慶應義塾志木高等学校 入試対策
2023年度「慶應義塾志木高等学校の英語」
攻略のための学習方法
全体的には、難解な英文ではない。使用されている英単語やイディオムについても、基本的・標準的な類のものが多い。文法事項の問題も殆どの問題集に記載されている問題である。したがって、ケアレスミスによる失点は取り返すことができない。より正確に、かつ迅速によくためには様々「力」が要求される。それでは、以下に求められる「力」の中から何点かにわたって、具体的に述べてみたい。
①単語力・イディオム力は大事である
英文を正確に読むために、最低限の文法事項知識の習得は言うまでもない。が、その前提として単語の意味を理解していないと、正確に英文を読むことはできない。難関校の入試英語における長文を読みこなすためには、最低でも3500~4000語はほしいところである。そのような単語を覚えるにはどのようにしたらよいのか。第一にやらなければならないのは、自分の英単語力の現状の力を把握することである。市販されている単語帳(英検準2級又は2級用の単語帳)自分が完璧に覚えている単語と覚えていない単語の数を洗い出すことである。完全に覚えていない単語数が、仮に2000語あったとしよう。この2000単語を夏までに覚えようと決意したとき、残された日数が100日だったとすると、一日に覚えなければならない単語数は単純に2000÷100=20単語数である。この単語数を日々地道に繰り返してゆくしかない。そして、1週間のうち一日だけ受験勉強の調整日を設けることであり、その日に未消化分の単語をしっかり反復練習するという作業をひたむきに継続するということが、英単語に関する上位難関校受験対策には不可欠である。
②文法事項は重要である
いうまでもなく文法事項も最重要事項である。特に、上位校に頻出である比較、話法、分詞(現在分詞、過去分詞)、仮定法、関係代名詞、関係副詞、時制は上位校に頻出される文法事項である。文法書や問題集などで上記文法事項に関する演習をしっかり行ってほしい。また、一歩、学習を深めるために「仮定法を用いて筆者(書き手)は、何を我々(読み手)に伝えたいのか」ということを念頭に置いて英文を読んでみると、今までとは違った世界が見えてくるのである。それは、単に「英文を読む」というだけではなく、本当に筆者が伝えたかったことは何かをはっきり明確に理解できるということである。そこまでの理解を自学で習得するのは、きわめて困難を極めるかもしれないが、大切なことは地道に努力を繰り返すことである。そのようなひたむきな努力が、確実な学力の向上を保障するのである。
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2023年度「慶應義塾志木高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、物語に関する長文総合読解問題である<13分>
大問2は、説明文に関する長文総合読解問題である<9分>
大問3は、説明文に関する長文総合読解問題である<12分>
大問4は、整序に関する問題である<8分>
大問5は、適語補充に関する問題である<4分>
大問6は、適語選択に関する問題である<8分>
大問7は、テーマ自由英作に関する問題である<6分>
【大問1】物語に関する長文読解問題
- 時間配分:13分
問1.適語選択問題<3分>
1は、find+O(目的語)+形容詞の文型をあてはめる。時制に注意すること。
2は、「~に属する」としたい。したがって、belongが適切であるが、本問も時制に注意すること。
3は、本問の( )の後に、I do not fear darknessとあることから類推する。
4は、into dining roomとあるのでDinnerが「準備されていた=待っていた」とする。
5は、直後の英文はHis eyes shone red and he began to shakeとあることより、faceがchangeしたと考える。時制に注意。
問2.整序問題<2分>
「書類がいくつかあることでしょう」は、There will be some papersである。関係代名詞thatを用いてpapersを修飾する英文を考える。
問3.適語選択問題<2分>
(あ)は、be covered withである。
(い)は、I come from an old familyなのであるから、「歴史のない家に住むのはすきではない」のである。
(う)は、his window のそばに立っている、とする。
(え)は、out of the windowを除外して考えるとlooked at his broken mirrorとなる。
問4.内容把握問題<2分>
直前の英文にSuddenly he heard a quiet voice in his ear say,“Good morning”とあるが、これが(Ⅱ)の理由になる。
問5.内容把握問題<2分>
As he did that, he touched the little silver cross around his neckが手掛かりになる。
問6.英問英答問題<2分>
英問の内容は、「ジョナサンは自分が拘束されているとなぜ感じたのか」である。直前の英文にFor the first time he realized that he wanted go home.‘But will he let me leave ?’he thought.とある。
【大問2】説明文に関する長文読解問題
- 時間配分:9分
問1.適語選択問題<2分>
(1)は、date back to ~で「~にさかのぼる」である。
(2)は、「主要な、中心的な」に該当するleadであるが、分詞の形容詞的用法をあてはめてleadingとする。
(3)は、a no-holds-barred sportとは「禁じてなしのスポーツ」のことであり、「何でもあり」なのである。
(4)は、be forced to ~は「~するように強要させる」である。
(5)は、「最終的に利益を生み出す組織に発展した」のである。
問2.文脈把握問題<2分>
(Ⅰ)は広告内容でありこの文面より、They believed that nobody could beat themと考えているのである。
問3.内容把握問題<2分>
In 2001 new UFC management created rules to make the sports less dangerous から判断する。
問4.内容真偽問題<3分>
以下の選択肢が適切である。
2.「MMAは良くないイメージを拭い去ろうと努力してきたのであり、世界中で人気が増してきた」である。
6.強調構文である。「グレイシー一家がまさに20世紀にMMAをマスメディアを利用して人気あるものにしたのである」である。
7.「UFCの第1回のイベントはケーブルテレビで放映され8万人以上が視聴したが、その暴力性を嫌い禁止することを望んでいる人もいた」である。
【大問3】説明文の適文選択問題である
- 時間配分:12分
【A】は、最終文が、Listen well and pay attention to what other people say to you without cutting inとある。
【B】は、(2)の直前のto think about the negativeとは、これまで人類が危険なことに考えを巡らす訓練されてきたことにより、我々人類は安全を保ってきたのである。
【C】は、選択肢の中にあるThe feeling of being understood がポイントである。
【D】は、(5)の直前にあるwars and the pandemicが選択肢の中のThese eventsのことである。(6)の直後にIf you attention to what you think and believe, you can develop resilienceとの関連性を考える。
【大問4】整序問題
- 時間配分:8分
1.「~をやめる」はstop ~ingである。stopはto不定詞を伴う場合は「~するために立ち止まる」となることも覚えておこう。「現在を楽しむ」はenjoy the presentである。
2.「教えてもらえますか」はCould You tell me ~?である。
3.「住んでいた都市」は関係副詞であるwhereを用いて表現する。
4.「~していたようだ」は現在完了形を用いてseem to have been ~ingとなる。
5.「~を使えば…できる」は動詞enables+人+to~と表現する。「2倍の」はtwice as ~ asを用いる。
6.「~すると必ず…する」は「~することなく…することはできない」と言い換えて表現する。can’t … without ~ingを用いる。この表現は読解問題でも頻出なのでしっかり覚えることが重要です。
7.「~しても無駄である」はIt is no use ~ingである。
8.語群の中に「ある状態のままにしておく」という意味のleaveという単語がなく、leftがあるので「窓を開けたままにする」を「窓を開けられたままにする」と解釈して文を組み立てる。if the windows are left open while you sleepとまとめる。
9.「~して初めて…である」はIt is not until ~ that …で表す。読解問題でも重要な構文である。
10.「~する人は誰でも」はanyone whoとなる。「日本で過ごしたことのある」は現在完了形(経験)を使って表現する。
【大問5】適語補充問題
- 時間配分:4分
1.アのpointは「重要な点、要点」、イのpointは「~を向ける」という意味である。
2.アのprojectは「(映像を)投影する」、イのprojectは「計画」という意味である。
3.ア、イともmuscleが入り「筋肉」という意味である。
4.アのstickは「杖」、イのstickは「諦めない、最後までやり抜く」という意味である。
5.アのguardは「守衛」、イのguardは「保護する」という意味である。
【大問6】適語選択問題
- 時間配分:8分
1.「情報はインターネットで簡単に利用できる」という文章なので、利用できる=accessibleを選択する。
2.「生徒間のやり取り」という意味にしたいので、interactionを選択する。
3.「持続可能なエネルギー」という意味にしたいので、sustainable を選択する。
4.「各自(それぞれ)の部屋」という意味にしたので、respectiveを選択する。
5.「追加の情報」としたいので、additionalを選択する。
6.「イングランドの私の第一印象」としたいので、impressionを選択する。
7.「ウクライナへのロシアの侵攻」という意味にしたいので、invasionを選択する。
8.「創造力」にしたいので、creativityを選択する。
【大問7】テーマ自由英作問題
- 時間配分:6分
「もしあなたが作家(a writer)だとしたら、何についての文章を書きますか」というテーマについて40語以上55語以下の英語で書く英作問題であり、その理由も書く必要もあるだろう。なるべく平易な英文で書くことを心掛けることが重要で、本問もIf I were a writer, I would like to ~で書き始めるのがいいであろう。
攻略のポイント
基本的な文法知識とイディオムの知識があれば8割は得点できる。長文読解問題が3題であり、迅速な速読力と正確な精読力の両方が求められる。事前の準備としては、毎日600~700単語の長文を20分程度で解答できるように日々演習を積み重ねて欲しい。単語力も必須であるが、レベル的には英検準2級以上の単語力はいうまでもなく、できれば3500単語数までレベルを上げなければならない。イディオムについてもそれほど難解なものは必要ないが、英検準2級に出題されるようなレベルは完璧にクリアーしておくことが必要である。