城北高等学校 入試対策
2017年度「城北高等学校の英語」
攻略のための学習方法
全般的には標準的な問題であるので、基本をしっかり学習し基本的事項に関する知識を身に付けるべきである。
長文総合問題の占める得点比率が高いであろうから、長文読解については事前の十分な練習が必要である。標準レベルの長文総合問題集で、入試本番までに70~90題(単語数:600~700語)の長文読解問題に取り組んでもらいたい。
ジャンルは、論説、評論、小説、エッセーと様々で多岐にわたっている。比較的、論説や評論は論旨も明確で文脈を辿ることもそれほどの困難さは感じないはずである。むしろ、人物の心情を探らなければならない小説は、表面的に文字で内面の世界である人物の心情など書かれていないので、使用されている動詞、副詞、形容詞のニュアンスや使用されているイディオムの違いなどに留意し丁寧な読解を心掛けたい。
日本語の小説でも、人物の内面的な心情の類を把握するのは難しい場合もある。イマジネーションを働かせて、発想を柔軟にして設問の意図を間違えずに理解し解答したい。
英語表現としては、会話における「口語表現」も注意が必要である。見慣れない会話表現がないように、代表的な口語表現はしっかり押さえておきたい。
また、英単語の持つ微妙なニュアンスの違いを把握しておくことも大事であろう。
代表的なところでは「勇気」を表す「courage」と「bravery」。英和辞典的にはどちらも「勇気」である。しかし、前者は精神的・内面的強さを表しており、後者は内面的というより腕力的強さを表している。
よって、「インド建国の父」、「無抵抗の指導者」といわれた「ガンジー」は「courage」を持った人物といえる。また、ドラえもんに出てくる「ガキ大将のジャイアン」は「bravery」な人物ということになる。
このような違いを明確に把握しておくことは、長文総合問題における内容真偽問題において、消去法を用いなくとも正解を特定可能とする知識となる。
また、次のような状況で、「まだ」という英語表現をする際に「yet」を使うのか「still」を使うのかを考えて欲しい。
状況は「太郎君が駅前で19:00に次郎君と待ち合わせをした。18:45に駅に到着した太郎君は、たまたま出会った友人の三郎君から何してるの、と聞かれたとき『次郎君と待ち合わせしてるんだけど、まだ来ない(事例1)』と答えた。
時刻は20:00。太郎君は次郎君を待ち続けている。その時、駅前を通りかかった友人の四郎君から何してるの、と聞かれたとき『次郎君と待ち合わせしてるんだけど、まだ来ない(事例2)』と答えた」。
どうだろう。事例1と事例2のどちらに「still」または「yet」を使うのか。
正解は、事例1が「yet」、事例2が「still」である。つまり、「yet」には、物事がいまだ完了していない(未了)状態(事例1は約束した時間である19:00前だったので、次郎君が19:00に約束通り来るかどうか確定していない状況)を表す意味があり、「still」には、物事が決まってしまい、その確定状況に変化がない事態が継続(事例2は次郎君が約束した19:00に来ないという事実が確定し20:00においてもその状況が継続)しているのである。
別の観点で考えると「still」には、「依然として」という意味がある。つまり、「ある事実が確定し今でも状況に変化はなく、その状況を継続している」のである。したがって、事例2「still」はとなる。そのような意味での使い方の違いは日本語にはない。日本語であれば事例1も事例2も「まだ」である。
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2017年度「城北高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は長文読解総合問題<18分>。内容的には、ペットを取り巻く家族の心模様に関するエッセーである。
大問2もノンフィクション長文総合問題である<20分>。英文そのものは比較的読み易い。ささいなミスは命とりである。
大問3・4はどちらも適語選択・補充問題。解答時間は合計で<8分>。基本的文法事項を抑えていれば完答も可能である。
大問5は整序問題<7分>。構文の知識を確実にしておくこと。
大問6は字数制限のある自由英作問題<7分>。
【大問1】長文読解総合問題
- 時間配分:18分
ペットに関わる家族の心模様についてのエッセーである。
文脈の流れを、人物の会話文などを参考にしながら考えることがポイントとなる。基本的表現や単語を用いているので、内容は確実に押さえたい。
(問1)適語選択問題<2分>。
a.for the first time「初めて」など、基本的イディオムをしっかり覚えること。
(問2)適切文選択問題<3分>。
前後の文脈をしっかり把握することが大事である。例えば、ア.については、直前でI’m very sorryを参考にする。
(問3)整序問題<3分>。
基本的な語句の使い方、文法事項の知識を確実にしておくこと。例えば、動詞のmakeは、第5文型で使われるmakeと考えて解答することが大事である。代表的例文としては“You make me happy.”である。私(目的語)を幸せ(補語)にする、という意味のmakeである。
(問4)文脈把握問題<2分>。
thisが何を示すのかという問題である。この指示語は、通常では直前に述べられているが、このthisは直後の“You’er a great dog, Marley.”である。
(問5)文脈把握問題<2分>。
下線部の中のthisがポイントである。この場合のthisは直前の分を参照すること。
(問6)内容把握問題<2分>。
本文には「強い意志を持って生きる」趣旨の言及はない。
(問7)内容正誤問題<3分>。
本文の文脈を確実に把握したうえで、本文中の表現に言い換えや微妙なニュアンスの違い(単語の持つ根源的意味の違い)に留意しながら、最適な選択肢を選ぶ。
【大問2】ノンフィクションの長文読解総合問題
- 時間配分:20分
飛行機墜落事故に遭遇した乗客のうち唯一の生存者であったジュリアが無事に救出されるまでの英文である。
難解な英単や構文の類は使用されていないが、正確で迅速な読解力が求められる。
(問1)語形変化問題<2分>。
過去分詞の形容詞的用法や受動態などは、入試では頻出である。また、stopは不定詞を伴う場合と動名詞を伴う場合では、意味が異なってくるので要注意である。
(問2)適語選択問題<2分>。
文脈を丁寧にたどり、前後の内容も十分吟味したうえで適切な語句を選ぶこと。基本的レベルなので完答したい。
(問3)内容把握記述問題<5分>。
直後の2文を参考に解答する。
(問4)内容把握記述問題<4分>。
父からの教えを思い出したからである。直前に“she remembered her father’s words”とあり、具体的内容はその後の文に書かれている。
(問5)内容把握記述問題<3分>。
熱帯雨林に視界を阻まれたためである。
(問6)内容正誤問題<3分>。
本文の内容を十分に把握すること。特に、客観的事実としての数値など(日時、数量、時系列での経緯など)は、しっかりインプットしておきたい。
【大問3】適語補充問題
- 時間配分:8分
小問6題で時間は4分以内には解答したい。「心待ちにする」、「参加する」、「連絡をもらう」、「同意する」、「見分ける」、「身に付ける」などどれも基本イディオムである。完答を目指したい。
【大問4】適語選択問題
- 時間配分:8分
これも基本的なイディオムに関し、適切な前置詞を選択する問題である。解答時間は4分以内に収めたい。
【大問5】整序問題
- 時間配分:7分
整序問題に必要な文法知識を活用して、正確な並び替えを行うこと。関係代名詞や第5文型のmakeの知識を確実にしておくこと。
【大問6】自由英作問題
- 時間配分:7分
語数指定の和文英訳問題。どの日本文も文法事項を学習するうえで、必ずと言っていいほど例文として紹介されている類の文章である。語数指定があるので、慎重に取り組むこと。
攻略のポイント
難問の類の問題を必死に演習するよりも、標準的な問題をしっかり演習することの方が、城北高校合格にとって有効的である。
文法的知識が求められるが、ハイレベルな知識ではない。文法の要注意分野としては、5文型、比較、関係代名詞、仮定法、接続詞、前置詞、不定詞、時制、現在・過去分詞の形容詞的用法などは、入念に仕上げて欲しい。
長文は、読みなれていない受験生にとっては、内容把握、文脈整理が容易ではないだろう。標準より長め(600~700単語)で、評論、論説、エッセー、小説等あらゆる分野の英文を読んでおくことが必要である。