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國學院大學久我山高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「國學院大學久我山高等学校の国語」
攻略のための学習方法

1.読解力はすべての学力を高める不可欠な要素である

国語(特に現代文)の入試問題における「読解力」の重要性は、いまさら言うまでもないだろう。しかし、受験生の大半は「どのようにしたら合格力に直結する読解力が身につくのか」と素朴な疑問を抱いているだろう。数学などと違い国語は、学習した成果がなかなか感じいにくしし、模擬試験などの得点アップに即効性をもって表れてくるわけでもない。
したがって、具体的な国語攻略法も見つからないまま漫然と学校の授業を受け、塾のテキスト問題を演習し、何となく国語対策をしたつもりになっているのではないだろうか。

国語力、究極的には、「読解力」がすべての教科の学力を支えている要素であることを忘れてはならない。勉強とは考えるプロセスであり、考えるためには素材を十分吟味しなければならない。この「吟味」の作業が「読解力」なのである。
数学と国語の読解力の関連性があまりないのではないか、と思っている受験生も少なくないのではないだろうか。しかし、よく考えてみると数学は、「思考過程」を文字ではなく「数式」に置き換えただけであり、本質的な部分は問題の原理を正確に「読み解く力」が求められており、正解を導く上では不可欠な要素なのである。
したがって、一見関係のないような国語と数学ではあるが、その根本的な部分で「読解力」というキーワードでつながっているのである。

 

2.読解力を高めるにはどのようなことに留意すればよいのか

結論から言えば「自分の頭で考え、答えを導き出す」ということに尽きる。「自分の頭で考える」ということは、いろいろな場面で受験生も耳にしていることだろう。

その具体的な内容・作業とはどのようなものだろう。「疑ってかかる」ということである。これは、「人を信じるな」といいことを言っているのではない。つまり、本に書かれてあること、テレビで流れていること、新聞に書かれていること、著名人が話していること等々、自分の身の回りの事象が「本当にそうなのか?」と一歩引いた立場で考えてみるということである。
一歩引くと視野が広がる。考えに余裕が生まれる。その結果、今まで見えなかった部分が見えるようになってくる。その見えてきた部分に対して、自分の考えや価値判断を当てはめるのである。
そういう作業を日頃から継続してゆく中で、物事を捉える「自分の眼」が養われ、磨かれてゆくのである。そうすると、物事の本質を見抜く視点を持つことができるようになり、評論文のような難解で複雑な文章も「すんなり」自分の頭の中に入ってくるようになるのである。

受験生には、是非とも「自分の頭で考え」て「読解力」を今以上に高めてもらいたい。

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2019年度「國學院大學久我山高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】心理学的分野の論説文に関する読解総合問題<16分>
記述問題(50字)が1題含まれている。

【大問2】小説の読解問題<16分>
記述問題(50字)が1題含まれている。

【大問3】古文読解総合問題<14分>
古語知識などの知識問題もしっかり押さえておくこと。

【大問4】漢字・慣用句問題<4分>
どれも標準的な問題である。四文字熟語も事前に目を通しておくこと。

 

【大問1】 心理学的分野の論説文の読解問題

  • 時間配分:16分

出典:「対話する社会へ」(暉峻淑子著)

人間と人間の間における対話を題材に、個人レベルでの「理解」の輪を広げ、その延長線上にある社会の有り様について考察する論説文である。

(問一)内容把握選択問題<3分>
空欄Xの直後にある「応答の欠如ほど恐ろしいものはない」とある。つまり、バフチンによれば「応答」が大切なのである。

(問二)文章内容把握記述問題<3分>
問題となっている傍線部分の直後に、「語り合っていることがらについての新しい言葉が対話の中で生まれ…、語っている人たちは、語っていることの社会的意味…を対話の中で作り出している」のである。

(問三)内容把握選択問題<2分>
傍線箇所の「専門家が互いを非難するようなとき」とはどういうときなのか、本文に即して考えよう。「非難」とは一般的に、自分の感情を表し、相手のことを認めず相容れない状態のことである。

(問四)表現把握記述問題<3分>
傍線部分のようにして成立した対話とは、本文最後の方に記載されている「人びとの身体の中を通ることができた対話」なのである。

(問五)表現把握記述問題2分>
傍線にある「個人の主体性」がポイントである。

【大問2】 小説の読解総合問題

  • 時間配分:16分

出典:「白」(芥川龍之介著)

(問一)文章内容把握選択問題<2分>
犬が急に「背中の毛」を逆立てるのは、恐怖を感じるからである。

(問二)内容把握記述問題<6分>
50字の記述問題である。白い犬が黒くなってしまったが、中身は「白」のままであることが分かってもらえないことが、悲しくもあり怒りの対象ともなっているのである。

(問三)表現内容選択問題<3分>
本文中より、置かれている「白」の状況と、「気楽そうにひらひら」飛んでいる「紋白蝶」とのギャップについて考えること。

(問四)内容把握選択問題<3分>
黒かった犬が元の色である「白」の戻ることができたのである。そのことを「白」は心から喜んでいるのである。

(問五)テーマ選択問題<2分>
本文より情景を表現している「火のように燃えた眼の色」などのような「たとえ」を踏まえて、適切な選択肢を選ぶこと。

【大問3】 古文読解総合問題

  • 時間配分:14分

出典:「浮世物語」

(問一)内容理解選択問題<3分>
大阪夏の陣での真田幸村の活躍は、極めて突出したものであり目覚ましいものであった。

(問二)古典の知識問題<3分>
「五月」の読み方を問う問題である。また、その月が属する季節も問う問題であるが、旧暦の「五月」であることに注意すること。

(問三)内容把握選択問題<3分>
真田幸村の大坂夏の陣での「戦い方」を思い、売った牛についてもどのように感じていたかを考えよう。

(問四)語句内容把握問題<5分>
「だます」という意味と「角で突く」という意味を持っている。

【大問4】 知識問題

  • 時間配分:4分

(問一)漢字問題の書き取り問題<3分>
7問あるがすべて標準問題レベルである。完答したい。

(問二)慣用句問題<1分>
「青二才」、「正念場」、「善後策」を問う問題である。

攻略のポイント

論説文、小説、古文、漢字(知識問題)と出題としては、すべてのジャンルから偏りなく出題されている。出題された題材も標準的レベルであり、難解な文章ではない。
ただし、記述問題対策はしっかり行っておくこと。指示された本文箇所の表現をどのように言い換えているのかを注意深く捉えていくことが重要である。

また、漢字の書き取りや慣用句などの知識問題も比較的出題数が多いので、事前の準備をしっかり行い完答してほしい。
全体的な出題レベルは、標準的であるのでしっかり本文を読み、前後関係を把握して解答するクセを付けよう。対策としては、上位高校の入試問題のうち論説・随筆・小説に関する問題演習を50~60題程度こなしておこう

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