城北高等学校 入試対策
2014年度「城北高等学校の英語」
攻略のための学習方法
全般的には標準的な問題であるので、基本をしっかり学習し基本的事項に関する知識を身に付けるべきである。
長文総合問題の占める得点比率が高いであろうから、長文読解については事前の十分な練習が必要である。
標準レベルの長文総合問題集で、入試本番までに70~90題(単語数:600~700語)の長文読解問題に取り組んでもらいたい。
ジャンルは、論説、評論、小説、エッセーと様々で多岐にわたっている。比較的、論説や評論は論旨も明確で文脈を辿ることもそれほどの困難さは感じないはずである。むしろ、人物の心情を探らなければならない小説は、表面的に文字で内面の世界である人物の心情など書かれていないので、使用されている動詞、副詞、形容詞のニュアンスや使用されているイディオムの違いなどに留意し丁寧な読解を心掛けたい。
日本語の小説でも、人物の内面的な心情の類を把握するのは難しい場合もある。イマジネーションを働かせて、発想を柔軟にして設問の意図を間違えずに理解し解答したい。
英語表現としては、会話における「口語表現」も注意が必要である。見慣れない会話表現がないように、代表的な口語表現はしっかり押さえておきたい。
大問4(B)の(3)において、「相手の方に進んで行く」という場合に「come」か「go」かという問題があった。
英単語の持つ微妙なニュアンスの違いを把握しておくことも大事であろう。代表的なところでは「勇気」を表す「courage」と「bravery」。
英和辞典的にはどちらも「勇気」である。しかし、前者は精神的・内面的強さを表しており、後者は内面的というより腕力的強さを表している。
よって、「インド建国の父」、「無抵抗の指導者」といわれた「ガンジー」は「courage」を持った人物といえる。また、ドラえもんに出てくる「ガキ大将のジャイアン」は「bravery」な人物ということになる。このような違いを明確に把握しておくことは、長文総合問題における内容真偽問題において、消去法を用いなくとも正解を特定可能とする知識となる。
また、次のような状況で、「まだ」という英語表現をする際に「yet」を使うのか「still」を使うのかを考えて欲しい。
状況は「太郎君が駅前で19:00に次郎君と待ち合わせをした。18:45に駅に到着した太郎君は、たまたま出会った友人の三郎君から何してるの、と聞かれたとき『次郎君と待ち合わせしてるんだけど、まだ来ない(事例1)』と答えた。
時刻は20:00。太郎君は次郎君を待ち続けている。
その時、駅前を通りかかった友人の四郎君から何してるの、と聞かれたとき『次郎君と待ち合わせしてるんだけど、まだ来ない(事例2)』と答えた」。
どうだろう。事例1と事例2のどちらに「still」または「yet」を使うのか。正解は、事例1が「yet」、事例2が「still」である。
つまり、「yet」には、物事がいまだ完了していない(未了)状態(事例1は約束した時間である19:00前だったので、次郎君が19:00に約束通り来るかどうか確定していない状況)を表す意味があり、「still」には、物事が決まってしまい、その確定状況に変化がない事態が継続(事例2は次郎君が約束した19:00に来ないという事実が確定し20:00においてもその状況が継続)しているのである。別の観点で考えると「still」には、「依然として」という意味がある。つまり、「ある事実が確定し今でも状況に変化はなく、その状況を継続している」のである。したがって、事例2は「still」となる。
そのような意味での使い方の違いは日本語にはない。日本語であれば事例1も事例2も「まだ」である。
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2014年度「城北高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は小説。設問は5題である。【 】に入れる適切な動詞を選択させる問題や整序結合問題。また、30字程度(27~32字)で答える記述問題となっている。小説の流れをつかみ、登場人物の心情の変化を追いかける。
大問2はエッセーの長文読解である。設問数は8題である。適語を選択させる問題や、内容把握に基づく下線部訳や内容真偽問題など、設問形式は標準的で難易度も標準的。
大問3は2者間における6組の対話を読ませ、ぬけている個所の会話文を選択させる問題。
大問4は、正誤問題から整序結合、自由英作文問題までの総合問題。設問数は12問。
【大問1】小説の長文読解
- 時間配分:18分
一人旅に出かける幼い一人息子のことを想う母親の心情を丁寧に追いかけること。
本文を読むと母親の細やかな気遣いが読み取れる。例えば、列車の中で誰かがスーツケースを棚に上げてくれたときには、必ず「お願いします」と言うのよ、と母親が息子に言い聞かせると息子は「もう赤ちゃんじゃないんだから。自分で持ち上げられる」と反論する場面が出てくる。この場面からも、母子のやり取りに見え隠れする「母から子へ」また「子から母へ」の母子にしか分りあえない微妙な心のキャッチボールをしっかり読み取りたい。そのような登場人物の心情を理解しながら読み進めれば、問5は速答できる。
問1は【 】に入る適切な動詞を選択させる問題。必要に応じて変形させなければならない。イディオムであったり文脈の流れをしっかりつかむこと。解答時間は4分。
問2は適切な文の選択問題である。本文の会話の流れを捉え、選択文を正確に読取り解答する。解答時間は5分。
問3は母親の心情を読取り、本文のような状況でどのように息子がいうべきかを考える。解答時間は2分。
問4は整序結合による英作文。作成するべき文は、日本語で提示されているので、使用するべき動詞やイディオムに注意しながら解答する。解答時間は2分。
問5の本文は「…,so he really tried to do well in class.」。直訳すれば「…だから、本当に彼は授業で良い成績を取ろうと努力した」。下線部の冒頭に「so」がある。したがって、下線部前にその理由があるはずである。「Emil’s father was dead,so his mother worked hard.」をしっかり読み取ること。下線部直後の「She was always 【C】when he got a good report from his teacher~」ではないので注意すること。
【大問2】エッセー(長文読解)
- 時間配分:18分
本文中の気になる表現などを列挙する。
「On his day 0ff」は「休日には」。「Those women aren’t as quiet as ~」は「これらの女性たちは~ほど静かではない」。「between A and B」は「AとBの間」であるが、関連事項として「between 複数名詞」についても同様な意味がある。「— even though we have two national languages!」は「私たちは2つの公用語を持っているにもかかわらず」。「even though」は「even if」でもほぼ同義。「ways」は「方法」という意味で使われている。「way」は多義語であるので、重要イディオムを紹介する。「all the way」は「道すがら、ずっと」。「by the way」は「途中で、ついでながら、ところで」。「in a way」は「ある点では、見方によれば」。「in the way of~」は「~の邪魔になって、~について」。「one way and another」は「あれやこれや、あれこれ考え併せて」。「on the [one’s] way」は「~の途中で、進行中で」。
問1は適切な語を選択させる問題。本文の文脈をしっかり追って行ければ正解を選択するのは比較的容易であろう。完答を目指したい。解答時間は2分。
問2は適語補充問題。前文の内容を正確に読みとること。解答時間は2分。
問3は整序問題。「主語+ask+人+物」の形で並びかえる。解答時間は2分。
問4は内容把握。「日本人の英語学習に対する取り組み方」を読み取ること。解答時間は2分。
問5は英文解釈。「両方」とは何かを考える。解答時間は3分。
問6は適切文選択問題。外国語を学ぶ上での日本人と西洋人との取り組み方の違いについて読み取る。解答時間は2分。
問7と問8は、ともに内容把握に基づく設問。本文の文脈を辿れば、細かな点を気遣う日本人の特性に言及している部分から判断する。問8は、真偽問題である。第12段落に注目。解答時間は両問合わせて5分。
【大問3】条件付きの英作問題
- 時間配分:12分
AとBの会話の流れをつかんで5語以内で解答する。解答時間は12分。
【大問4】総合問題
- 時間配分:12分
正誤問題や英作問題など全般的に出題されている。
(A)はイディオムの知識、主語と述語(複数名詞にはare)、可算名詞の知識など問われている内容は、基本的な文法事項。解答時間は2分。
(B)は適語を補充させる問題である。
(1)は「授業がある」を「授業を持っている」と考える。
(2)は「for」ではなく「to」であれば「belong」としたいところ。
(3)は「行く」は相手の方向へ向かっている場合は「go」ではない。解答時間は2分。
(C)は整序問題。
(1)と(2)は見慣れた表現なので間違いなく完答したい。
(3)は最上級の内容を原級構文で表現する。「No other (単数名詞) ~as+原級+as…」を使う。解答時間は4分。
(D)は自由記述による英作問題。現在完了に関する文法知識をもう一度整理しておくこと。解答時間は4分。
攻略ポイント
全体的にみると極めて標準的な問題である。
長文においても使用している単語・イディオムも中学レベルを超えるというものではなく、初見のものはないはずである。基本英単語や熟語を市販の単語・イディオム集を使ってしっかり覚えること。
標準的長文(600~700単語)を2日に1題のペースで演習を行い、本番入試に備えること。
文法知識としては英作文において現在完了の知識が完答するためには必要であった。その他にも正誤判断において、正確な文法知識が求められている。文法事項としては、比較、関係代名詞、現在・過去完了、話法、仮定法などは要注意であるので、しっかり確認をしておいてもらいたい。