國學院大學久我山高等学校 入試対策
2019年度「國學院大學久我山高等学校の英語」
攻略のための学習方法
英語の入試問題において必要となる絶対的なスキルの一つに「正確な読解力」がある。しかも、長時間かけて読めばいいという状況にはない。
これは、受験生全員に当てはまる状況ではあるが、合格答案を作成するための不可欠な要素は、「単語」、「イディオム」、「読解力」である。これらの要素について詳しく見ていこう。
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単語力は日々怠りなく計画的に習得しよう
受験生の皆さんは、自分の単語力がどの程度かを把握しているであろうか。上位の高校入試に合格するために必要な最低限の単語数は、3000単語は最低欲しい。具体的には、英検準2級程度の英単語力であろう。
英検準2級の単語帳を購入し、そこに掲載されている英単語のうち、自分がどの程度習得しているかを確認する作業を行ってほしい。初めに、すべての単語についての理解レベルを「完璧」、「曖昧」、「全く分からない」という分類に分け、「完璧」な単語はチェック(ラインマーカー等)を行い、チェックできない「曖昧」と「全く分からない」単語の数を算出するのである。
次に、算出した単語の数をマスターしたい日数で割ると、一日平均の学習するべき単語数が得られるのである。そのことが確定すれば、あとはひたすら毎日決まった単語をガムシャラに覚えていくだけである。「継続は力なり」なのであるから、日々怠りなく入試まで努力を積み重ねてゆく姿勢を貫いてもらいたい。
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イディオムは直訳ではダメである
受験生の中には、長文を読んでいて「この英語表現は何?」「何を言いたいのかさっぱりわからない」という英文に出会ったことはないだろうか。そのような場合、未知なるイディオムである場合が多いのではないだろうか。
例えば、‘ take the place of ~’ というイディオムがある。直訳すれば「~の場所を取る」とでもなるであろうか。しかし、実際の英文の中でこのイディオムを上記のような意味で訳してしまうと、まったく何を言っているのか理解不能になってしまうであろう。このイディオムの正しい意味は「~に取って代わる」ということである。
このように、イディオムの正しい意味を理解習得していないと、英文は正しく読めないばかりか内容を不正確にしか理解できなくなってしまう。イディオムの理解を深めるために、市販されている英検準2級レベルの「イディオム集」を購入し徹底してイディオムを自分のものにすること。その具体的やり方は、前項の「単語」について述べた部分とそれほど違いはない。いずれにしても、日々怠りなく地道にイディオムも一つ一つ潰していくしかないのである。
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読解力は自分の受験英語の集大成である
受験英語で高得点を得ようと思ったら、「読解力」を高めるしかない。なぜなら、過去問を見たことのある受験生ならば理解できるだろうが、読解総合長文問題が試験全体に占める得点比率が極めて高いのである。
「読解力」とは「文を読める力」のことである。何となく見たことのある単語の意味を適当に組み合わせて日本語訳を考えてしまうと、本当の意味での読解力にはならない。なぜそのような状況になってしまうのかを考えると、その最大の理由は「文法知識の欠如」であろう。文が読めない、ということは「文の構造が理解できていない」ということである。従って、受験英語長文を正確に迅速に読み取ることができるためには、基本的文法事項を完璧にマスターすることが必要だ。
さらに、文法事項をただ単に「知識」としてだけで理解するのではなく、「生きた文法知識」として自分のものにして得点率アップを図ろうとするのであれば、実際の長文の中でどのような使われ方、表現方法を用いているのかを見抜く力が必要である。そのためには、筆者(書き手)は使用した文法事項をもって一体「何」を我々(読み手)に伝えようとしているのか、というレベルまで掘り下げることが重要だ。
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2019年度「國學院大學久我山高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問1】説明文の長文読解総合問題<22分>
【大問2】長文中における会話文完成適文選択問題<8分>
【大問3】書き換え適語補充問題<3分>
【大問4】誤文訂正問題<5分>
【大問5】単語の発音・アクセント問題<4分>
【大問6】自由英作文問題<8分>
【大問1】 説明文の長文読解総合問題(単語数:約1000語)
- 時間配分:22分
オリンピックの起源からこれまでの歴史に関するかなり長文な説明文である。難解な英単語は使用していないが、本文を読むのに時間がかからないように長文読解に慣れておく必要がある。
問1.整序問題<2分>。与えられた語群から、部分的にまとめていくやり方が効果的である。
問2.整序問題<2分>。「走ることができる」は、beingをbe動詞の動名詞として用いること。
問3.要旨把握記述問題<1分>。競技の起源は、人間が動物を狩猟することに由来するのである。
問4.要旨把握記述問題<3分>。円盤投げなどの競技特徴を問う問題である。気を付けなければならないのは、今の特徴ではなく古代オリンピックにおける特徴である。
問5.適語補充問題<1分>。指摘された競技では、「何」が求められているのか。スピードを競っているのである。
問6.英文適所挿入選択問題<2分>。挿入するべき英文は「一方、肉体的強さが必要なスポーツもある」という内容であり、ポイントは‘On the other hand’である。
問7.英文和訳問題<2分>。基本的イディオムと基本的な文法事項をしっかり押さえること。
問8.要旨把握問題<2分>。下線部を問う問題であるが、下線部を含む段落にその答えがある。
問9.適語選択問題<1分>。逆説を表す「接続詞」を選択すること。‘However’は接続詞ではなく副詞なので選択できない。
問10.英問英答問題<3分>。英問の内容をよく理解し、さらに指定された語数で英作を行うこと。
問11.内容真偽問題<3分>。長文読解問題には頻出の出題内容である。選択肢の英文も複雑なものではない。
【大問2】 長文における対話文完成適文補充問題
- 時間配分:8分
対話形式の長文中における挿入対話文を選択する問題であるが、会話表現等に留意して適切な英文を選択する。会話表現の独特な表現に慣れておくこと。
【大問3】書き換え適語補充問題
- 時間配分:3分
設問の出題形式は受験生であれば、一度は目にしたことがある問題形式であろう。イディオムや基本的な文法事項をしっかり押さえておけば完答できる、いや完答してほしい問題である。
【大問4】誤文箇所訂正問題
- 時間配分:5分
関係代名詞、比較、品詞、時制などの文法事項を基礎から応用までしっかり理解・習得しておくことが重要である。
【大問5】英単語の発音・アクセント
- 時間配分:4分
紛らわしい発音やアクセントの単語はない。完答を目指して欲しい。
【大問6】自由和文英作問題
- 時間配分:8分
「行ってみたい国」について、自由に英作を行う問題である。「たくさんの英文を自由に」書くというのが、設問の条件である。「たくさん」というレベル感が曖昧であるが、60~80字で英文を作りたい。
攻略のポイント
全体的にみると、基本的・標準的な問題である。長文も1000単語程度でかなり長いが、迅速で正確な読解力が求められる。
文法事項は、不定詞、分詞(現在分詞・過去分詞)、関係代名詞・関係副詞、比較、仮定法、話法は必ず文法書(できれば高校初級程度・英検準2級)の内容は、必ず押さえておいてもらいたい。
特に、長文読解力は鍛えておかなければならない。1000単語の読解スピードとしては10~12分で読み込めることが理想である。その際には、いわゆる「返り読み」をしてはいけない。「返り読み」とは、センテンスを最後まで読んだ後で、再度文頭に戻り「主語は」、「動詞は」、「修飾語句は」という具合に部分的に検討してゆく読み方である。