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慶應義塾志木高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「慶應義塾志木高等学校の国語」
攻略のための学習方法

高校入試における頻出分野は論説文と小説である。この2分野の文章の攻略法について以下に述べてみたいと思う。

① 論説文を読み切るために

(1)「論説文は難しい」と受験生の多くは思っていないだろうか。なぜ、そのように受験生は思ってしまうのだろうか。理由は様々あるだろうが、本文に展開されている難解な論理や普段使い慣れていない用語などが、受験生の理解を阻んでいると思われる。「論説文は易しい」とまでは言わないが、入試問題として出題される論説文は、筆者の主張も明確で論理展開も整然としている。重要なことは、そのような特質のある文章を如何にしたら試験時間内に手際よく読み込むことができるかである。

(2)前項で確認したように、入試で扱う論説文は極めて論理性が高い。そのような文章を理解するためには、自分自身が論理的思考力を身につけなければならないということである。そのためには、日頃から物事を論理的に考える習慣を付けておくことが重要である。論理的思考力を付けるためには、「自分の頭で考える」ことが必須である。最近は、様々な情報伝達ツールが氾濫しており、必要な情報は手間暇掛けずに容易に手に入ります。そのような利便性の高い環境の中で、物事を論理的に考えるためには安直にそのような便利なツールに頼らず、自力で試行錯誤を繰り返しながら結論を導き出すことである。

(3)上記のような作業を繰り返すことで、「論理の道筋」を自分で組み立てられるのである。それができるようになれば、自力でも論理的な文章を書けるようになり、入試問題で扱われる論説文に対する対策も効率よく習得できるだろう。そして、その結果としては単に論理的文章が読めるようになるだけではなく、そのような論理的思考に裏付けられた記述問題における力も高まるのである。

(4)論理性を高めるためには、論理性の高い文章を読むことが必要であると述べた。具体的には、岩波書店や筑摩書房などから出版されている「新書」を読むことが効果的である。中・高生向けの「ジュニア・新書」も発行されているので、自分の興味のある分野の新書を実際に手に取ってみて中身をぜひ見てもらいたい。自然科学分野は言うまでもなく、社会科学系の内容もたくさん網羅されている。数冊で構わないので、気に入った新書を手に取り読了してもらいたい。さらに言えば、読書録のような文章(400語=原稿用紙1枚)にまとめ上げる訓練も必要である。その文章を他人(学校の国語の先生)に見てもらうと、自分の文章作成上の弱点補強にも役立つことは間違いない。

② 小説は心情把握を重点に

(1)高校入試で扱われる小説のポイントは「心情把握」である。登場人物の内面の心理状況がどのように変化してゆくのかを的確に押さえ、把握できるかが合否を分けると言える。その心情描写は、「そのとき太郎は、心から落胆したのである」という具合に「直接的」ではない。情景描写や他の登場人物との会話のやり取りを通じて推量するしかない。そのためにも自分の「感性」を研ぎ澄まさなければならない。

(2)「感性」を研ぎ澄ますためにはどうすればよいか。一口で言うならば「感動する心を失わない」ことである。物事を見て感動しない心では「感性」は磨かれない。小説の本文を読みながら、情景が浮かんできて登場人物の動きが手に取るように理解できるようになるためには「感動する心」が必要である。

(3)小説の文章を理解するためには、「比喩」の表現を活用したい。「比喩」には「直喩」と「暗喩」がある。文章中にあるこれ等の表現技法をしっかり理解し、内容が把握できるようになると小説の読解・理解力は格段に伸びる。日頃から文章を丁寧に読み込み、「比喩」、「擬人法」、「倒置」などの表現方法は意識して読むような習慣を付けることが重要である。

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2021年度「慶應義塾志木高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

小説に関する大問が1題<60分>である。設問形式は、圧倒的に記述が多い。抜出問題もあるが、字数指定のない設問、つまり「わかりやすく説明しなさい」または「簡潔に説明しなさい」という問われ方である。過不足なく適切な記述答案を作成できるように、事前の準備をしっかり行っておきたい。また、漢字読み書き問題、慣用句なども出題されているので、知識問題に関しては確実に覚えておくように準備をして欲しい。

【大問1】小説に関する総合読解問題

  • 時間配分:60分

出典は、夏目漱石著『文鳥』である。
問1は、漢字の読み書き取り問題である<5分>。どれも標準的な漢字である。問題数は15題。確実に得点できるように(得点源とできるように)日頃から練習し、漢字をしっかり覚えること。
問2は、慣用句に関する問題である<3分>。「愛想が尽きる」「念を押す」「雲をつかむ」「小春」「威勢」「宵の口」「浮かぬ顔」「兄弟分」は受験国語の常識としてしっかり覚えておくこと。
問3は、内容把握記述問題である<4分>。
(一) 飼って負いた「文鳥」が死んだ後、「自分」は籠ごとどこへ運んで「何」をしたかを読み取る。
(二) 文鳥は「華奢な一本の細い足」で体を支えていたのであり、「自分」は「頬杖」で顔を支えていたのである。
(三) 「文章」と「自分」の決定的な違いは、「自分」は頬杖をついて物思いにふける孤独な存在なのである。
問4は、内容把握に関する選択問題である<3分>。本文をしっかり理解し、「買う」と「飼う」の違いを理解し適切に選択肢を選ぶ。
問5は、心情把握記述問題である<3分>。三重吉の心情を読み取る問題。三重吉は「鳥をお飼いなさい」「籠をお買いなさい」と「自分」に言い続けたのである。三重吉の目的(下心・本音)は「自分」にお金を出させることにあったのである。
問6は、心情把握記述問題である<3分>。三重吉に代金として預けた五円札を自分(=三重吉)の懐にしまい込むかもしれない、と自分は疑っているのである
問7は、内容把握選択問題である<3分>。本文の内容と選択肢の適合性を考える。
問8は、内容把握記述問題である<2分>。「この女」と「文鳥」が、どのような点で共通点があると「自分」が考えているかを本文から理解する。
問9は、内容把握記述問題である<5分>。
(一) それまで活発に動いていた文鳥とは違っていたのである。
(二) 寒い夜に外に放置されている文鳥を見て、気が動転し一刻も早く助けなければならないと感じていたのである。「外套の羽根を返して」という表現に、「自分」の慌てふためく様子が感じられる。
問10は、内容把握記述問題である<3分>。文鳥の籠が猫に襲われたようで横に倒れていた。文鳥は恐怖に必死に耐えていたのであろう。
問11は、内容把握記述問題である<5分>。「自分」が「三重吉」に対して書きたいと思っていた手紙の内容を書く問題である。手紙を書こうと思ったのは、籠が猫に襲われた翌日である。このことを手掛かりに手紙の内容を考える。
問12は、心情把握記述問題である<5分>。文鳥が死んでしまったという事実を初めは中々受け止められなかったが、籠の中にあるもの(文鳥の亡骸も含めて)を「眺めた」ことにより文鳥の死を受け入れたのである。
問13は、心情把握選択問題である<2分>。「自分」は「古代の聖徒」のように文鳥の死を受け止めたのである。生き物の定めである「死」を「厳粛」に心の中で受け止めているのであるが、その思いを家人には「知られたくない」と思い、逆に「攻撃的」に振る舞っているのである。
問14は、内容把握記述問題である<4分>。「どこへでも勝手に持って行け」と言われた小女が「(文鳥の死骸を)台所の方へ」持って行ったというつながりを考えること。「勝手」を「台所=勝手」と取り違えたのである。
問15は、内容把握記述問題である<3分>。「自分」が見た光景を絵で描かせる設問を含んでいる。「筆子」の状態を理解して絵を描かく。
問16は、心情把握記述問題である<4分>。文鳥が死んでしまったことで「自分」も悲しい目にあったのである。
問17は、内容把握抜出問題である<3分>。二人の女と文鳥には「満足しながら不幸に陥って行く」という共通点がある。

攻略のポイント

小説の大問1題の出題である。字数指定はないが的確に過不足なくまとめ上げる記述力がポイントである。本文の文章を読み、内容を把握するだけではなく、設問の意図をしっかり理解したうえで自分の考えをまとめ上げなければならない。設問の答えが自分で理解できたとしても、それを如何に手際よく的確にまとめ上げるかは、日頃から記述力向上の練習を積み上げておく必要がある。また、漢字の読み書き・語句・慣用表現なども比較的出題数が多いので、このような知識問題も怠りなくしっかり押さえておきたい。

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