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開智高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「開智高等学校の国語」
攻略のための学習方法

〇長文読解

説明的文章・文学的文章が各1問ずつ出題される。2022年度では論説文3600字・小説4600字の計8200字ほどの文量であった。

文章自体は高校受験の試験としては適した内容で、難し過ぎるということはない。小説の主人公も中学生の設定になっていたりする点、中学三年生向けの難易度で配慮されている。
形式は選択肢問題がやや多めで、書き抜き・記述・文中の内容を自分で考えて言葉にする問題なども見られる。記述は字数指定のないものや、50~60字ほどのものも出題されている。

【記述問題】                                            配点も大きく、字数指定の無いものもあり、やはり差がつくところであろう。              「簡潔に説明しなさい」という形で訊かれるものが多いので、何をどのようにどのくらい記述するのかは自分で判断することになる

論説文であれば、要約の能力が必要である。設問で求められた点を過不足無くまとめなければならない。

小説の場合は、文中にはっきり表現されていない場合も多いので、文中の出来事・人物の言動や表情・情景などから、(おそらくは)人物の心情を感じ取って、説明しなければならない。

字数指定が無い問題は、解答欄の大きさからだいたいの行数を考え、1行につき20~25字くらいの見当で書ける文量を決める……など。類似問題で十分な練習を積んでおかないと対応できないことである。

20~30字・70~80字などの字数で要旨・要約をまとめたり、人物の行動理由や気持ちを自分なりに表してみたり、一定の字数で記述を整える感覚を体得しておいていただきたい

【 読 解 】
記述問題に慣れておくことは当然のこととして、つまるところは文章の要約であり登場人物の心情理解が求められているわけである。長文読解の力が無ければ記述問題など手もつけられない。長文読解のテクニックを磨くこと

形式段落と意味段落・段落のつながり・要点と細部・要旨のまとめ……論理の流れをしっかりたどる。場面の転換・登場人物の関係・言動や表情や情景などから心情を理解する……テーマを読み取る。同じような文量の問題でスピードをつけておくことももちろん必要となる。

〇古文                                    

大学受験と同様の素材文が出されているが、難しい箇所には現代語訳がついていて難易度の配慮はされている。このレベルの試験だと助詞の接続による意味の変化を見分ける必要があったりするが、全体の筋が読めれば答えられるような問題にはなっている。

ともあれ、難易度としてはやはり高校で詳しく習うことなので、重要語句や基本文法・古典の知識を一通り覚えて古文を読みなれておかないと、十分な得点に結びつかないだろう。高校初級~標準レベルの教材で学習しておくことをお薦めする

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2022年度「開智高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

論説的説明文3600字・小説4600字で計8200字ほどの文量で例年通りであった。
総解答数は32問。記述問題が4問、その他は記号選択が多くなっている。
記述問題以外はあまり時間を取られるような問題はないので、素材文を読むスピードが十分にあれば、時間は足りるだろう。
記述問題は20~70字ほどでまとめるもので、答える内容もそれほど難しくはなっていない。

【大問一】論説文の読解

  • 時間配分:20分

学力の国際比較の調査結果を紹介しながら、バランスの取れた価値観がないと、人や社会への見方に柔軟性や多面が失われてしまう危険があることを指摘している。

問1 a. 功罪  b. 潰(れて)   c. 対価  d. 端的  e. 不遇

問2 A. お勉強はできた、「ところが」その科目は好きではない。
   B. 好きでないことに加えて、「さらに」人生の役に立つとも思っていない。
   C. 謙虚や謙遜が尊ばれるから向上し続けられるという価値観がある、「ですから」
そういう若者が量産できている、ともいえる。

問3 日本の状態の逆を考えればよい。その科目を好きで能力もあり、将来は関係する仕事
に就きたいなど、自ら進んで学ぼうとする意欲を指している。

問4 「二つ」とは「自己肯定感が低いけれど向上心に富む」「努力や精神力でいい結果が
得られる」という日本人に多く見られる性格や考えのことであるから、選択肢が合う。

問5 ウ. 自己肯定感が強いので、日本の伝統的価値観と合わない。

問6 「自分に能力がないことを思い悩む」という選択肢が合う。

問7 『論語』の「人から認められないのは、それだけの実力が自分にないからだ」とい
う言葉は、「努力して実力がつけば周囲は認めてくれるはず」という単なる「期待の表明」なのだが、それが「成功した人間はそれに見合う努力をしたはずだ」という因果関係に微妙に変化し、さらにひっくりかえって「うまくいってないのは本人の努力が足りなかったからだ」という考えにたどり着いついてしまう、と述べられている。

問8 ア. 現場では導入されていたが、本体の教育・受験制度が変われなかったのである。
         イ. 自己肯定感が低いという調査結果をもとに「ゆとり教育」が目指されたのだから、順序が逆である。
         エ. 重要なのは努力ではなく精神力である、などとは書かれていない。
         カ. いい面でも悪い面でも、それを教え込む(刷り込む)ことを良しとはしていない。

【大問二】説明的随筆文の読解

  • 時間配分:20分

主人公が調律師になって初めて調律に同行したときのエピソード。ピアノを使う姉妹が互いのことを想いながら調整をしてもらおうとする姿に、主人公は心打たれた。

問1 a. 名目――表向きの理由・口実。
         b. 殊勝な――もっともらしいようすで神妙にしているさま・けなげでほめるに値
するような。

問2 直後の場面で、ピアノがよく弾きこまれ、大事にされていると感じている。そのよう
なピアノを扱うことは調律師としてもやりがいを感じるのである。

問3 最初に帰ってきた姉の声。のちの妹の呼びかけで名前は「和音」であることがわかる。

問4 仕事を終えた帰りの車中で独白している。姉の弾くピアノについて「情熱的で静かな
音というものを初めて聴いた」「明らかに特別だった」と、聴いた時の衝撃を述べている。

問5 姉からは妹を待っていてくれと頼まれたが、母親からはお茶を飲む間に帰ってこな
いなら「妹を待たずに帰って」くれてよい、と言われた。

問6 主人公とその先輩の感想から、選択肢を選べる。

問7 車中で主人公が気づいたことに注目。妹が「明るい音」を希望したのは自分のためで
はなく、姉の静かで情熱的な音を際立たせるためではないかと気づいたのである。妹にも試
し弾きをさせてやろうとする姉と、姉のための音の調整を望む妹と、互いのことを思いやる
その関係性に、主人公は感動したのである。

【大問三】古文の鑑賞

  • 時間配分:10分

学問は優秀だが外見のさえない自分をからかおうとした女房達を、匡衝は即妙な和歌でやり込める。

問1 現代仮名遣いでは「がくしょう」。

問2 いみじ(古)――並ではない・すばらしい・ひどい。

問3 イ. 性格についての説明はない。
   ウ. 「いかり肩で見苦しい」とあり、女性には人気がなかった。
   オ. 「あなた」は「彼方」の意味で、場所・方角を表している。

問4 傍線部の内容とも合わせて、「学問はできるようだが、容姿が冴えないのでからか
って笑ってやろう」という意図だったと考えられる。

問5 「知り給うたなるを」は、「なる(なり)」が伝聞の助動詞、「を」は順接の接続助
詞で、「知っていらっしゃるとお聞きしたので」の意。
   「え~で(ず)」は、「え」+打消し「ず」という組み合わせで「~できない」とい
う意味。よく出されるので覚えておこう。

問6 からかって笑ってやろうと思っていたのに、匡衝が間髪を入れずに見事な和歌で応
えたので笑うこともかなわず、すごすご退散した。

問7 (A) 「あづま」が「東琴」と「東国」という二つの意味の「掛詞」になっている。
   (B)  ア. 「女房たちのことも知らない」という内容はない。「あなた」は方角のこと
である。
       ウ. 「東国へ行ったことがない」は匡衝が和歌の中で言ったことである。
             エ. 「演奏は下手なのではないか」くらいの予測は立てていただろうが、「弾け
ないことを熟知している」かは示されていない。
             カ. 「不快な気持ちを抱いている」ような描写はない。

攻略のポイント

長文読解の対策として読むスピードをつけて、読解の技術を磨いておくこと
記述問題に対しては同程度の字数で要約や心情の説明をまとめる練習を積み重ねる
今年度も古文の配点は約2割と大きいので、苦手な人も諦めずに勉強に取り組むこと。古文の教材でやや高いレベルの古文演習をこなしておきたい
全体としてはオーソドックスな内容で得点しやすい問題も多いので、難しい問題にとらわれすぎない冷静さも必要である。できる問題から確実にこなすこと

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