國學院大學久我山高等学校 入試対策
2024年度「國學院大學久我山高等学校の数学」
攻略のための学習方法
合格のために何をやらなければならないか。このことこそ受験生が一番知りたい事柄であろう。結論から言えば、「出る問題をやる」ことが一番の効率的攻略法である。それでは、「何」が出るのか。これは、受験生の皆さんには「雲をつかむ」ような話であろう。それでは「山を張る」ことが善後策なのであろうか。そんなことは決してない。「出題されそうな範囲」と「山を張る行為」は、根本的に異なるものである。それでは、「出る問題をやる」勉強法とは何かについて一緒に考えてみよう。
1.自分の受験校が決定した時点で、受験生は何をやるだろうか。
まずは「出題傾向」を調べるであろう。過去問集を手に入れて4~5年間の出題傾向を考え、翌年の出題傾向について考えるのだ。「去年はこの分野が出ているから来年は出ないだろう」、「ある分野が3年ごとに出題されている。今年は3年目にあたるのできっとこの分野は出るだろう」、「この分野は10年間出題されていないので来年も出ないだろう」と受験生は判断するのである。このような判断で受験勉強を行ったところで、安定した得点は得られるだろうか? 当然ながら答えは「ノー」である。なぜならば、このレベルの「これが出る」、「これが出ない」という判断は、まさに「カン」なのである。「カン」が的中した場合は大喜びであるが、外れた場合の結果は「悲惨」の2文字である。
2.「山を張る」行為がいけないと言っているのではない。
「山を張る」からには「山」を張れるだけの知識が必要なのである。その知識がないと、何が重要で、何がポイントなの可が把握できなくなる。従って、知識が不足しているのに「感覚」で問題の中身を吟味することなく判断してしまうことの危うさを経験した受験生の皆さんは一人や二人ではないであろう。従って、的確にかつ的を絞った見通しを立て、問題の本質的な部分を見破ることができる受験生は、膨大な演習量に裏打ちされた「確かな認識力」を自然のうちに身に付けることができるのである。そのレベルまで到達すれば、多少数値を変えられたり、切り口を変更されても何の問題もなく正解へ辿り着けたりするのである。
3.それでは、単純に問題演習の量だけを増やせば良いのであろうか。
そんなことはないことぐらい受験生のみんなはよく知っているはずだ。では、どうすれば「確かな認識力」を得ることができるのであろうか。一言でいえば、「諦めずに最後まで自分の頭で考える」ことが重要である。確かに、そのようなことに没頭すれば時間はいくらあっても足りないことは明らかである。それを克服するためにお勧めは「良問を大量に解こう」ということである。「良問」とは、解くことによって問題解法の手掛かりと発想の手掛かりの両方を習得できる問題のことである。一見すると、難しそうで手も足も出ないような問題ほど、その問題構造は意外と単純であったりする。そのような問題に出会ったら幸運だと思い、最後までじっくり考えて自分の頭を自分の頭で鍛えぬこう。
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2024年度「國學院大學久我山高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問1】独立小問題である<15分>。
数の計算、式の計算、因数分解、関数(変域)、データ活用、平面図形(辺の長さ)、空間図形(体積)が出題されている。
【大問2】平面図形(正方形・正三角形)に関する問題である<9分>。
平面図形内における点の移動に関する問題である。図形がどのような移動をするかをイメージする。
【大問3】数の性質に関する問題である<10分>。
対話を通じて問題解法への論理展開を学ぶ。
【大問4】関数(放物線と直線)に関する問題である<16分>。
1次関数と2次関数の融合問題である。
【大問1】 独立小問題
- 時間配分:15分
(1) 数の計算問題<1分>。
ケアレスミスのないように。−(マイナス)の符号に注意すること。指数の2が( )の外なのか中なのか十分に注意すること。
(2) 式の計算問題<1分>。
分子が文字式の場合に気をつける。分子の文字式の符号がポイントである。
(3) 式の計算問題<1分>。
指数法則を正確にあてはめること。落ち着いてかつ迅速に正確に計算すること。
(4) 数の計算問題<1分>。
与式=(x+y)2+4xyと「対称式」の形に変形する。
(5) 因数分解問題<1分>。
和と差の積は2乗の差である。
(6) 2次方程式の解を求める問題<2分>。
分母を払い式を展開してまとめる。
(7) 1次関数の変域に関する問題<2分>。
与えられた1次関数は傾きがマイナスであるので、xの変域の左端が最大値、右端が最小値になる。
(8) データの活用問題<2分>。
中央値、四分位範囲の定義に基づく内容をしっかり理解しておくこと。データ活用に関する分野は今後も出題される可能性が高いのでしっかり押さえておくこと。
(9) 平面図形に関する問題<2分>。
三平方の定理よりBC=13である。三角形の面積は内接円の半径を使い求める解法があるので、しっかり理解しておくこと。
(10)空間図形(正四角錐)に関する問題<2分>。
正四角錐の体積を求める問題である。相似などの平面図形に関する原理をあてはめて考える。
【大問2】平面図形(正方形・正三角形)の問題
- 時間配分:9分
正方形の内側に一辺が正方形と同じ長さの正三角形が辺を共有している状態の問題である。
(1)移動する点に関する問題<1分>。
正方形の内部にある正三角形が4回移動したときにある点がどこにくるかについての問題である。
(2)点の移動距離を求める問題<2分>。
前問の点の移動距離を求める問題である。
(3)移動の回数を求める問題<3分>。
Pが初めの位置に初めて戻るのは、12回移動したときである。
(4)面積を求める問題<3分>。
前問のPが移動したときの囲まれた部分の面積を求める問題である。補助線などを引くことにより、三辺比が1:2:√3である直角三角形を見つけ出すこと。
【大問3】数の性質に関する問題
- 時間配分:10分
AさんとB先生との会話から数学的論理性を正確に見抜き、解法を進めること。与式から、m2+2024=n2としn2-m2=2024と変形したうえで因数分解する。
また、2024も素因数分解して、(n+m)(n-m)=23×11×23より考え得る(n+m)と(n-m)の組を考える。
【大問4】 関数(直線と放物線)に関する問題
- 時間配分:16分
(1)比例定数を求める問題<2分>。
A、Bはともにy=ax2にあり、それぞれx座標は与えられているのでA、Bの座標をaが含まれた形で表すことができる。A、Bの座標から傾きを求め、それが3であるという条件からaの値が求められる。
(2)直線の式を求める問題<3分>。
ABの直線の傾きは3であるので、その式はy=3x+bとおける。また、A(-1,2)でありy=3x+b上に存在することよりbの値を求めることができる。
(3)三角形の面積を求める問題<5分>。
Pはy=2x2上にあり、x座標=であることよりPの座標を求めることができる。Pを通りy軸に平行な直線とABの交点をCとすると△PAB=△APC+△BPCとなる。
(4)x座標を求める問題<6分>。
QがABの下側にある場合と上側にある場合に分けて考える。どちらの場合もABと平行な直線と放物線の交点を考える(等積変形)ことにより、Qのx座標を求めることができる。
攻略のポイント
難問・奇問の類は出題されていない。極めて標準的な問題である。基本問題から標準レベルの問題演習を何度も繰り返し行うことで、合格点は可能になるだろう。
中でも、計算問題、方程式、関数(1次関数・2次関数)、場合の数、平面図形(三平方の定理、相似、合同)、立体図形(切り口、平面のイメージへの置き換え)は必須事項と考え、繰り返し該当分野の演習を行って欲しい。最近の傾向として、初見の問題(単純なスキル演習ではない問題)に対する対策も重要であり、問題の本質を見抜く力が必要である。