城北高等学校 入試対策
2016年度「城北高等学校の英語」
攻略のための学習方法
全般的には標準的な問題であるので、基本をしっかり学習し基本的事項に関する知識を身に付けるべきである。
長文総合問題の占める得点比率が高いであろうから、長文読解については事前の十分な練習が必要である。標準レベルの長文総合問題集で、入試本番までに70~90題(単語数:600~700語)の長文読解問題に取り組んでもらいたい。ジャンルは、論説、評論、小説、エッセーと様々で多岐にわたっている。比較的、論説や評論は論旨も明確で文脈を辿ることもそれほどの困難さは感じないはずである。むしろ、人物の心情を探らなければならない小説は、表面的に文字で内面の世界である人物の心情など書かれていないので、使用されている動詞、副詞、形容詞のニュアンスや使用されているイディオムの違いなどに留意し丁寧な読解を心掛けたい。日本語の小説でも、人物の内面的な心情の類を把握するのは難しい場合もある。イマジネーションを働かせて、発想を柔軟にして設問の意図を間違えずに理解し解答したい。
英語表現としては、会話における「口語表現」も注意が必要である。見慣れない会話表現がないように、代表的な口語表現はしっかり押さえておきたい。また、英単語の持つ微妙なニュアンスの違いを把握しておくことも大事であろう。代表的なところでは「勇気」を表す「courage」と「bravery」。英和辞典的にはどちらも「勇気」である。しかし、前者は精神的・内面的強さを表しており、後者は内面的というより腕力的強さを表している。よって、「インド建国の父」、「無抵抗の指導者」といわれた「ガンジー」は「courage」を持った人物といえる。また、ドラえもんに出てくる「ガキ大将のジャイアン」は「bravery」な人物ということになる。このような違いを明確に把握しておくことは、長文総合問題における内容真偽問題において、消去法を用いなくとも正解を特定可能とする知識となる。
また、次のような状況で、「まだ」という英語表現をする際に「yet」を使うのか「still」を使うのかを考えて欲しい。
状況は「太郎君が駅前で19:00に次郎君と待ち合わせをした。18:45に駅に到着した太郎君は、たまたま出会った友人の三郎君から何してるの、と聞かれたとき『次郎君と待ち合わせしてるんだけど、まだ来ない(事例1)』と答えた。
時刻は20:00。太郎君は次郎君を待ち続けている。その時、駅前を通りかかった友人の四郎君から何してるの、と聞かれたとき『次郎君と待ち合わせしてるんだけど、まだ来ない(事例2)』と答えた」。
どうだろう。事例1と事例2のどちらに「still」または「yet」を使うのか。正解は、事例1が「yet」、事例2が「still」である。つまり、「yet」には、物事がいまだ完了していない(未了)状態(事例1は約束した時間である19:00前だったので、次郎君が19:00に約束通り来るかどうか確定していない状況)を表す意味があり、「still」には、物事が決まってしまい、その確定状況に変化がない事態が継続(事例2は次郎君が約束した19:00に来ないという事実が確定し20:00においてもその状況が継続)しているのである。別の観点で考えると「still」には、「依然として」という意味がある。つまり、「ある事実が確定し今でも状況に変化はなく、その状況を継続している」のである。したがって、事例2は「still」となる。そのような意味での使い方の違いは日本語にはない。日本語であれば事例1も事例2も「まだ」である。
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2016年度「城北高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は長文読解総合問題<18分>。内容的には、医療におけるプラシーボに関する説明文である。内容的に馴染みのない問題かもしれないが、しっかり読み込んで問題にあたって欲しい。
大問2もノンフィクション長文総合問題である<21分>。英文そのものは、比較的読み易いが基本的英単語やイディオムはしっかり押さえておきたい。
大問3は説明文の長文総合問題である<21分>。人類の歴史と輸送手段の発展に関するエッセイである。
【大問1】長文読解
- 時間配分:18分
長文読解の問題である。話題的には馴染薄いものであるが、英文の文脈を丁寧にたどり内容の把握を的確に行うこと。
(問1)語句解釈選択問題<1分>。
The placebo looks just like the actual medicine.の個所から類推する。
(問2)適語選択問題<1分>。
2Bには「それ以外の全ての人」という意味の単語が入る。
(問3)適切語句選択問題<2分>。
プラシーボの効果について述べた文章をヒントに選択肢を選ぶ。
(問4)適語選択問題<2分>。
医師はモルヒネがないと患者が死んでしまうことを心配したのである。
(問5)適切文章選択問題<2分>。
看護師が兵士に注射したのは実際は、プラシーボであったが兵士には「モルヒネ」であるということを告げた結果、兵士にどのような影響が現れたかを考える。
(問6)英文解釈問題<3分>。
Itもdidも前の文章に書かれている内容を指している。
(問7)文脈把握問題<3分>。
モルヒネの代わりにプラシーボ投与する理由を考える。
(問8)適切文章選択問題<2分>。
第7・8段落の内容を踏まえて適切な選択肢を選ぶこと。
(問9)内容正誤問題<2分>。
第6段落の内容を検討し、適切な選択肢を選ぶ。
【大問2】説明文の長文読解総合問題
- 時間配分:21分
(問1)適切語句選択問題<2分>。
第4・7・8段落から女性が商売しようとしていることが推測できる。
(問2)要旨把握問題<6分>。
文章の内容は「当時(20世紀初頭)における、アメリカやヨーロッパにおける女性のファッションと社会における地位との関係性」について言及している。
(問3)適語補充問題<3分>。
女性たちのファッションに対する意識を考え、変えようとしていた状況を把握する。
(問4)文章補充問題<5分>。
挿入する英文中の人物名を受ける「him」が出てくる箇所を探す。
(問5)適語・適文補充問題<5分>。
本文の文脈と選択文の内容をしっかり当てはめてみること。
【大問3】説明文の長文読解総合問題
- 時間配分:21分
輸送手段の発明・発展が人類の歴史の中でどのような影響を社会に与えてきたかという内容である。話題的には、親しみのもてる内容だろう。
(問1)適語選択問題<5分>。
基本的なイディオムの知識があれば完答も可能である。
(問2)誤文訂正問題<6分>。
基本的な文法知識が問われている。完答して欲しい。
(問3)整序問題<5分>。
文脈と所与の語句からどのような英文は適切であるかを考える。
攻略のポイント
難問の類の問題を必死に演習するよりも、標準的な問題をしっかり演習することの方が、城北高校合格にとって有効的である。文法的知識が求められるが、ハイレベルな知識ではない。文法の要注意分野としては、5文型、比較、関係代名詞、仮定法、接続詞、前置詞、不定詞、時制、分詞の用法などは、入念に仕上げて欲しい。長文は、読みなれていない受験生にとっては、内容把握、文脈整理が容易ではないだろう。標準より長め(600~700単語)で、評論、論説、エッセー、小説等あらゆる分野の英文を読んでおくことが必要である。