城北埼玉高等学校 入試対策
2017年度「城北埼玉高等学校の数学」
攻略のための学習方法
併願入試で城北埼玉高校を受ける受験生は、その後早稲田慶應やMARCH(明治・青山・立教・中央・法政)などの難関私立を受験する生徒も多いことだろう。そうした学校を目指す生徒たちが学んだ知識を使えば、十分に対応できる問題だと思われる。
問題のレベルは基本中心、というわけではないが、難関高校受験の数学において必要とされる知識や技術がしっかり詰め込まれた典型問題が多いので、しっかり内容を確認することで自分の解法の技術がどれだけ定着しているかを確認するいい機会にもなる。
対策としては難関私立に向けた日頃の勉強を進めることによって、カバーすることも十分可能と思われるので、問題集でよく扱われている「典型問題」を多く演習し、今までの内容の復習と並行して解法の基本パターンを身につけておくことで、対応できる幅がかなり広がる。難関高校向けの塾のテキストや問題集をまんべんなく演習しながら、ほかの学校の入試対策と並行して進めていくと効率よく進められるだろう。
塾で取り扱いのある「新中学問題集」なら「発展編」を利用すると併願校も含めた入試対策として有用性が高いと思われる。
以下に城北埼玉を含めた難関高校に向けた数学のポイントをまとめておこう。
(1)苦手分野を作らない
方程式、関数、平面図形、空間図形と各単元がまんべんなく出題される。特に「関数と図形」を融合させた問題は近年よく出題されているので、そうした問題までしっかり対策しておきたい。中1や中2で学んだ三角形や四角形の性質、合同や相似、円の性質・定理、空間図形の切断や展開図など、幅広い図形の知識を要求されるので、覚えるだけでなく常に使えるように問題に触れておくこと。
「計算は得意だが図形は苦手で…」などの生徒の声をよく耳にするが、図形、計算とカテゴライズせず、「数学」として全体を通して学習することが何より大切なのである。
(2)図に落として考える
関数においても図形問題においても、情報を図に書き込んで、整理して考える習慣をつけておくこと。難易度が上がれば上がるほど、情報は図の奥深くに隠れているものだ。自分で図を使って作業をしながら考えることで答えを発見したり解法のメドを立てやすくなるというもの。失敗を恐れずにまず図に書き込んでみる、補助線を引いてみる、という習慣を大切にしてもらいたい。
(3)確実性を高めておくこと
難関な図形の問題も、簡単な計算問題も1問は1問。配点が極端に偏ることはないので、確実に得点できるところでいかに点数に結び付けられるか、だ。ミスで失点することはあまりにもったいないので、日頃からていねいに処理して確実に答えを出せるように練習を重ねてもらいたい。
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2017年度「城北埼玉高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
極端な難問は少なく、基本をしっかり理解して応用できるかが求められている。若干量が多く感じるかもしれないので、焦らずテンポよく最後まで進めていきたい。
図形や関数の問題が多いが、しっかりと図に情報を書き込んで整理することが解法のカギである。
【大問1】独立小問集合
- 時間配分:10分
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(1)<平方根の四則計算>√の中を簡単にしてから計算しよう。
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(2)<文字式の計算>通分してマイナスを分子全体にかけること。
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(3)<数の性質>整数nの正負両方あることを忘れずに。
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(4)<等式変形>分母を払うことが鉄則であろう。
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(5)<因数分解>共通因数を見つけ出せば簡単だろう。
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(6)<図形-面積>半円と扇形に気づくことがポイントである。
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(7)<図形角度>円の中心から円周上にある線分は半径になることと、内角と外角の関係より角度を求める。
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【大問2】関数-放物線と直線
- 時間配分:7分
(1)2点A、Bを放物線に代入してy座標を求めて、傾きと切片を求める。
(2)等積変形にて△ABO面積=△ABC面積である。△ABO=△ADO+△BDO。
(3)△ABCの面積に着目して、(2)より1/2×6√5×PQ=24が成り立つ。
【大問3】連立方程式の応用
- 時間配分:8分
(1)10%の増加⇒×1.1、5%の減少⇒×0.95、をそれぞれxとyにかけて今年の受験者数にする。
(2)分母を払って素早く解こう。
【大問4】確率-さいころ
- 時間配分:7分
- (1)2直線が平行になるのは傾きが等しいのでa=2bとなる。(a,b)=(2,1)(4,2)(6,3)となり、a=2,4,6のときc/aの値を書き出すと13個。
- (2)b/a=1/3、c/a=2/3の両方を満たす場合、(a,b,c)=(3,1,2)(6,2,4)の2通り、よって2/216。
- (3)P(4,2)となり、③がPを通るとき、2a=4b+cとなる。(a,b,c)=(3,1,2)(4,1,4)(5,1,6)(5,2,2)(6,2,4)の5通り、よって5/216。
【大問5】平面図形-円
- 時間配分:8分
- (1)弧の長さと、それに対する中心角と円周角は比例することで求める。
- (2)特別な直角三角形の比1:2:√3と図形の対称性より線分の値を求める。
- (3)△CEGが直角二等辺三角形であること、特別な直角三角形の比1:2:√3より線分の値を求める。別解で△ABE∽△CDEより求める方法も解法の選択肢としてできるようにしよう。
【大問6】空間図形-回転体
- 時間配分:9分
(1)三角形の内接円の中心から接線に下ろした線分は垂直に交わる。その線分を三角形を3つに分けたものの高さとし面積を3つの和で表す。全体の三角形の面積とイコールにする。
(2)Bが通過してできる立体は、円錐を半分に切った立体となる。
(3)HB⊥面ACHとなるとき距離が最大となり体積は最大となる。
攻略ポイント
全体的に典型問題が多いのでそれほど驚くことはないと思うが、処理が大変で時間がかかるものも出題されている。また、やや分量が多く感じるかもしれないが、時間配分に十分に気を付けて、テンポよく最後まで一気に解法できるようなスピードを磨いておきたい。
平面図形、空間図形の問題は、必ず図に描いて、条件や条件から出てくる数字を使って、設問に答えらるように、日頃から練習しおこう。とりわけ、図形問題は標準問題集の解法をどれだけ自分のモノにしてアウトプットできるかが攻略のポイントとなるだろう。