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國學院大學久我山高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「國學院大學久我山高等学校の国語」
攻略のための学習方法

1.読解力はすべての学力を高める不可欠な要素である

国語(特に現代文)の入試問題における「読解力」の重要性は、いまさら言うまでもないだろう。しかし、受験生の大半は「どのようにしたら合格力に直結する読解力が身につくのか」と素朴な疑問を抱いているだろう。数学などと違い国語は、学習した成果がなかなか感じられにくく、模擬試験などの得点アップに即効性をもって表れてくるわけでもない。
したがって、具体的な国語攻略法も見つからないまま漫然と学校の授業を受け、塾のテキスト問題を演習し、何となく国語対策をしたつもりになっているのではないだろうか。国語力、究極的には、「読解力」がすべての教科の学力を支えている要素であることを忘れてはならない。勉強とは考えるプロセスであり、考えるためには素材を十分吟味しなければならない。この「吟味」の作業が「読解力」なのである。数学と国語の読解力の関連性があまりないのではないか、と思っている受験生も少なくないのではないだろうか。しかし、よく考えてみると数学は、「思考過程」を文字ではなく「数式」に置き換えただけであり、本質的な部分は問題の原理を正確に「読み解く力」が求められており、正解を導く上では不可欠な要素なのである。したがって、一見関係のないような国語と数学ではあるが、その根本的な部分で「読解力」というキーワードでつながっているのである。

2.読解力を高めるにはどのようなことに留意すればよいのか

結論から言えば「自分の頭で考え、答えを導き出す」ということに尽きる。「自分の頭で考える」ということは、いろいろな場面で受験生も耳にしていることだろう。その具体的な内容・作業とはどのようなものだろう。「疑ってかかる」ということである。これは、「人を信じるな」といいことを言っているのではない。つまり、本に書かれてあること、テレビで流れていること、新聞に書かれていること、著名人が話していること等々、自分の身の回りの事象が「本当にそうなのか?」と一歩引いた立場で考えてみるということである。一歩引くと視野が広がる。考えに余裕が生まれる。その結果、今まで見えなかった部分が見えるようになってくる。その見えてきた部分に対して、自分の考えや価値判断を当てはめるのである。そういう作業を日頃から継続してゆく中で、物事を捉える「自分の眼」が養われ、磨かれてゆくのである。そうすると、物事の本質を見抜く視点を持つことができるようになり、評論文のような難解で複雑な文章も「すんなり」自分の頭の中に入ってくるようになるのである。

受験生には、是非とも「自分の頭で考え」て「読解力」を今以上に高めてもらいたい。

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2024年度「國學院大學久我山高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】小説に関する読解総合問題である<14分>。
記述問題(30 ~40字)が1題含まれている。
【大問2】論説文に関する読解総合問題である<17分>。
記述問題(40~50字)が1題含まれている。
【大問3】古文読解総合問題である<10分>。
現代語訳ができるように古語・古典文法の知識を確実にしておくこと。
【大問4】漢字問題である<9分>。
どれも標準的な問題である。確実に正解できようにしておくこと。

【大問1】 小説に関する読解問題

  • 時間配分:14分

出典:『オール・ノット』(柚木麻子著)
(問一)内容把握選択問題である<2分>。
真央は日々の生活費も切り詰め、不安を抱えていたのである。結果、毎日の生活を楽しむこともできなくなっていたのである。
(問二)内容把握問題である<2分>。
本文に「…そもそも余裕をもって、自分と向き合う時間など、これまでの人生にまったくなかった」のである。
(問三)心情把握問題である<5分>。
「真央はずっと一人で頑張ってきた」のであり、四葉さんは「私なんかより、あなた(真央)の方がずっと素晴らしいわ。真央さんは素晴らしい人間よ。…真央さんみたいに聡明で思いやりがあって、自立していて、地に足がついた女性を、他に見たことがないわ。なによりも、とても努力家よ」と発言している。
(問四)内容把握選択問題である<2分>。
真央に対する四葉さんの心情を考えると、四葉さんの性格は「困っている人に救いの手を差し伸べる思いやりのある」性格なのである。
(問五)内容把握選択問題である<3分>。
真央は四葉さんと知り合うようになってから「この国から遠く離れたところで、いちから人間関係や人生を構築できたら、どんなにいいだろう」と思うようになったのである。つまり「海外で暮らす自分を想像」でき「将来に対する展望」が広がったのである。

【大問2】芸術に関する論説文読解総合問題

  • 時間配分:17分

出典:『野の果て』(志村ふくみ著)
(問一)内容把握選択問題である<2分>。
「私は志村ふくみの染めの現場」から、「色の背後にある『植物の生命』」を感じたのである。
(問二)内容把握問題である<3分>。
「色とは関係の中に立ち現れるものであり、色名もまた実際の色と一対一対応するものではなく、他の言語との組み合わせ、多様な情感を構成するもの」なのである。
(問三)内容把握記述問題である<6分>。
【Ⅰ】の最後に「染めるとは、その『ある時点』の命を糸に移すことである。二度とやってこないその存在の、その時が、糸にしっかりと移る」のであり、「それは驚異であり、奇跡である」とある。
(問四)内容把握問題である<3分>。
「『あはれ』が生み出される段階まで色彩を高め」、「色彩の局限の世界」ともいえるような「色なきもの」まで色彩を高めるのである。
(問五)要旨把握選択問題である<3分>。
『源氏物語』を用いて【Ⅰ】の内容を【Ⅱ】において具体的に述べているのである。

【大問3】 古文読解総合問題

  • 時間配分:10分

出典:『古今著聞集』
(問一) 内容把握問題である<2分>。
馬の允に「あかぬまといふ所」で殺された「をしの妻鳥」のことである。
(問二) 内容把握選択問題である<3分>。
長年連れ添った夫を殺されたことで、おしどりの妻は悲しみにくれたのである。
(問三) 内容把握選択問題である<2分>。
水辺に群生する真菰の「浮き」と夫を亡くした妻の悲しみ=「憂き」を掛けているのである。
(問四) 内容把握選択問題である<3分>。
おしどりを殺してしまったことに対し、「殺生の罪深さ」を思い知ったのである。

【大問4】 漢字問題

  • 時間配分:9分

(問一) 漢字問題の書き取り問題である<5分>。
全部で7題。「是非」「侵犯」「養殖」「朗詠」「怠」「赴」「暫定」である。完答を目指そう。
(問二) 四字熟語問題である<4分>。
「本末転倒」「大山鳴動」「森羅万象」である。

攻略のポイント

論説文、小説、古文、漢字(知識問題)と出題としては、すべてのジャンルから偏りなく出題されている。出題された題材も標準的レベルであり、難解な文章ではない。ただし、記述問題対策はしっかり行っておくこと。指示された本文箇所の表現をどのように言い換えているのかを注意深く捉えていくことが重要である。また、漢字の書き取りの知識問題も比較的出題数が多いので、事前の準備をしっかり行い完答してほしい。全体的な出題レベルは、標準的であるのでしっかり本文を読み、前後関係を把握して解答するクセを付けよう。対策としては、上位高校の入試問題のうち論説・随筆・小説に関する問題演習を70題程度こなしておくこと。

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