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開成高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「開成高等学校の英語」
攻略のための学習方法

合格を絶対に勝ち取るための攻略的学習法について以下に項目別に述べることとする。

①単語力は大事である

具体的には最低でも3500単語は欲しいところ。最難関校用の単語帳(英検レベルでは準2級相当)をしっかり学習し単語力を定着させること。特に、一つの単語で多様な意味を有する単語は要注意。例えば、figureという名詞には「人形、人物、数字、(数字の)桁、図柄、形」などの意味がある(同様な単語は他にもたくさん存在)ことなどをしっかり把握しておくこと。そうしないと、英文を正しく読むことができなくなる。

文法というものは、単にその知識を習得するだけではないことは言うまでもない。そのような知識習得は当然のこととして、開成高校合格を目指す受験は是非つぎのことを念頭に焼き付けて欲しい。
『文法事項とは情報伝達の基本ルールであり、話し手・書き手は聞き手・読み手に何を本当は伝えたいのかを認識・理解するための基準である』
それでは、具体的に最低限必要な文法事項について以下に概観しよう。

②関係代名詞・関係副詞についての理解を深める

英文が長くなる主たる原因の一つである。目的格(whom/which)の省略に慣れることや、先行詞を修飾する関係代名詞に導かれた形容詞節が何処までかを( )でくくり前にある先行詞にかけて(修飾させて)訳を考えること(いわゆる『返り読み』)は行わないように。これは、最後まで読んで前に戻るという手法で時間のロスが大きい。
その場合には、関係詞に関係なく左から英文に合わせて先行詞まで一気に読み、関係代名詞以下を「そして~である」と読めるように日頃から練習を積むべきである。いわゆる『返り読み』をしないとこが大切である。

③分詞構文には十分慣れておくこと

文頭に~ingがあり、それが動名詞として主語の働きをしていない場合には、分詞構文と捉えること。
分詞構文の代表的用法としては、ⅰ)時(~のとき)、ⅱ)譲歩(~だけれども)、ⅲ)理由(~なので)、ⅳ)様態(~のように)、条件・場合(~の場合は)などがある。しかも、次に述べる接続詞(as)との関係で、ⅰ)~ⅳ)をしっかり覚えること。なぜならば、asにはⅰ)~ⅳ)の全ての用法があり、さらに付帯又は時の経過(~するにつれ)という用法もあるからである。
また、-ed(過去分詞)で始まる動詞で始まる分詞構文もあるので注意すること。その場合には、従属節(条件節)な受動態の場合であることも必須知識である。

④前置詞・接続詞に注意するように

どのような場合にどの前置詞を使用するかの識別をしっかり押さえておくこと。
toがあると無条件で原形動詞があとに続くと考えてはいけない。イディオムによっては、toが前置詞(その後には名詞が置かれる)である場合には、前置詞のルールに従い原形動詞ではなく名詞の役割を持つ動名詞(~ing)が続くということも必須知識として押さえたいところ。

⑤仮定法は願望である

少々乱暴な言い方に聞こえるかもしれない。どういうことか。一文を例示しよう。仮定法過去(現在の事実を否定しこうだったらいいのになぁという願望)の典型的な英文を一緒に考えてみよう。
If I were a bird, I could fiy the sky.
一度は目にした英文だろう。例文の動詞(助動詞)の時制は見た通り『過去』であるが、文頭にifがあるために、この英文は仮定法過去の文章となり現在の事実を否定して、現実とは逆のことを想定しているのである。つまり、現実には「私」は現実には「鳥」ではないが、もし「鳥」ならば空を「飛ぶ」ことができる(空を飛びたい)のに、という「私」の願望が込められているのである。

⑥比較は時系列の中での比較を習得しよう

比較には2種類あることを理解して貰いたい。第1には『同時に異なる2事象以上を比較する』ということである。したがって、この場合には『比較の元』になる事象が必要なのでthan以下の表現を伴うのである。つまり、AとBを同時に比較し『Aの方がBより背が高い(A>B)』という表現になる。第2には『時の経過の中で変化してゆく様を表す(比較する)』ということである。つまり『Aは10年たって背が伸びた(10年前に比較するとAは背が伸びてA´になった)』ということである。この様な比較の用法があることもしっかり押さえておいて欲しい。

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2016年度「開成高等学校の英語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1は、長文読解(物語)の総合問題。アメリカ沿岸警備隊の一員であった主人公の生活を通して人物の内面を読み取る
<時間配分目安:16分>。

大問2は、長文読解(伝記)に関する総合問題。植物がどのように繁殖するかについて、エンドウを使用し交配実験を行ったメンデルの伝記
<時間配分目安:14分>。

大問3は、単語の定義の問題。5問中4問は必完答
<時間配分目安:3分>。

大問4は、適語句補充問題。正確な文法知識と構文知識が求められる
<時間配分目安:3分>。

大問5は、書き換え・適語(句)補充問題。正確な文法知識を問われる
<時間配分目安:4分>。

大問6は、ヒアリング問題
<時間配分目安:10分>。

 

【大問1】長文読解(物語)の総合問題

  • 時間配分:

本問にかけられる解答時間は14分。時間との勝負である。本文を読みながら、各設問に解答するスタイルで的確・迅速に対応したいところ。比較的読みやすい内容であり、使用されている単語もよりイメージしやすい(非抽象的)なものであるので、内容はしっかり把握できるように。それが問6(内容正誤問題)の正答率に影響する。

(問1)適語選択・語形変化。
本文中に適語を語形変化させて選択する問題である。動詞の活用法や分詞(現在分詞・過去分詞)の形容詞的用法など高度な文法知識が必要。

<時間配分目安:2分>

(問2)適語選択問題。
正確なイディオムの知識がないと解答できない。どのようなイディオムにどの前置詞が結びつくかを問われている。

<時間配分目安:2分>

(問3)整序結合問題。
「彼には~が誰もいない」という表現を最初に決める。また、to不定詞の形容詞的用法を用いて完成させる。そのうえで、不足する単語1語を考えさせる問題である。

<時間配分目安:2分>

(問4)整序結合問題。
始めに「(人が)~するのに(時間が)…かかる」‘It takes+人+時間+to~’の表現を考える。さらに、関係代名詞の目的格を省略しまとめる。

<時間配分目安:3分>

(問5)下線部訳。
正確なイディオム力が求められる。(ア)についてはflyの意味を正確に捉えることが重要である。また、本文に「as he was in those days」を補って考えられるかが正確な下線部訳となるかのポイント。(イ)についてはgo on(仲良くやっていく)、apart(離れて)などの的確なイディオム・単語の意味を理解していないと正確な訳出は難しくなる。

<時間配分目安:3分>

(問6)内容正誤問題。
6題中、5題は正解したい。そのためには、正確な内容把握は不可欠である。本文を満遍なく読み、内容を正確に把握しなければならない。

<時間配分目安:4分>

 

【大問2】メンデルの自伝的英文の読解総合問題

  • 時間配分:

自然科学的英単語を正確に把握しなければならない。中学レベルを超える単語については(注)が付されている。解答時間は14分。

(問1)適語句選択問題。
前後の文脈を正確に理解し、適正なイディオムを選択しなければならない。

<時間配分目安:1分>

(問2)適語補充問題。
「~の反対の」の形を思い浮かべること。

<時間配分目安:1分>

(問3)適語選択問題。
文の後半の「もっと多くのことを見つけたい」という記述を参考に考える。

<時間配分目安:1分>

(問4)適語句選択問題。
メンデルが統計学を利用できた理由を考える箇所である。

<時間配分目安:1分>

(問5)整序結合問題。
修道院の人々がメンデルの発見の価値を理解できなかった、という形でまとめる。また、‘疑問詞+主語+動詞…’の間接疑問の形を考え、そこにhowを付加して完成させる。

<時間配分目安:2分>

(問6)和文英訳問題。
「~まで時間はかからない」を「ほどなく~だろう」と置き換えができるかがポイント。

<時間配分目安:1分>

(問7)要旨把握問題。
下線部の中に含まれるコロン(:)の役割をしっかり押さえておくこと。コロンは、前の部分を具体的に述べる役割を持つ。

<時間配分目安:2分>

(問8)要約文・語句選択問題。
本文を正確に把握していないと的確に選択文・語句を選択することは困難である。

<時間配分目安:2分>

(問9)内容正誤問題。
全体を正確に把握していないと8割正答は難しい。自然科学系の文章であるので数字や客観的記述に留意すること。

<時間配分目安:3分>

 

【大問3】適語補充問題

  • 時間配分:

単語の意味を英語で表記されている内容を理解し、適語を補充する問題である。正確なつづりに留意すること。特に、⑤は「食後の最後に食べる甘いもの」つまりdessertであるが、ssとつづることに注意。desertでは砂漠になる。

<時間配分目安:3分>

 

【大問4】適語句補充問題

  • 時間配分:

正確な構文知識と文法知識が必要である。関係代名詞、接続詞としてのasは要チェックである。特に、接続詞としてのasは、時、理由、譲歩、付帯、時の経緯など複数の訳が考えられるため、正確な理解が必要である。

<時間配分目安:3分>

 

【大問5】書き換え・適語補充問題

  • 時間配分:

イディオムと文法知識が問われる問題である。特に、itの用法(形式主語、代名詞、強調構文、状況(訳出しない)、慣用表現)については、深い知識を習得しておくこと。

 <時間配分目安:4分>

 

攻略のポイント

例年通り、求められている英語力は高校初級レベル(英検準2級)である。解答時間を考慮すると見直しを行う余裕はないはずである。“一発必答”の覚悟で集中力を高め、事前に学習した知識を総動員させて問題に取り組んでもらいたい。

合格のために、求められる学力と知識は、当然ながらかなり高度である。
イディオム力(文法問題では不可欠)と文法知識は正確に把握しておくこと。
単語力は、最低でも3500単語は欲しい。イディオム力は約1000は押さえておきたい。

文法知識は、関係代名詞、関係副詞、分詞構文、前置詞・接続詞、仮定法、比較、準動詞の知識と例文はしっかり理解しておくことが大事である。そのうえで、一つでも多くの英文に慣れておくことが大事である。難関校対策として様々なジャンルの英語長文読解総合問題(700words)を2日に1題を目標に取り組んで欲しい。

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