慶應義塾志木高等学校 入試対策
2017年度「慶應義塾志木高等学校の英語」
攻略のための学習方法
[模試の単元別の得点に注目する]
学習方針に迷わないように、外部の模試を利用しよう。学校の定期試験では、学期ごとの成績は明らかになる一方で、出題の範囲が限定されているので、英語の総合的な実力が明らかではない。すると、ひと口に英語といってもさまざまな単元から成りたっているので 、いざ受験に向けて志望者が学習しようとしてもどこから手をつけてよいのか、方針が立てにくい。
そこで、中学1年・2年の間から、難易度の高い外部模試を定期的に受けて、英語の単元別の得点をこまめに確認しておいてほしい。
例えば、慶応志木の志望者なら、文法・長文読解の得点を確認しておきたい。それぞれの単元の得点を把握しておくことで、なにをどう勉強すればよいのか明確になる。ふさわしい教材が選びやすくなり、無駄な単元の学習も省略できるので、効率的な指導ができるにようになる。
外部模試にもたくさんの種類があるので、どの模試を受けるべきかわからないのであれば、家庭教師に相談してほしい。志望者の現在の実力にあったものを推薦しよう。
[文法書は2冊仕上げる]
文法力については、同じ難易度の教材を2冊用意しよう。1冊めは受験に必要な文法の単元を演習するための教材で、中学3年生の7月までに仕上げたい。2冊めは模試や過去問で間違えた単元を演習するための教材で、中学3年生の12月までに仕上げたい。
同じ文法の範囲を、異なる教材で演習することで受験に必要な対応力が身につく。知識の暗記はもちろん重要だが、知識の暗記だけでは問われ方が変わると間違えてしまう。
例えば、慶応志木の志望者は、【大問Ⅳ】から【大問Ⅵ】で満点を取れるようになっておきたい。そのためには、ただ熟語・構文・文型を丸暗記するのではなく、さまざまな角度から演習しておく必要がある。
[さまざまな長文に慣れる]
受験に出題される長文は、さまざまな種類に分けられる。
例えば、慶応志木は【大問Ⅰ】が会話を中心とした物語文であり、【大問Ⅲ】が説明文だ。文章の種類によって英語独特の読解力が求められ、読み慣れが必要だ。
【大問Ⅰ】では「—a door closing on the future」の部分が好例だ。口語での慣用表現であり、文字通りに訳せば「未来のドアが閉ざされていく」となるが、ここでは「自分の将来の選択肢が狭まる」と意訳する必要がある。
英語の物語文ではこのような表現が用いられ、戸惑う生徒がたくさんいる。あらかじめ長文に読み慣れておき、受験本番ではすらすらと読めるようになっておきたい。
なお、読解用の教材が欲しい場合は、家庭教師に頼めば手配できる。
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2017年度「慶應義塾志木高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は60分で、得点は100点満点だ。大問数は6問で、設問数は51問だ。
長文と文法は、大問として独立している。まずは文法を仕上げて、残り時間で長文を素早く読み進めていこう。どの長文にどれだけ時間をかけるのか、判断力も求められている。
【大問Ⅰ】長文読解(物語文 約700語)
- 時間配分:15分
レストランでの婚約の場面を題材にした物語文だ。英語の小説独特の心理描写に慣れておくと、読みやすくなる。
【大問Ⅱ】長文読解(説明文 約350語)
- 時間配分:9分
スコットランドのキルト文化を題材にした説明文だ。大英帝国のうち、イングランドとスコットランドは、英語を公用語としながらも、異なる文化・伝統を持った地域だ。英語のグローバル化とともに、近年では、公用語を英語としながらも、異なる文化・伝統を持った国・地域が比較されるようになってきている。
なお、世界地理や世界史を学んでおくと、読解の助けとなる。
【大問Ⅲ】長文読解(説明文 約600語)
- 時間配分:15分
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画モナ・リザを題材にした説明文だ。文書ではいくもの内容が細かく述べられているので、整理しながら読み進めたい。
なお、文章で要求されている語彙力は、英検2級の水準にあり、他校とは一線を画している。ただ単語がわからないことが原因で、読めないという状態に陥らないように、語彙力の強化が必須となっている。
【大問Ⅳ】整序作文
- 時間配分:6分
いずれの設問も、熟語・構文・文型のしっかりとした知識が求められている。
(1)「too ~ to」の構文に、気づきたい。
(3)「not only ~ but」の構文に、気づきたい。
【大問Ⅴ】適語補充
- 時間配分:8分
文法をきちんと理解できているかが問われている。難易度は、【大問4】から【大問6】のうちで、もっとも難しい。この大問が全問正解できることを目標に、受験者は文法力を鍛えていこう。
(1)「would have successful」が誤りとなる。「successful」は形容詞で、「would have + 過去分詞」の文型になるので、「succeeded」と動詞にしなければならない。
【大問Ⅵ】適語補充
- 時間配分:7分
文法書で、文章の書きかえの演習を積んでおくとよいだろう。また、単語の綴り(スペル)は、正確に書けるように、日ごろから意識しておきたい。
(5)「どれでも好きなものを食べてよい」という日本語を、英語に書き換える。「Free oneself」と「Can eat anything」という表現が、浮かんできただろうか。
攻略のポイント
受験者の合否を分けるのは、読解力と文法力になる。
読解力については、長文の総語数は、約1500語を超えるので、速度も重要になってくるが、やはり深い読解ができなければ、得点できない設問が目立つ。ただ単に処理速度が速いだけの受験者は、得点が不安定になるだろう。
文法力については、高い水準が求められてはいるが、全問正解が狙える。
過去問を解けば、分野ごとの得点率がはっきりと示される試験構成なので、受験者がどのような対策すれば合格点に達するのか、わかりやすくはある。