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慶應義塾女子高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「慶應義塾女子高等学校の数学」
攻略のための学習方法

思考力の育成

数学の思考力は、質の高い演習によって、成長する。演習にさいして、気をつけたいのは2点になる。

1つめは、類題を多く解くことだ。生徒が、公式をただ暗記して、解答しているかどうか、試す方法がある。設問の問い方を変えたり、文字や数字を変えたりしてみて、正答率が変わるかどうかで、判断できる。
正答率が変わる生徒は、公式を丸暗記し、設問に機械的に反応しているだけであって、自ら思考していない可能性がある。正答率が変わらない生徒は、自ら思考して、正答までたどりついている。生徒同士には、明らかに思考力の差があるが、その原因としては、類題の演習量がある。教材として、類題がたくさん収録されている、厚めの問題集に挑戦し、思考力を鍛えていこう。

2つめは、はじめて見た設問を、じっくりと考える習慣をつけることだ。わからなくとも、すぐに解答を見たりせずに、ある程度の時間を定めて、悪戦苦闘する経験が大事になる。そのような経験にふさわしい教材は、各種の過去問になる。慶応女子はもちろんのこと、他校の過去問も積極的に教材として活用し、上質な演習をしていこう。

答案の完成度を上げる

本番で安定して得点できるように、答案の完成度を上げる訓練を積んでいこう。
多くの志望者は、一問一問を解くことに満足しがちで、答案全体の完成度を意識するのは、受験の後半(中学3年の夏休みくらい)からだ。もっと早めに受験生として意識を持ち、答案の完成度を上げる技術を身につければ、有利になる。答案の完成度は、2つの面から確認しておきたい。

1つめは、設問ごとの時間配分だ。時間配分ができていない志望者は、過去問を解いてみると、後半に簡単な設問があっても、得点できていない。つまり、前半の設問に時間をかけすぎていて、後半の設問にまで、手をつけられていない状態だ。受験では、答案全体の得点が、評価される。したがって、答案全体の得点を上げるために、それぞれの設問を解くべきか、あるいは解かないべきか、判断力が重要になる。過去問の演習は、そのような判断力を鍛える良い教材になる。

2つめは、見直しの技術だ。まずは答案全体でどれくらい見直しが必要になるのか、目安の時間を決めよう。あらかじめ時間を決めておくと、本番で迷いが生まれにくい。そして、見直しが効率的にできるような工夫をしよう。計算式を再利用したり、図形やグラフを確認しやすいように、丁寧に準備しておこう。

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2018年度「慶應義塾女子高等学校の数学」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

試験時間は60分で、得点は100点満点と推定される。大問数は5問で、設問数は、実質的には20問になる。
すべての設問に記述が要求されており、さらに作図も仕上げる必要があるので、時間配分の計画をしっかりと練っていきたい。

【大問1】小問集合

  • 時間配分:11分

小問集合で、計算分野を中心に出題されている。

(1)二乗の差が隠れていることに、気が付きたい。計算時間を省略できる。

(3)まずは設問文から、どのような場合があるのかを、理解しておきたい。カードは3枚で、それぞれに上下の場合があるので、6つの場合が考えられる。

【大問2】出題単元: 関数と平面図形の融合問題

  • 時間配分:10分

(1)と(2)基本的な解法で得点できるので、落とさないようにしよう。

(3)と(4)受験者によって差がつく設問だ。円の半径が求められるかが勝負となるが、三平方の定理を活用できただろうか。

【大問3】平面図形、円の性質

  • 時間配分:12分

慶応女子は、平面図形の円の分野が頻出することを覚えておきたい。

(1)図形がいくつも重ねられているが、惑わされないようにしたい。角BAEは円周角であり、角ACEは中心角となる。補助線として、それぞれの円を完全に描いてしまうのも、図形を見抜く助けになるだろう。

(2)おうぎ形ABFの面積から、円の半径を逆算しよう。

【大問4】方程式の文章題

  • 時間配分:14分

思考力を問う設問で、はじめて見た設問への対応力が求められている。慶応女子の出題傾向を感じて欲しい。

(1)思考力を問う設問は、まずはじっくりと設問の文章を読むところからはじまる。ここでは、<abc>=cba-abcとなる。

【大問5】立体図形、球

  • 時間配分:13分

今年も球・円の単元から出題された。慶応女子では必須の単元といえるだろう。立体図形は、ただですら演習が手薄になりやすい単元なので、重点的に対策しておきたい。

(1)と(2)受験者に差がつく設問だ。まずは正六角柱のどこを切断するのかで、解法のセンスが問われている。きちんとした切断図が描ければ、そこから先は難しくない。
本番までに、できるだけ多くの立体図形の切断を演習しておこう。

攻略ポイント

受験者の合否を分けるのは、2点になる。
1点めは、数学の思考力だ。はじめて見た設問に、それまで学んだ解法を応用できるような、思考力を養っておきたい。暗記だけでの数学を乗り切ってきたり、計算が早いだけの受験者は、思考力があるとは言えない。

2点めは、答案の完成度だ。解くべき設問の判断力と、記述力によって、答案全体の得点を安定させよう。このような技術は、中学数学の学習だけでは対応できないので、独自の対策が必要になる。

全体として、受験者のそれまでの人生の学習の質が問われており、学習方法そのものを見直す必要も出てくるだろう。

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