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慶應義塾女子高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「慶應義塾女子高等学校の英語」
攻略のための学習方法

慶應女子高校の英語入試問題を攻略するための勉強法について考えてみたい。レベル的には非常に高いので、以下の内容をしっかりと理解し日頃の受験勉強に役立ててほしい。

① 英検2級に匹敵する程度の英語力

合格に必要な英語力としては、最低でも英検準2級、できれば2級に匹敵するレベルが欲しいところではある。単語力・イディオム力はいうまでもなく文法事項としては、関係代名詞、仮定法、話法、比較、文型、準動詞は高校レベルの文法書で内容を確認してほしい。特に、文型については「この英文は第何文型ですか」などのような問題は出題されないが、大事なことは文要素(SVOC)になり得る品詞は何か、つまり主語になり得る品詞は名詞・代名詞およびそれらに準ずる句・節である、という知識をしっかり理解することである。難解な英文において散見される「倒置構文」における語順である「S+V+修飾語句」を「修飾語句+V+S」になった場合に、文要素には該当しない「修飾語句」が単純に「V」の前にあるからと言って、主語になるという判断はおかしいという決定ができなければならない。そのためにも、文要素になり得る品詞に関する文型知識が必要である。

② 下線部訳における日本語訳出の工夫

下線部訳におけるポイントは、「日本語訳出上のこなれた日本語」の使い方における工夫である。いくつか具体例を挙げてみる。主語が人間などの生物以外の文章を「無生物主語」文章という。例えば、‘The experiment showed that ~ ’という英文において、「その実験は~をしめした」という訳を「その実験によれば~ということが明らかになった」という具合に、無生物である主語を「目的・手段」に変換させて訳出を行うことでより日本語らしい、つまり「分かり易い日本語」の訳になるのである。また、‘some people did ~’という英文を「何人かの人々は~を行った」と訳しては‘some’のニュアンスを正確に反映していない訳になってしまう。‘some’は具体的な「数量」を表すものではないので、そのような英文については「~した人もいた」としなければならない。

③ 複数の意味を持つ英単語の根本的な意味

過去の大学入試問題にこのような問題が出題された。英文の内容としては、紀元前における氾濫を繰り返していたエジプトのナイル川に関する文章であった。氾濫によって毎年のようにその「流れ」が変化する状況について述べた後で、‘the natural line’の‘natural’に下線が引かれ5個ある選択肢のなかで同様の意味を有する単語を選ばせる問題が出題された。当然ながら当該文章における‘natural’に「自然な」という意味はあてはまらない。設問全文をここに引用することはできないが、要旨としては、氾濫で流れが目まぐるしく変容するナイル川の‘natural’な流れについての設問である。そもそも‘natural’とは「人為的にいまだに手が付けられていない状態」のことを指しているのであるから、そこから「本来的な、根本の、原初の、最初の」というようなスタート時点での状況を指し示す意味を有するのである。したがって、上記入試問題における‘natural’の意味は、「氾濫を繰り返す前の元来のナイルの流れ」を指し示すものである。そのような理解ができれば、選ぶべき選択肢は‘original’となるのである。ちなみに‘natural’の名詞形である‘nature’は、手を付けていない原初の状態といういみで「本質、性質、元来」などの意味が出てくる。慶應女子高校英語入試問題における単語の処理スキルにおけるポイントとして、英単語の持つ根本的意味をしっかり把握することが重要である。では、そのような英単語の根源的意味をどの様にして習得するのかといえば、そのような意味を集約的に掲載している参考書があるので、一度目を通しておくべきである。

④ 整序問題の攻略

いわゆる与えられた語の並び替えである。特に、注意しなければならないのが「倒置構文」である。通常の語順が倒置されることにより、本来、動詞の前に置かれるべきは主語であるが、「倒置」が行われる条件(本来後ろに置かれるべき修飾語句を強調したいがために前に置く)が行われた場合、通常の「S+V」が「V+S」に逆転することに慣れなければならない。そのためには、整序問題に特化した問題集もあるので、事前に十分練習してほしい

⑤ 英作文作成上のポイント

通常の英作とは異なり、英語で質問されたことに対して英作するという出題形式である。英作を行う前に、与えられた英語での質問内容を正確に理解することが不可欠な前提条件であるが、そのうえで英作を行う上でのポイントは「自分が知っている簡易な英語表現にどのようにして課題文を落とし込むこと」が的確に迅速にできるか否かである。採点は、基本的は減点主義である。したがって、知識が曖昧な英語構文やイディオムは使わずに、平易な英語表現・確実に覚えている英単語を使って英作を行う習慣をつけよう

以上、最低限の留意点を記載したので、受験生の皆さんの日々の学習につけ加えて合格へ向けて頑張ってもらいたい。

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2022年度「慶應義塾女子高等学校の英語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】corroboratingに関する長文資料を読んで答える問題<8分>。
【大問2】説明文の長文読解総合問題<14分>。
【大問3】対話文の長文読解総合問題<18分>。
【大問4】説明文の総合読解問題<14分>。
【大問5】テーマを与えられた自由英作問題<6分>。
単語・イディオム・文法事項のどれをとっても高校レベル(中には大学受験レベルもあり)である。さらに、英文読解の速度についても1分間に100単語を上回るスピードがないと問題の英文を読み切り、設問に取り組む時間が無くなってしまうだろう。

【大問1】corroborating(確証する)という単語に関する長文資料を読んで答える問題

  • 時間配分:8分

(A)corroboratingに関する英文を読んで日本語の説明文の空欄を選択肢の中から適切なものを選ぶ問題である<3分>。

(B)corroboratingに関する英文(ⅰ)(ⅱ)を読んで設問に答える問題である。(ⅰ)はギャリーとジェイクは手を振っている2人を見上げたのであり、アリスは同2人を見下ろしたのである<5分>。

【大問2】 説明文に関する長文読解総合問題

  • 時間配分:14分

チーターとオオカミと経験豊かなランナー(an experienced runner)がマラソンで競争した場合、だれが勝つであろうか、という内容の説明文である。本文を熟読し設問に答える。

問1.内容把握選択問題<2分>。
下線部(1)は、「何が一部の人々を長距離ランナーのトップにするのか」という質問である。該当箇所を探すと同じ段落に、perfect bodies for running と powerful lungs と physically active life と great respect they have for running が記載されているのでこの記述以外を選ぶ。

問2.適語補充問題<1分>。
(あ)はabove sea levelであり、(い)はas a resultであることを考える。

問3.書換え問題<2分>。
下線部(2)は、It is said that ~ は「~といわれている」という構文である。この構文をthat以下の主語を前面に持ってきて、主語+be said + to不定詞という形に書き換えられる。

問4.適文選択問題<1分>。
空欄Aの直後の英文に注目すること。直後に、In fact, it’s difficult for most people to even finish a marathon.とある。この本文の内容と選択肢②のNot all peopleが内容的に一致する。

問5.適語選択語形変化問題<2分>。
基礎的文法知識が問われる問題である。
(ア)は、to不定詞の一部を形成しbreak a record「記録を破る」とする。
(イ)は、三人称単数現在形にするのでgoesとする。
(ウ)は、文脈的に「勝利した」とするのでwonである。
(エ)は、直後が形容詞であることより「~のままである」という文章にしたい。時制は過去形にするのでremainedになる。

問6.文脈把握問題<1分>。
下線部(3)の前にthey were about to burn their own cityとある。これを阻止しようとしたのである。

問7.和文英訳問題<3分>。
「~する限り」はas long asを用いる。「~と考えられている」はIt is thought ~、「~する必要はない」はthere is no need to ~である。

問8.内容正誤問題<2分>。
「アテネの人々はマラトンの戦いでギリシャが勝つとは予想していなかったが、ギリシャが勝った」というのは、第5段落の第2~5文に書かれている
「近代マラソンは1896年に始まったが、その距離は今日のマラソンの距離よりも短かった」というのは、第6段落及び第7段落の最終2文に一致する。

【大問3】 対話文に関する長文読解問題

  • 時間配分:18分

問1.内容把握選択問題<2分>。
父親の誕生日プレゼントを買いに行こうとしていたのである。

問2.適文選択問題<3分>。
文脈を正確に読み取ること。
A.直前にはsome people don’t think soとあり、直後にはit is a city in the country of Maliとあることを手掛かりに考えること。
B.後に続くtake with a grain of saltをしっかり理解する。
C.娘は母親の発言であるpeople of the past didn’t mind at allに同意しているのである。
D.塩の多様な使用方法について述べられた後の娘の発言である。したがって、It seems salt has many usesとなろう。

問3.和文英訳問題<3分>。
「とても~なので・・・」はso~that・・・であることはいうまでもない。「支払われた」と受け身で表現するのでRoman soldiers were often paidとする。

問4.要旨把握問題<2分>。
下線部(3)はThat’s howで始まるので、前に書かれている英文を参考にする。

問5.整序問題<3分>。
本文の内容から「塩を液体に入れると凍る温度が下がる」ということについて言及していることを把握する。したがって、(salt) lowers the temperature which is necessary for liquid to (freeze)とまとめる。

問6.要旨把握問題<3分>。
母親がTimbuktuが象徴する場所について説明している個所を参考にする。

問7.要旨把握問題<2分>。
本文内容よりtake your story with a grain of saltとは「あなたの話の全部を信じない」という意味になる。

【大問4】 説明文の長文読解総合問題

  • 時間配分:14分

問1.英文解釈問題<2分>。
laughed eight times more when ~は「~のときより8倍笑う」となる。timeは「時間」という意味では抽象名詞で不可算名詞なのだが、timesとなっている場合は「倍」「時代」「回数」を表わす。

問2.整序問題<2分>。
直前にButがあることに注意すること。Butは逆接を表わす接続詞であるので、直前の内容と真逆の内容になる。

問3.適語補充問題<2分>。
本問の個所は、― the only positive sound  となっているので、“—”は前に記載されているthe opposite caseの具体的な内容を述べていると考えられる。

問4.和文英訳問題<3分>。
「~けれども」はthoughを用いる。「よい効果をもたらす」はhave a good effectとなる。また、effectは「効果」の他に「影響」「結果」という意味もあるので覚えておこう。

問5.指示語問題<2分>。
Thatとはthe real wonder of laughterのことであり、前の文章にeven if you feel it is a little forcedが手掛かりになるであろう。

問6.英文英答問題<3分>。
英問の内容は以下の通り。
1.「ある研究によれば、会話中に我々はどのくらいの頻度で笑うか」という質問内容である。
2.「笑うことによって放出される化学物質は何を低くするのか」という質問内容である。

【大問5】自由形式テーマ英作文問題

  • 時間配分:6分

約50語を用いて作成する英作文。昨年と同様な出題形式である。与えられた課題は「対面での授業とオンラインの授業はどちらがいいと考えるか2,3の理由をあげてあなたの意見を述べなさい」という内容である。しかも、「解答用紙の余白に単語数(words)」を記載することも要求されている。字数としては55単語程度で書きたい。この類の自由英作は自分の意見(賛成でも反対でも)をしっかり合理的な根拠に基づいて述べることである。また、難解な構文や単語は使用せずなるべく平易な英語表現で英作を行うように心掛けること。

攻略のポイント

英文レベルとしては相当に高い。英検レベルとしては、準2級は当然でありできれば2級レベルの英語力があればより高得点が望めるであろう特に求められる英語力としては「記述力」である。純粋な「和文英訳」だけにとどまらず、英問に対して英語で答えるなどの出題形式に対しても十分な事前の練習が必要である。また、下線部訳の日本語表現における「こなれた日本語表現力」も工夫が必要である。普段使用する問題演習用のテキストは、単に選択肢を選ぶ形式の問題集ではなく、500単語の英文を50~80語に日本語でまとめるスキルが向上できるテキストが最適である。また、下線部訳における日本語訳出の「自然な日本語」を心掛けることが大事である。

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