城北高等学校 入試対策
2015年度「城北高等学校の数学」
攻略のための学習方法
特別な「ひらめき」や「テクニック」を要するような類の問題はない。
事前の準備としては、基本的な問題集を徹底的に反復演習することである。計算問題はしっかりやっておく必要がある。文字式計算(指数法則)、乗法展開の公式に基づく式の展開、またその逆の因数分解、方程式(2次方程式における解の公式)、平方根(有理化、無理数の小数部分・整数部分)などの計算分野は基礎的事項をしっかり習得し、大量に問題演習を行うことで知識がしっかりと自分の解法への道具として強力な武器になり、やがて自信へとつながっていくことは間違いない。計算問題で、受験生の多くが陥る落とし穴は、符号(特にマイナス)のつけ間違い、単純な計算間違いなどのケアレスミスである。ケアレスミスをどのようにすれば克服できるのか、受験生であれば誰もが知りたいことであろう。
結論から言えば、即効性のある有力な方法はない。日頃の勉強において、自身が十分気を付けてケアレスミス撲滅を意識していく以外にはないであろう。出題されている計算問題は基本問題である。特別な知識やテクニックはいらない。着実に、そして冷静に与えられた計算問題に取り組むことである。普段の学習で培われた「数学力・計算力」は、単に計算問題だけに留まるのもではなく、それ以外の設問においても確実に正解を導く上での強力な武器となることは間違いない。
計算以外の分野とは、たとえば関数である。
放物線と直線をからめた問題は、問題を作成する上で様々な切り口が可能である。2次方程式の解、相似を用いた面積、平面座標上の線対称移動・点対称移動に伴う直線の式などは、基礎から応用までしっかり演習を行っておいて欲しい。
また関数に関連して異色なところでは、座標平面に点Pが存在しサイコロを振って出た目にしたがって点Pが左右上下に、ある条件にしたがって移動するという設定の下、特定の図形ができる確率や任意の回数後に点Pが辿ってできた図形の求積問題など、作問の幅は無限に広がってゆく。このような問題は、当然ながら初見である場合が多いが、解法のために使用する原理や法則は、受験生にとっては既知のものである。そうでなければ、そのような問題は解けないのである。その場合(新傾向の初見の問題に直面した場合)に、受験生にとって大切なことは自分が知っている知識を適切にかつ迅速に取り出せて、問題にあてはめられるかどうかである。
そのためには、条件反射的に問題解法への方針を立てたならば間髪を入れずに手が動き出すことである。そのような状況に至るには、何をどのように行えばいいのか。繰り返しになるが、ひたすら「良問」を数多く解きまくることに尽きる。しかも、そのような作業の中で解法への方針の立て方、目のつけどころなどを学ばなければならない。
その他にも、押さえておきたいジャンルとしては、平面図形、立体図形そして場合の数・確率である。
城北高校の問題は、それほど難解問題は出題されない。初見の問題もないはずである。典型的な標準問題を繰り返し演習することで対応できる。
平面図形においては図形の面積に絡んだ問題、三角形の内部・外部に形成される図形に相似や合同の考え方をあてはめて考える問題についても、問題集(標準タイプで十分)等で色々なバージョンの問題を解いてみることである。立体図形についても、設問で扱われている立体図形を空間にイメージし、自在に回転させるなどの作業が違和感なく行えるかどうかが、正解へいかに速く正確に至るかのカギである。平面図形の面積問題でもそうであるが、立体図形においてもある体積を求めるような場合に、立体図形の切り取りや図形の移動などのアイデアを考えると、解法へ向けた見通しが意外と立てやすくなることもある。
新傾向の問題(規則性や論証に絡んだ問題)についても、そのような傾向の問題を集めた専門の問題集の演習を行っておくことが必要であろう。いずれにしても、基礎から標準レベルの問題演習を大量に行ってもらいたい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2015年度「城北高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問1】小問題集合設問である<6分>。設問内容は、(1)式の計算、(2)2次方程式、(3)連立方程式、(4)場合の数。すべて基本問題であり、一度は演習している問題だらけであり、完答は必須である。
【大問2】角度と面積に関する図形問題<9分>。(1)角度の問題。中心角と円周角との関係を見抜くこと。(2)面積の問題。図形の特徴を迅速に把握すること。
【大問3】方程式の応用問題<9分>。問題自体は、食塩の濃度に関する設問であり、問題内容の略図をかいて連立方程式をたてる。
【大問4】関数と図形の問題<11分>。内容としては、放物線・直線そして座標軸上に出来る図形に関係した融合問題である。平面座標上に出来る図形(長方形や正方形)と各放物線・直線との関係性を把握する。
【大問5】整数の性質に関する問題<11分>。与えられた整数に関する条件について、的確に連立方程式を考えられるかどうかがポイント。
【大問6】空間図形に関する問題<14分>。三平方の定理の空間図形への応用である。類題は豊富にあるので、しっかり事前準備を行って欲しい。
【大問1】小問集合問題
- 時間配分:
(1)計算問題である<1分>。
分数式の四則演算でありケアレスミスのないように、日頃から計算問題は継続して演習しておくように。
特に、分子が整式である分数を引く問題が多く出題される。これは、そのような場合に分子の整式の符号が逆になるということをしっかり理解しているかどうかを確認するためである。
(2)2次方程式<1分>。
因数分解による解法は無理なので、解の公式を用いること。
解の公式に関しては、いわゆるbが偶数である場合の解の公式も、しっかり使いこなせるぐらいに練習しておくこと。
(3)連立方程式<2分>。
文字の係数が無理数を含む式であっても、解を求める考え方は変わらない。
(4)場合の数<2分>。
基本問題であるので、類似問題の演習を数多く行うように。
【大問2】図形問題
- 時間配分:
(1)角度の問題<4分>。
与えられた条件より、点B、C、D、Eは同一円上に存在する。
(2)面積に関する問題<5分>。
与えられた条件から、どのような図形がどこに現れてくるかをしっかり捉えること。
【大問3】方程式の応用問題
- 時間配分:
(1)食塩の濃度に関する問題<4分>。
条件整理を行い、濃度を求める式から食塩の量を算出する。
(2)条件から1次方程式を立てて求める食塩水の量を出す<5分>。
【大問4】関数と図形
- 時間配分:
(1)直線の式を求める問題<2分>。
P、Qの座標を求め2点を通る直線を決定する。その際に、連立方程式の解法よりもグラフの傾きを求めて解く方法の方が早くて確実に解ける。
(2)座標を求める問題<4分>。
平面座標上に出来る長方形の性質から点Aの座標が求められる。
【大問5】整数の性質
- 時間配分:
(1)式の利用の問題<2分>。
桁に関し、xとyを用いてどのようにP、Qを表現するかの問題である。
例えば、Pは千の位がxで下3桁の数がyなので、P=1000x+yとなる。
(2)等式変形の問題<3分>。
(1)で求めたPとQを代入し、yについて解く。
(3)条件整理と文字式の利用<6分>。
xやyに与えられた条件を吟味し、整理すること。
この段階の整理が不十分だと正解へはたどり着けないだろう。設問中にある「条件を満たす」という意味をしっかり捉えること。
【大問6】空間図形
- 時間配分:
(1)空間図形における辺の長さを求める問題<6分>。
空間図形一般にいえることは、与えられた空間図形を真横から見てみた図を書いてみることである。
そうすることにより、見えていなかった図形(例えば、正三角形・直角二等辺三角形・台形・長方形など)が見えてくるのであり、そこに見えた図形においていえる事柄からさらに別の事実を引き出す、という作業を行わなければならない。
図形を見て、様々な原理(三平方の定理、中心角、円周角、中点連結定理)を当てはめられるかどうかがポイント。
(2)立体(空間)図形の中に出来る平面図形に、三平方の定理をどのように適用するかである。
この場合にも、真横から見た図形がどのようになるかについて豊かな想像力が必要である。正解を導くためには、そのような想像力が極めて重要であり、その想像力を鍛えるためには日頃の学習が必須であることはいうまでもない。特に、受験生が苦手とする空間図形の問題は、事前に十分な演習を行っておくように。
攻略のポイント
全体的には基本問題から標準・応用まで、バランスのとれた出題になっているので、事前の準備は全分野にわたって演習を繰り返すことが重要であり、弱点・苦手分野を克服しておかなければならない。
問題自体は、全く手も足も出ないという設問はないので、確実に75%の得点は欲しいところ。
従来も頻出分野である『関数(放物線と直線)』、『平面及び空間図形』は何度も繰り返して演習しておくように。この2つの分野の融合問題のポイントをしっかり押さえておくことも大事である。平面座標上の放物線・直線上に与えられた図形の頂点のいずれかが乗っている(グラフが点を通る)ということの意味をしっかり理解するように。
また、新しい傾向問題として、是非目を通し演習して欲しい分野に、『規則性の問題』と『数の性質』がある。どちらも出題されれば受験生にとって『初見問題』となりそうな問題である。
本番入試で出題されても、慌てず落ち着いて処理できるように類似問題40~50題を事前に解き、問題解法への着眼点を鍛えて欲しい。