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慶應義塾高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2017年度「慶應義塾高等学校の英語」
攻略のための学習方法

合格を絶対に勝ち取るための学習法について以下にその概要を項目別に述べることとする。

①単語力・イディオム力は大事である

英単語は、最低でも3500語は欲しい。最難関校用の単語帳(英検レベルでは準2級相当)をしっかり学習し単語力を定着させること。イディオムも800~1000は確実に習得して欲しい。
どのようにすれば、それだけのボリュームを習得可能になるのであろうか。英単語を例に考えてみよう。

英単語に限らず、時間的に限られたなかで「如何に効率よく受験勉強を進められるか」が重要である。「効率よく」とは「既に理解している事柄は再度学習しなくともよい」ということである。つまり、心掛けなければならないのは「まだ理解していない事項および理解が曖昧な事項」についてだけ取り組めばよい、ということである。

英単語についていえば、上記「単語帳」の中で、単語の意味が完璧に覚えていない英単語がいくつあるかを早急(2日間程度)で洗い出すのである。そして、これらの理解不十分単語の数を自分が習得したい日数(100日または150日)で割って一日当たりの学習するべき単語個数を算出するのである。
仮に、算出した一日の学習個数が10単語となったら、徹底的にこの10個を覚え切るのである。そして、一週間に一日「まとめ日」を設け、それまで行ってきた6日分の単語数(10
×6=60個)に対する「チェック」を入れるのである。
そこで理解が未だに不十分である単語を抽出し、さらに6で割った数字を翌週の一日当たりの習得単語数に上乗せして学習を継続するのである。

この繰り返しを行なうことにより、英単語は徐々に自分のものとなり、飛躍的に英単語力は伸びてゆく。

また、一つの単語で多様な意味を有する単語は要注意。例えば、figureという名詞には「人形、人物、数字、(数字の)桁、図柄、形」などの意味がある(同様な単語は他にもたくさん存在)ことなどをしっかり把握しておくこと。そうしないと、英文を正しく読むことができなくなる。

②文法事項をしっかり習得しよう

(1)関係代名詞・関係副詞についての理解を深めることが重要である。

英文が長くなる主たる原因の一つであるからだ。
目的格(
whom/which)の省略に慣れることや、先行詞を修飾する関係代名詞に導かれた形容詞節が何処までかを( )でくくり前にある先行詞にかけて(修飾させて)訳を考えること(いわゆる『返り読み』)は行わないように。
これは、最後まで読んで前に戻るという手法で時間のロスが大きい。

その場合には、関係詞に関係なく左から英文に合わせて先行詞まで一気に読み、関係代名詞以下を「そして~である」と読めるように日頃から練習を積むべきである。いわゆる『返り読み』をしないとこが大切である。

(2)分詞構文には十分慣れておくこと

文頭に~ingがあり、それが動名詞として主語の働きをしていない場合には、分詞構文と捉えること。分詞構文の代表的用法としては、)時(~のとき)、)譲歩(~だけれども)、)理由(~なので)、)様態(~のように)、条件・場合(~の場合は)などがある。

しかも、次に述べる接続詞(as)との関係で、)~)をしっかり覚えること。なぜならば、asには)~)の全ての用法があり、さらに付帯又は時の経過(~するにつれ)という用法もあるからである。

また、-ed(過去分詞)で始まる動詞で始まる分詞構文もあるので注意すること。その場合には、従属節(条件節)な受動態の場合であることも必須知識である。

(3)仮定法は願望である

少々乱暴な言い方に聞こえるかもしれない。どういうことか

。一文を例示しよう。仮定法過去(現在の事実を否定しこうだったらいいのになぁという願望)の典型的な英文を一緒に考えてみよう。

If I were a bird, I could fry the sky.

一度は目にした英文だろう。
例文の動詞(助動詞)の時制は見た通り『過去』であるが、文頭に
ifがあるために、この英文は仮定法過去の文章となり現在の事実を否定して、現実とは逆のことを想定しているのである。

つまり、現実には「私」は現実には「鳥」ではないが、もし「鳥」ならば空を「飛ぶ」ことができる(空を飛びたい)のに、という「私」の願望が込められているのである。

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2017年度「慶應義塾高等学校の英語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1は、適語補充による書き換え問題<7分>。
大問2は、誤文箇所訂正問題である<8分>。
大問3は、適語選択による長文完成問題<13分>。
大問4は、長文読解総合問題(物語文)である<32分>。英問英答問題、適文選択問題、整序問題、下線部和訳問題、和文英訳問題が設問内容である。本問では、全体的に相当な英文読解力が求められる。

【大問1】適語補充による書き換え問題

  • 時間配分:7分

全て基本的な問題であり、8設問全てが一度は目にしたことのある問題であろう。どんな問題集にも掲載されている典型的な問題なので受験生もすでに演習済みの問題であろう。完答を目指したい。
例えば、
2.命令文
+or 又はandの用法・意味について確認をしておくこと。
7.
I am free.とは「何もすることがない状態」のことであるので、“nothing to do”と書き換える。
8.
out of order とは「故障している」という意味であるので、“something wrong with”を用いて書き換える。

【大問2】誤文箇所訂正問題

  • 時間配分:8分

基本的文法知識があれば全問正答は可能である。十分な文法演習を日々の学習の中で反復して欲しい。
1.「どのように思うか」という表現は、
HowではなくWhatを用いる。
2 形式主語itと真主語thatとの関係を考えること。
.店が「閉まっている」のは
be closedである。
.動詞の
stopは「~するために立ち止まる」のときはto不定詞、「~することをやめる」のときは動名詞になる。
7.
moreがついているのでtallは比較級にしなければならない。
8.主節が過去なので時制の一致を考えること。
9.「最も~な(名詞)の中の
1つ」という場合には、(名詞)は複数形になる。

【大問3】適切単語選択による長文完成問題

  • 時間配分:13分

1.「(食事を)出されること」にしたいので、過去分詞を考える。
2.「いただきます」という発言は、どのタイミングで発するかを考えると答えは自ずから見えてくる。
3.「ほとんど祈りのようだ」と考える。
4.「ごちそうさま」が発せられるのは、いつかを考える。
5.等位接続詞
orと並列される名詞はなにか。
6.
those wordsは何を指しているのかを考えてみること。
7.等位接続詞
andで結ばれるので、informalと同等な意味を持つ単語は何か。
8.後ろに
orがあるので「~かどうか」という表現にする。
9.直後の
thatは「同格(~という)」である。
10.外国人が所有しているのは日本の何に関する知識か。

【大問4】物語文に関する長文読解問題

  • 時間配分:32分

A:英問英答問題<5分>
1.「ライアンは母と話をする前に、本をどうしたのか」という問いに対する答えを選ぶ。
2.move onとは「進む」の意味であることから前後の文脈をたどり類推すること。
3.「母はsee peopleをどのような意味で使っていたのか」という問いである。
5.「このことについて何か言ってもいいですか」という問いである。
6.イアン・キャップリングの職業を問う問題である。
8.ライアンが用意した質問は何に関するものであったかのか。
9.ライアンはなぜいくつかの質問だけメモを取ったのか、という質問である。

B:適切英文選択問題<6分>
2.期間を訪ねる英文が適切であろう。
3.2通目の手紙が話題になっている部分であることを考えて、適切な選択肢を選ぶこと。
4.小遣いの額を尋ねる英文を選ぶ。

C:整序問題<8分>
1.
hand‘hand+人+物というS+V+O+Cの文型を形成する。また順次、部分的に『1枚の紙』、『1時間後』という具合にまとめ上げられる。
2.
過去進行形をつくり、その後に場所の副詞句を置く。また、分詞構文を活用しながら全体をまとめてゆく。
3.
『母は何をするのが好きか』という部分からまとめてみる。続きはwhenという接続詞を用いて節を作り上げる。

Ⅾ:英文和訳問題<6分>
hopeの訳を「~を望む」という意味を踏まえて「~であってほしい・~ならばよいのに」という願望で訳を工夫してみよう。
decide thatkeep ingは基本表現としてしっかり覚えておくこと。
onekidを指す代名詞である。

E:和文英訳問題<6分>
1.
「~から時間がたった」という表現は、It is 時間 since ~ となる。「亡くなってから3年が経ちました」というのは、「死亡してから3年がたった」と考えて現在完了(継続用法)を用いて、have been dead for three years となる。
2.
「何時に寝るべき?」という疑問文なのでWhat time で始める。その後に、do you thinkを置くことになる。

攻略ポイント

相当な英語力が求められているものの、全く手も足も出ないというレベルではない。
単語力、イディオム力、文法知識、長文読解力、口語表現などをしっかり身に付け、事前の準備として全国難関校の入試問題演習を徹底的に行えば、合格点は達成できるだろう

特に意識しておいてもらいたいのは、「読解力」である。600~800単語の長文を10分前後で読解が完了する「力」が欲しい。
そのためには、単語力、イディオム力が不可欠であるのはいうまでもないが、一番大事なことは「長文読解に慣れる」ということである。つまり、全国上位校に出題されるような長文総合問題を2日に1題を目標に継続して演習し続けることである。
そのような練習を通じて「速読力」と「精読力=英語の持つ奥行きに関する理解力」を身に付けることが可能になるのである。

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