高校受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
高校受験専門プロ家庭教師が語る

慶應義塾志木高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「慶應義塾志木高等学校の国語」
攻略のための学習方法

高校入試における頻出分野は論説文と小説である。この2分野の文章の攻略法について以下に述べてみたいと思う。

① 論説文を読み切るために

(1)「論説文は難しい」と受験生の多くは思っていないだろうか。なぜ、そのように受験生は思ってしまうのだろうか。理由は様々あるだろうが、本文に展開されている難解な論理や普段使い慣れていない用語などが、受験生の理解を阻んでいると思われる。「論説文は易しい」とまでは言わないが、入試問題として出題される論説文は、筆者の主張も明確で論理展開も整然としている。重要なことは、そのような特質のある文章を如何にしたら試験時間内に手際よく読み込むことができるかである。

(2)前項で確認したように、入試で扱う論説文は極めて論理性が高い。そのような文章を理解するためには、自分自身が論理的思考力を身につけなければならないということである。そのためには、日頃から物事を論理的に考える習慣を付けておくことが重要である。論理的思考力を付けるためには、「自分の頭で考える」ことが必須である。最近は、様々な情報伝達ツールが氾濫しており、必要な情報は手間暇掛けずに容易に手に入る。そのような利便性の高い環境の中で、物事を論理的に考えるためには安直にそのような便利なツールに頼らず、自力で試行錯誤を繰り返しながら結論を導き出すことである。

(3)上記のような作業を繰り返すことで、「論理の道筋」を自分で組み立てられるのである。それができるようになれば、自力でも論理的な文章を書けるようになり、入試問題で扱われる論説文に対する対策も効率よく習得できるだろう。そして、その結果としては単に論理的文章が読めるようになるだけではなく、そのような論理的思考に裏付けられた記述問題における力も高まるのである。

(4)論理性を高めるためには、論理性の高い文章を読むことが必要であると述べた。具体的には、岩波書店や筑摩書房などから出版されている「新書」を読むことが効果的である。中・高生向けの「ジュニア・新書」も発行されているので、自分の興味のある分野の新書を実際に手に取ってみて中身をぜひ見てもらいたい。自然科学分野は言うまでもなく、社会科学系の内容もたくさん網羅されている。数冊で構わないので、気に入った新書を手に取り読了してもらいたい。さらに言えば、読書録のような文章(400語=原稿用紙1枚)にまとめ上げる訓練も必要である。その文章を他人(学校の国語の先生)に見てもらうと、自分の文章作成上の弱点補強にも役立つことは間違いない。

② 小説は心情把握を重点に

(1)高校入試で扱われる小説のポイントは「心情把握」である。登場人物の内面の心理状況がどのように変化してゆくのかを的確に押さえ、把握できるかが合否を分けると言える。その心情描写は、「そのとき太郎は、心から落胆したのである」という具合に「直接的」ではない。情景描写や他の登場人物との会話のやり取りを通じて推量するしかない。そのためにも自分の「感性」を研ぎ澄まさなければならない。

(2)「感性」を研ぎ澄ますためにはどうすればよいか。一口で言うならば「感動する心を失わない」ことである。物事を見て感動しない心では「感性」は磨かれない。小説の本文を読みながら、情景が浮かんできて登場人物の動きが手に取るように理解できるようになるためには「感動する心」が必要である。

(3)小説の文章を理解するためには、「比喩」の表現を活用したい。「比喩」には「直喩」と「暗喩」がある。文章中にあるこれ等の表現技法をしっかり理解し、内容が把握できるようになると小説の読解・理解力は格段に伸びる。日頃から文章を丁寧に読み込み、「比喩」、「擬人法」、「倒置」などの表現方法は意識して読むような習慣を付けることが重要である。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

2023年度「慶應義塾志木高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】 小説に関する読解問題<17分>
人物の心情把握をしっかり行うこと。

【大問2】 論説文に関する読解問題<24分>
文化人類学的分野(文化)に関する出題である。

【大問3】和歌の鑑賞問題<10分>
『紫式部集』に所収された和歌からの出題である。

【大問4】説明文に関する読解問題<9分>
漢詩に関する読解問題である。

【大問1】小説の総合読解問題

  • 時間配分:17分

出典は、吉村昭著『羆嵐』である。

問1は、表現に関する問題である<2分>
 い 状況としては通夜が行われている。
 ろ 銀四郎の様子をうかがっているのである。
 は 銀四郎の目つきが鋭くなってきたのである。

問2は、内容把握選択問題である<3分>
本文にある銀四郎の発言内容がポイントである。銀四郎は「きさまらは、ずるい。ぺこぺこ頭をさげたりおべっかをつかったりするな。…きさまらのずるさがいやだ」と思てっているのである。

問3は、心情把握問題である<2分>
銀四郎はだんだん機嫌が悪くなってきているのであり、区長は銀四郎をなだめようとしていたのである。

問4は、内容把握に関する問題である<3分>
「区長は、羆を仕とめた折にふりむいた銀四郎の顔」を思い起こして「(銀四郎は)死の恐怖とたたかいながら羆と対した」ことを知ったのである。そして、「銀四郎が羆に対して非力な存在であることを自覚」し「銀四郎に物悲しさ」を感じたのである。

問5は、内容把握記述問題である<3分>
銀四郎の発言内容が重要である。銀四郎は「クマの胆は、クマを仕とめたものがもらうのだ。持っていっていいとはなんだ。仕来りを知らぬのか」と発言している。

問6は、心情把握に関する選択問題である<2分>
一般的に「視線を落とす」状態とは、どのような状態であるかを考える。

問7は、内容把握に関する選択問題である<2分>
区長は村落の者を羆から守らなければならない立場にあるのであり「正義感」のある人物であり、銀四郎という独自の価値観を持つ者に対しても理解しようとする人物なのである。

【大問2】文化人類学的分野である文化に関する読解問題

  • 時間配分:24分

出典は、武田尚子著『チョコレートの世界史』である。

問1は、漢字の書き取り問題である<2分>
「誘惑」「延々」「憂鬱」「香辛」「浸透」である。

問2は、内容は把握問題である<3分>
ココアは液体で「飲料」であり、断食中でも摂取しても大丈夫、つまり「可」なのである。

問3は、内容把握記述問題<3分>
断食中に摂取してはならないものは「食品」であり「個体」である。

問4は、内容把握選択問題である<2分>
「未知の味に誘惑されて口にすることを、『悪』とみなす宗教的規範」である。

問5は、内容把選択述問題である<3分>
 3 「新来の味を試し、美味に慣れていった」のである。結果、「需要」は増える。
 4 「需要」が増えれば新来の産品の「流入」も増える。
 5 貴族層から市民に広がるためには「価格」がいくぶん低下する必要がある。

問6は、内容把握抜出し問題である<2分>
「『熱・乾』がまさって病気が起きている場合は、『玲・湿』の薬」が処方されたのである。

問7は、内容把握問題である<2分>
カカオは「冷・乾」であり、「熱・湿」は脂肪分が多く、かすかな苦みは「熱・乾」である。

問8は、内容把握問題である<4分>
 1 「体液病理説では、同一物が正反対の性格を兼ね備えること」はないのである。
 2 カカオには正反対の性質があり、カカオをあてはめようとすると「論理的」に「矛盾」するのである。

問9は、内容把握選択問題である<3分>
内容として間違っている選択肢を選ぶ問題である。
 ウ 18世紀のイエスズ会は「布教機関としての機能のほかに、現地産品の生産・交易に積極的に関与」していたのである。
 エ 貴族たちは「新来の味を試し、美味に慣れて」いたのである。

【大問3】和歌の鑑賞問題

  • 時間配分:10分

出典は、紫式部『紫式部集』である。

問1は、語句意味選択問題<2分>
「ひとえに」は「一重」の他に「ひたすらに」という意味がある。

問2は、内容把握選択問題<2分>
「花の色は薄い」が「私を思ってくれるあなたの心」は決して薄くはない、という意味である。

問3は、内容把握記述問題である<3分>
この世で「朝顔の露」ほどに「はかない」ものは人間の「命」である。

問4は、内容把握記述問題である<3分>
「若竹の生長」を「幼い娘の生長」になぞらえているのである。

【大問4】漢詩の説明読解問題

  • 時間配分:9分

問1は、漢詩の技法に関する問題である<3分>
 1 起承二句と承結二句が韻を踏んでいるのである。
 2 白鷺の空への強い「あこがれ」である。

問2は、内容把握問題である<3分>
 3 白鷺の羽ばたく姿は、「すがすがしい」光景であり「初夏」の様子がうかがえる。
 4 七音と五音で構成されている。七五調である。

問3は、内容把握記述問題である<3分>
空欄の直前に「『無駄ではなく』、ただ風を待っている」とある。「風」という「チャンス」を待っているのである。

攻略のポイント

論説文、小説、古文、説明文から各大問1題ずつの出題である。記述問題が多いので的確に過不足なくまとめ上げる記述力を高めることがポイントである。本文の文章を読み、内容を把握するだけではなく、設問の意図をしっかり理解したうえで自分の考えをまとめ上げなければならない。設問の答えが自分で理解できたとしても、それを如何に手際よく的確にまとめ上げるかは、日頃から記述力向上の練習を積み上げておく必要がある。また、漢字の読み書き・語句・慣用表現なども怠りなくしっかり押さえておきたい。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

慶應義塾志木高等学校の科目別
入試対策一覧

TOP

創業以来、
最高峰のプロ教師陣を輩出

TRADITION
SINCE 1985

1985年法人設立以来、プロ家庭教師のクオリティーにこだわり続け、現役プロ教師の中でもトッププロと呼ばれる真の実力を兼ね備えた合格実績豊富な家庭教師のプロだけをご紹介しています。
特に中学受験·大学受験·医学部受験専門のプロ教師のクオリティーに自信があります。