城北高等学校 入試対策
2023年度「城北高等学校の英語」
攻略のための学習方法
全般的には標準的な問題であるので、基本をしっかり学習し基本的事項に関する知識を身に付けるべきである。
長文総合問題の占める得点比率が高いであろうから、長文読解については事前の十分な練習が必要である。標準レベルの長文総合問題集で、入試本番までに70~90題(単語数:600~700語)の長文読解問題に取り組んでもらいたい。
ジャンルは、論説、評論、小説、エッセーと様々で多岐にわたっている。
比較的、論説や評論は論旨も明確で文脈を辿ることもそれほどの困難さは感じないはずである。
むしろ、人物の心情を探らなければならない小説は、表面的に文字で内面の世界である人物の心情など書かれていないので、使用されている動詞、副詞、形容詞のニュアンスや使用されているイディオムの違いなどに留意し丁寧な読解を心掛けたい。
日本語の小説でも、人物の内面的な心情の類を把握するのは難しい場合もある。イマジネーションを働かせて、発想を柔軟にして設問の意図を間違えずに理解し解答したい。
英語表現としては、会話における「口語表現」も注意が必要である。
見慣れない会話表現がないように、代表的な口語表現はしっかり押さえておきたい。
また、英単語の持つ微妙なニュアンスの違いを把握しておくことも大事であろう。
代表的なところでは「勇気」を表す「courage」と「bravery」。英和辞典的にはどちらも「勇気」である。
しかし、前者は精神的・内面的強さを表しており、後者は内面的というより腕力的強さを表している。
よって、「インド建国の父」、「無抵抗の指導者」といわれた「ガンジー」は「courage」を持った人物といえる。
また、ドラえもんに出てくる「ガキ大将のジャイアン」は「bravery」な人物ということになる。
このような違いを明確に把握しておくことは、長文総合問題における内容真偽問題において、消去法を用いなくとも正解を特定可能とする知識となる。
また、次のような状況で、「まだ」という英語表現をする際に「yet」を使うのか「still」を使うのかを考えて欲しい。
状況は「太郎君が駅前で19:00に次郎君と待ち合わせをした。18:45に駅に到着した太郎君は、たまたま出会った友人の三郎君から何してるの、と聞かれたとき『次郎君と待ち合わせしてるんだけど、まだ来ない(事例1)』と答えた。
時刻は20:00。太郎君は次郎君を待ち続けている。その時、駅前を通りかかった友人の四郎君から何してるの、と聞かれたとき『次郎君と待ち合わせしてるんだけど、まだ来ない(事例2)』と答えた」。
どうだろう。事例1と事例2のどちらに「still」または「yet」を使うのか。
正解は、事例1が「yet」、事例2が「still」である。
つまり、「yet」には、物事がいまだ完了していない(未了)状態(事例1は約束した時間である19:00前だったので、次郎君が19:00に約束通り来るかどうか確定していない状況)を表す意味があり、「still」には、物事が決まってしまい、その確定状況に変化がない事態が継続(事例2は次郎君が約束した19:00に来ないという事実が確定し20:00においてもその状況が継続)しているのである。
別の観点で考えると「still」には、「依然として」という意味がある。つまり、「ある事実が確定し今でも状況に変化はなく、その状況が継続している」のである。したがって、事例2「still」はとなる。
そのような意味での使い方の違いは日本語にはない。日本語であれば事例1も事例2も「まだ」である。
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2023年度「城北高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、和文英訳(適語補充)問題<3分>
基本的文法知識(文型、to不定詞、構文)をしっかり習得し完答をめざそう。
大問2は、整序問題<5分>
本問も基本的な文法事項に基づき適切に適語を補充する。基本イディオムの知識も不可欠である。
大問3は、和文英訳(部分記述)問題<5分>
基本的な語法知識や文法知識を用いて考える。
大問4は、説明文に関する長文総合問題<27分>
適語補充、要旨把握、適語選択、内容真偽などに関する総合問題である。
大問5は、物語に関する長文総合問題<20分>
英文解釈、適語補充、語句解釈、文脈把握、内容真偽に関する総合問題である。
【大問1】和文英訳(適語補充)問題
- 時間配分:3分
(1)「~なもの」はsomething+形容詞で表現する。
(2)「食べてみた」は「試しに~する」であり、try ~ingである。
(3)受動態の文章を考える。
(4)milkは不可算名詞である。動詞はisになる。
(5)to不定詞の中の形容詞的用法(原因)をあてはめる。
【大問2】整序問題
- 時間配分:5分
(1)「~ほど…な―はない」はNo other+名詞+is as … asを用いる。
(2)関係代名詞の使い方をマスターしておくこと。
(3)「~かしら」はI wonderを使用して表現する。
(4)「私たちに知らせてください」はlet us knowで表す。
【大問3】和文英訳(部分記述)問題
- 時間配分:5分
(1)「どんな種類の音楽」はwhat kind of musicであり、「~を聴く」はlisten to ~で表現する。
(2)「~からずっと…である」は現在完了形(継続)を用いて表す。
(3)最上級ではなくとも「2番目に長い川」はthe second longest riverとなる。
(4)関係代名詞(先行詞を人とする主格のwho)または現在分詞の形容詞的用法(後置修飾)を用いる。
【大問4】長文(説明文)読解総合問題
- 時間配分:27分
問1は、適語選択問題<2分>
日本の国土はアメリカや中国と比較すると「小さい」が、ベルギーやシンガポールと比較すると「大きい」のである。つまり日本の国土はmiddle-sizedである。
問2は、適語句選択問題<2分>
four seasons があるのは日本だけとは限らないのである。
問3は、適語句選択問題<2分>
a rainy season(tsuyu)の前後で天候が「かなり違う」のである 。
問4は、適語選択問題<2分>
日本はオランダよりless densely populatedである。空欄の前にalsoがあることも考慮する。
問5は、適語補充問題<2分>
Japan seems very crowded because so much of its population lives in the big citiesとある。
問6は、適文選択問題<3分>
6-Aは直後にあるButに注目すること。6-Bは直後のOrに注目しよう。
問7は、適文選択問題<3分>
8段落目の筆者の考えは「日本語は難しいとは言い切れない」ということなので段落冒頭には、この筆者の考えと真逆の内容が入る。
問8は、語句選択問題<3分>
you didn’t study it yourself so much as “picked it up” as a childとあり、「子供のときに身につけた」となる。
問9は、適語句選択問題<3分>
過去の習慣を表すused to~を使用する。このtoはto不定詞ではなく前置詞であるので「~」には動詞原形ではなく名詞(動名詞)が続く。
問10は、内容真偽問題<5分>
ア 本文のThe Brutish think that they have terrible weather, but in fact theirs isn’t really a cold country and has comfortable summers.に合致する。
エ 本文のJapan is crowded because there are a lot of mountains and they can’t live in those area.に合致する。
【大問5】長文(物語)総合読解問題
- 時間配分:20分
問1は、英文解釈問題<3分>
(1)whose chances to do so were not as good as Miss Matha’sをどう読み解くかがポイント。「結婚する機会(見込み)が彼女ほどではない」という意味である。
(2)staleとは、「(食べ物などが)新鮮でない、古くなった」という意味でありfreshの反意語であるので、ここでは「パンが乾燥している」という意味になる。
(3)下線部の意味としては「度が過ぎたかな、やりすぎたかな」という意味である。つまりdo much than she had to doである。
問2は、適語補充問題<4分>
【A】はOne day, she decided to test her idea about whether or not he was an artistとあり、さらに“You have here a fine picture,” he saidの箇所より判断する。
【B】はHe always bought two loaves of stale bread. Fresh bread was five cents a loafの箇所より判断する。
問3は、語句解釈問題<4分>
次の段落中にあるQuickly Miss Martha made a deep cut in each of the two loaves placed a large amount of butter into each one, then pressed the loaves back together againを手掛かりに考えよう。
問4は、適語選択問題<3分>
a 空欄の前にangrilyとあり、直後はhe shouted loudlyとある。
b 罵倒された後の言葉であるのでunkindが適切である。
c 空欄直後にShe could not believe what he was sayingとある。
d 空欄直後のoneは「人」のことであるので、「怒っている」が適切である。
問5は、単語意味に関する問題<3分>
直前に、… a draftsman always makes his drawing in pencil first before he used the inkを参考に答えまとめる。
問6は、内容真偽問題<3分>
ア マーサのパン屋では、新しいパンは古くなったパンの2倍の値段であった。
エ 消防車がパン屋の前を通り過ぎた1時間前、1ポンドの新鮮なバターが届いた。
攻略のポイント
難問を演習するよりも、標準的な問題をしっかり演習することを優先すること。
文法的知識が求められるが、ハイレベルな知識ではなく基本的事項を確実に覚えること。
5文型、比較、関係代名詞、仮定法、接続詞、前置詞、不定詞、時制、現在・過去分詞の形容詞的用法などは、入念に仕上げて欲しい。
長文は、読みなれていない受験生にとっては、内容把握、文脈整理が容易ではないだろう。
標準より長め(600~700単語)で、評論、論説、エッセー、小説等あらゆる分野の英文を読んでおくことが必要である。