出典は、西崎憲著『未知の鳥類がやってくるまで』。
問一は、漢字の読み書き問題＜2分＞。標準的な漢字であるので6題完答を目指したい。「いかん＝遺憾」や「さいち＝才知」は書けるよう事前の準備をしっかり行っておくこと。
問二は、慣用句問題＜2分＞。Ｘは「しらを切る」、Ｙは「まれに見る」である。どちらもしっかり覚えておきたい。
問三は、内容把握記述問題＜２分＞。本文の文脈から王の性格的な内面を判断する。王は短絡的ではなく知性的である様子がうかがえるので「けんめい＝賢明」が適切である。
問四は、内容把握記述問題＜4分＞。「河に降る雨」とは、「役立たずあるいは能無しという意味」の「俚諺」である。本文によれば、王に対して上記俚諺を発した首相が王からその発言の趣旨を問われた際に、素直に謝罪するどころか「小賢しいこと」に取って付けたような弁明を行ったのである。
問五は、心情記述問題＜4分＞。傍線箇所の「…耐える力があります」とは、本文に即して考えると「あなたさま」が「わたし」と「ことわざ戦争」において互角に戦えるということである。婦人の心情としては、「自分の方が力量的は上である」という確信をもって「あなたさま」を下に見ている。
問六は、内容把握記述問題＜2分＞。婦人の言葉は「山の端にかかる雲」そして「老いた石」などの自然環境までにも「影響」を与え、心を「揺さぶる」ような素晴らしいものであった。
問七は、内容把握記述問題＜3分＞。本文でいわれている「ことわざ戦争」の結果を明確に書いてしまうと読み手は、その結果をなんの違和感もなく受け入れてしまう。逆に「結果はあなたが判断」するという書き方にすることによって、読み手に「考える時間と場」を提供し読み手が受ける読後の印象が深く強くなるであろう。
問八は、文法記述問題＜3分＞。「なかなか優雅ではないか」を品詞分解し、それぞれの品詞を答える問題である。品詞の名称と品詞分解の手法をしっかり覚えておくこと。

出典は、ドナルド・キーン著『日本文学を読む・日本の面影』である。
問一は、内容把握記述問題＜２分＞。本文冒頭より、俳句を非常に翻訳しにくい理由として「〝てにをは″の活用の問題」を指摘している。
問二は、表現理解問題＜3分＞。「は」と「や」の違いについて説明する問題。前者は「普通に説明する」場合に使われ、後者は「詠嘆の『や』」であるので表現者の「特別な思い」が込められている。
問三は、内容把握記述問題＜4分＞。本文によれば、尚白は芭蕉との間で軋轢のあった門人である。何かと芭蕉の俳句を批判したがっている尚白は、「取り替えのできない言葉」を用いることを唱えていた芭蕉に対し、自分が「行く春」を「行く歳」と取り替えることによって芭蕉の主張を批判しているのである。
問四は、内容把握記述問題＜5分＞。芭蕉に対して非難した尚白に対し、同じ門人である去来は「尚白が難あたらず」と発言し、尚白の芭蕉に対する非難はあたらないとする去来の反論部分をよく吟味すること。
問五は、文学史問題＜2分＞。『おくのほそ道』の冒頭部分に書かれている語句を答える問題である。

問一は、漢字の読み書き問題＜2分＞。出題数は４題。どれも標準レベルであるので完答したい。
問二は、接続語選択問題＜2分＞。アは、当時の常識として「デモクラシー」という用語の使われ方をしっかり理解していれば「つまり」が入る。イは、前後の関係が「…使用されていなかった」と「…うまく使いこなしている」とあるので真逆の関係であることを考えて適切な接続語を選択する。
問三は、表現選択問題＜2分＞。「結社」とはいかなるものであるかについて、～的であるかを答える問題である。
問四は、内容把握記述問題＜4分＞。筆者によれば「遥かに古くから存在した『デモクラシー』」もその根本では「個人主義」とつながっているのであり、そして「個人主義」は「最後にはエゴイズムに陥る」のである。その点が「負の価値を負わされる」のである。
問五は、内容説明記述問題＜6分＞。本文によれば「個人主義」は「最後にはエゴイズム」に陥り、「パブリックな問題に対してはうまく機能しなくなりかねない」のである。また、「近代は個人主義」になったため「人々はお互いのつながりを失って、ばらばらになってしまった」のであり、「一人ではほとんど何をなす力」もないのである。
問六は、内容説明記述問題＜6分＞。「個人主義」においては自分個人について自分自身が決める「自己決定」が重視されるのに対し、「結社主義」は「一人の人間の生涯(死も含めた)は、決してその人だけのものではない」という発想に基づいているのであり「自己決定」が全てではないという考え方が根底にある。