chess,…とあることから判断する。
問10は、英文解釈問題<2分>。
直前の文のa person or a computer がwhich it isとなっている。
問11は、内容真偽問題<3分>。
ウ「Paul Hodgson は、人間のようにジャズ音楽を作るソフトウェア・プログラムを作った」が本文の内容と一致する。
【大問5】長文(物語)総合読解問題
- 時間配分:19分
問1は、内容把握問題<2分>。
本文から、Elyaは15歳、Myraは14歳、Igorは57歳、Madame ZeroniはIgorよりも年上であることより解答は、イ→ア→ウ→エとなる。
問2は、要旨把握問題<2分>。
本文の内容から「女性の父親が結婚に関する決定権」を持っているのである。
問3は、内容把握問題<1分>。
Elyaは、Madame Zeroniにアドバイスを求めに行ったのである。
問4は、内容把握問題<2分>。
文脈か判断すると、Madame ZeroniはElyaとMyraの結婚に反対していると判断できる。
問5は、英文解釈問題<2分>。
下線部の訳としては「Myraの頭は植木鉢と同じくらい中身がない」という意味である。つまり「美しいだけ」なのである
問6は、内容解釈問題<3分>。
本文にある「よい判断」とは何かを考えること。
問7は、指示語問題<1分>。
He will growという発言から判断できるであろう。
問8は、内容把握問題<1分>。
本文の内容から判断すると、Myraの誕生日が子豚を山まで運ぶ最後であると理解できる。
問9は、文脈把握問題<3分>。
豚も成長するがElyaも成長するという趣旨のことをMadame Zeroniは考えているのである。
問10は、文脈把握問題<2分>。
ElyaはMyraがどのような人物であるが分かったのである。MyraはMadame Zeroniが言ったとおりの人物であった。
攻略のポイント
難問を演習するよりも、標準的な問題をしっかり演習することを優先すること。
文法的知識が求められるが、ハイレベルな知識ではなく基本的事項を確実に覚えること。
5文型、比較、関係代名詞、仮定法、接続詞、前置詞、不定詞、時制、現在・過去分詞の形容詞的用法などは、入念に仕上げて欲しい。
長文は、読みなれていない受験生にとっては、内容把握、文脈整理が容易ではないだろう。
標準より長め(600~700単語)で、評論、論説、エッセー、小説等あらゆる分野の英文を読んでおくことが必要である。