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城北高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「城北高等学校の英語」
攻略のための学習方法

全般的には標準的な問題であるので、基本をしっかり学習し基本的事項に関する知識を身に付けるべきである。

長文総合問題の占める得点比率が高いであろうから、長文読解については事前の十分な練習が必要である。標準レベルの長文総合問題集で、入試本番までに70~90題(単語数:600~700語)の長文読解問題に取り組んでもらいたい。

ジャンルは、論説、評論、小説、エッセーと様々で多岐にわたっている。
比較的、論説や評論は論旨も明確で文脈を辿ることもそれほどの困難さは感じないはずである。
むしろ、人物の心情を探らなければならない小説は、表面的に文字で内面の世界である人物の心情など書かれていないので、使用されている動詞、副詞、形容詞のニュアンスや使用されているイディオムの違いなどに留意し丁寧な読解を心掛けたい。
日本語の小説でも、人物の内面的な心情の類を把握するのは難しい場合もある。イマジネーションを働かせて、発想を柔軟にして設問の意図を間違えずに理解し解答したい。

英語表現としては、会話における「口語表現」も注意が必要である。
見慣れない会話表現がないように、代表的な口語表現はしっかり押さえておきたい。

また、英単語の持つ微妙なニュアンスの違いを把握しておくことも大事であろう。
代表的なところでは「勇気」を表す「courage」と「bravery」。英和辞典的にはどちらも「勇気」である。
しかし、前者は精神的・内面的強さを表しており、後者は内面的というより腕力的強さを表している。

よって、「インド建国の父」、「無抵抗の指導者」といわれた「ガンジー」は「courage」を持った人物といえる。
また、ドラえもんに出てくる「ガキ大将のジャイアン」は「bravery」な人物ということになる。

このような違いを明確に把握しておくことは、長文総合問題における内容真偽問題において、消去法を用いなくとも正解を特定可能とする知識となる。

また、次のような状況で、「まだ」という英語表現をする際に「yet」を使うのか「still」を使うのかを考えて欲しい。

状況は「太郎君が駅前で19:00に次郎君と待ち合わせをした。18:45に駅に到着した太郎君は、たまたま出会った友人の三郎君から何してるの、と聞かれたとき『次郎君と待ち合わせしてるんだけど、まだ来ない(事例1)』と答えた。

時刻は20:00。太郎君は次郎君を待ち続けている。その時、駅前を通りかかった友人の四郎君から何してるの、と聞かれたとき『次郎君と待ち合わせしてるんだけど、まだ来ない(事例2)』と答えた」。

どうだろう。事例1と事例2のどちらに「still」または「yet」を使うのか。
正解は、事例1が「yet」、事例2が「still」である。

つまり、「yet」には、物事がいまだ完了していない(未了)状態(事例1は約束した時間である19:00前だったので、次郎君が19:00に約束通り来るかどうか確定していない状況)を表す意味があり、「still」には、物事が決まってしまい、その確定状況に変化がない事態が継続(事例2は次郎君が約束した19:00に来ないという事実が確定し20:00においてもその状況が継続)しているのである。

別の観点で考えると「still」には、「依然として」という意味がある。つまり、「ある事実が確定し今でも状況に変化はなく、その状況を継続している」のである。したがって、事例2は「still」となる。
そのような意味での使い方の違いは日本語にはない。日本語であれば事例1も事例2も「まだ」である。

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2020年度「城北高等学校の英語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1は長文読解総合問題(ノンフィクション)<20分>。パキスタン出身の人権運動家であり、ノーベル平和賞受賞のマララ氏に関する英文である。

大問2は長文読解総合問題(小説)<30分>。物静かな一人暮らしの老人に起きた日常的出来事を中心に、老人と人との関わりをベールに物語は展開される。

大問3は適語補充形式の和文英訳問題<4分>。基本的文法事項、イディオムの知識があれば完答も可能である。

大問4は整序問題<3分>。基本的語法とイディオムの知識をベースに、与えられた語を部分的につなぎ合わせ全体をまとめていく。

大問5は記述形式の和文英訳問題<3分>。完全記述形式の自由英作問題である。

 

【大問1】長文読解問題(ノンフィクション)

  • 時間配分:20分

パキスタン出身の女性で人権活動家であり、17歳でノーベル平和賞を受賞したマララ氏が、学校からの帰宅途中で反対勢力から銃撃を受けた事件に関する英文である。当時、マララ氏は15歳であった。

問1.整序問題<3分>。整序問題の基本は、文脈に即しどのような英文を作るかを考えることである。また、前後にある前置詞などもイディオムの一部をなしているか否かの考察が必要である。(1)は‘or know’と直前になるので、同じ役割をもつものしか繋げないorを手掛かりに英文を組み立てていこう。

問2.適文選択問題<5分>。適切な英文を文脈に沿って選択する問題である。(A)は直前に‘in her dreams’とあるように、病院で彼女が見た夢に関する記述を選ぶ。

問5.不定詞の用法に関する問題<3分>。不定詞の用法には、名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法の3種類ある。入試の問題として出題されるのは、目的・原因・結果・根拠(判断基準)の使い方のある副詞的用法である。不定詞は高校英語でも重要事項であるのでしっかり文法書などを使い、内容を確認しておいて欲しい。

【大問2】長文読解総合問題(物語)

  • 時間配分:6分

問1.適文補充問題<2分>。
「まもなく~する、すぐに~する」という表現は、‘It is not long before ~’である。

問4.内容把握問題<3分>。
フランクの財布と腕時計を奪った少年が、それらをフランクに返還しに来たのは、フランクの過去の何を少年が知ったからかを本文中より見つけ出す。

問9.適語選択問題<6分>。
文脈に従い適切な語を選択する。必要に応じて語形を変化させる。
(A)主人公のフランクは物静かな老人であり、‘silent’の状態を「維持する」という意味で‘keep’を選択し過去形にする。
(B)直前にある‘decide’がto不定詞を伴うことと‘turn ~ into’のイディオムを当てはめること。
(D)過去分詞の形容詞的用法についての理解を踏まえ、left(残されている)と考える。
(F)子供たちがhimを“Frank the Flower Man”とよんでいる、という形にする。文型で考えるとS+V+O+Cであり、この文型ではO=Cの関係が成立している。

【大問3】適語補充による和文英訳問題

  • 時間配分:7分

(1)は、「~するのはいかがですか」という定型表現を当てはめる。

(2)は、「世話をする」というイディオムは‘take care of’または‘look after’である。

(3)は、「~してくれてありがとう」という表現は‘thank you for ~ing’である。

(5)は、「~の代わりに」というイディオム‘instead of’を使う。

【大問4】整序問題

  • 時間配分:3分

イディオム、文法知識を基に単語を並べること。

(1)は、「AのみではなくBも」というイディオムは‘not only A but also B’であるが、同じ内容のイディオムは‘B as well as A’となる。この場合、AとBの位置が逆になるので注意しなければならない。

(3)は、「暗くなる前に」の表現は‘before it gets dark’となる。特に、itは「時間・天気」などを表すときに使う「状況のit」であり、「それは」とは訳さない。

【大問5】自由形式の和文英訳問題

  • 時間配分:3分

(1)は、「出身である」は‘come from’または‘be from’の形になる。関係代名詞(主格=who)の知識を使用し英文をまとめる。

(2)は、「走っている」という表現を現在分詞の形容的用法を使うか、主格の関係代名詞を使うか、どちらでも作成可能である。

攻略のポイント

難問を演習するよりも、標準的な問題をしっかり演習することを優先すること。
文法的知識が求められるが、ハイレベルな知識ではなく基本的事項を確実に覚えること。

5文型、比較、関係代名詞、仮定法、接続詞、前置詞、不定詞、時制、現在・過去分詞の形容詞的用法などは、入念に仕上げて欲しい。

長文は、読みなれていない受験生にとっては、内容把握、文脈整理が容易ではないだろう。
標準より長め(600~700単語)で、評論、論説、エッセー、小説等あらゆる分野の英文を読んでおくことが必要である。

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