國學院大學久我山高等学校 入試対策
2022年度「國學院大學久我山高等学校の数学」
攻略のための学習方法
合格のために何をやらなければならないか。このことこそ受験生が一番知りたい事柄であろう。結論から言えば、「出る問題をやる」ことが一番の効率的攻略法である。それでは、「何」が出るのか。これは、受験生の皆さんには「雲をつかむ」ような話であろう。それでは「山を張る」ことが善後策なのであろうか。そんなことは決してない。「出題されそうな範囲」と「山を張る行為」は、根本的に異なるものである。それでは、「出る問題をやる」勉強法とは何かについて一緒に考えてみよう。
1.自分の受験校が決定した時点で、受験生は何をやるだろうか。
まずは「出題傾向」を調べるであろう。過去問集を手に入れて4~5年間の出題傾向を考え、翌年の出題傾向について考えるのだ。「去年はこの分野が出ているから来年は出ないだろう」、「ある分野が3年ごとに出題されている。今年は3年目にあたるのできっとこの分野は出るだろう」、「この分野は10年間出題されていないので来年も出ないだろう」と受験生は判断するのである。
このような判断で受験勉強を行ったところで、安定した得点は得られるだろうか? 当然ながら答えは「ノー」である。なぜならば、このレベルの「これが出る」、「これが出ない」という判断は、まさに「カン」なのである。「カン」が的中した場合は大喜びであるが、外れた場合の結果は「悲惨」の2文字である。
2.「山を張る」行為がいけないと言っているのではない。
「山を張る」からには「山」を張れるだけの知識が必要なのである。その知識がないと、何が重要で、何がポイントなのかが把握できなくなる。従って、知識が不足しているのに「感覚」で問題の中身を吟味することなく判断してしまうことの危うさを経験した受験生の皆さんは一人や二人ではないであろう。従って、的確にかつ的を絞った見通しを立て、問題の本質的な部分を見破ることができる受験生は、膨大な演習量に裏打ちされた「確かな認識力」を自然のうちに身に付けることができるのである。そのレベルまで到達すれば、多少数値を変えられたり、切り口を変更されても何の問題もなく正解へ辿り着けるのである。
3.それでは、単純に問題演習の量だけを増やせば良いのであろうか。
そんなことはないことぐらい受験生のみんなはよく知っているはずだ。では、どうすれば「確かな認識力」を得ることができるのであろうか。一言でいえば、「諦めずに最後まで自分の頭で考える」ことが重要である。
確かに、そのようなことに没頭すれば時間はいくらあっても足りないことは明らかである。
それを克服するためにお勧めは「良問を大量に解こう」ということである。
「良問」とは、解くことによって問題解法の手掛かりと発想の手掛かりの両方を習得できる問題のことである。一見すると、難しそうで手も足も出ないような問題ほど、その問題構造は意外と単純であったりする。そのような問題に出会ったら幸運だと思い、最後までじっくり考えて自分の頭を自分の頭で鍛えぬこう。
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2022年度「國學院大學久我山高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問1】独立小問題である<16分>。
式の計算、数の計算、平方根の計算、方程式の応用、連立方程式、関数(変域)、場合の数、平面図形、が出題されている。
【大問2】独立小問題である<12分>。
数列(Σを使った数列の和)、データ処理、方程式の解と関数の関連に関する問題である。
【大問3】空間図形に関する問題である<11分>。
切り口や切り口面の辺の長さや面積を求める問題である。
【大問4】関数(放物線と直線)に関する問題である<11分>。
1次関数と2次関数の融合問題である。
【大問1】 独立小問
- 時間配分:16分
(1)式の計算問題<1分>。
ケアレスミスのないように。引く分数式の分子の符号に気をつけること。
(2)数の計算問題<1分>。
指数法則の除法に関する計算をミスのないように計算する。
(3)数の計算問題<2分>。
√の中のa2+2a+1と9a2-6a+1はそれぞれ(a+1)2と(3a-1)2に変形できるので√がとれる。そのうえで、a= を代入し計算を正確に行う。
(4)式の計算問題<1分>。
x+y=Aとおいて計算し最終的にAをもとに戻して計算をまとめる。
(5)方程式の応用問題<2分>。
横の長さをa % 長くするとして式を考える。
(6)連立方程式の問題<2分>。
2つの方程式の加減を行うと、x+y= とx-y= 隣この方程式を連立してx、yを求める。
(7)関数の変域に関する問題<2分>。
与えられた条件からa、bの値を求める。a<0であるので関数のグラフは右下がりのグラフである。
(8)場合の数の問題<1分>。
2つ以上の自然数の和で4を求める場合の数を求める問題である。
(9)平面図形に関する問題<2分>。
長方形の内部に接する大小2つの円が互いに一点で接している場合、大小の円の中心の距離を求める問題である。
(10)平面図形(反射回数)に関する問題<2分>。
レーザー光線は鏡(壁)にぶつかった場合、ぶつかった角度と同じ角度で反射してゆくことを利用する。
【大問2】 独立小問
- 時間配分:12分
(1)反例の適切選択肢を求める問題<2分>。
反例とは、条件は満足するが結果に矛盾が生じる(結果が不成立)場合のことである。
(2)数列を求める式を表す問題<4分>。
数列の和(数列の第1番目から第n番目までの和)を求める記号はΣ(シグマ)である。正式には高校数学で学習するが、設問で提示されたΣに関する情報(定義)をしっかり理解し問題を解くこと。
(3)資料の整理(箱ひげ図)に関する問題<3分>。
ヒストグラムを参考に箱ひげ図を選択肢の中から選ぶ問題である。データ活用に関する用語(中央値など)をしっかり理解しておくこと。
(4)関数と方程式の解に関する問題<3分>。
方程式の解は、方程式のグラフとx軸との交点のx座標の値であるが、本問ではx3-2x2=1の解の個数はy=x3-2x2とy=1とのグラフの交点の個数になる。
【大問3】 空間図形(立方体)に関する問題
- 時間配分:11分
(1)切り口に関する問題<1分>。
立方体の指定された3点を通る平面で切った場合の切り口△MNPは3辺が等しい正三角形になる。
(2)切り口と辺の長さに関する問題<5分>。
切り口の基本は、初めに同じ辺面上にある2点を結ぶこと、次に結んだ平面と平行な平面上に切り口がどのように現れるかを考えることがポイントである。
(3)切り口と面積に関する問題<5分>。
初めに、正確な切り口の形をしっかり把握すること。そのうえで、切り口の面積は分割して部分的に面積を求めて最終的にそれらの面積を合算する。その過程で、平面図形で使用する三平方の定理、相似の考え方を当てはめる。
【大問4】 関数(直線と放物線)に関する問題
- 時間配分:11分
(1)比例定数を求める問題<1分>。
y=ax2にA(4,3)を代入して比例定数aを求める。
(2)直線の式を求める問題<3分>。
直線ℓの傾きは- であり、A(4,3)を通ることより直線ℓの式が求められる。
(3)辺の長さを求める問題<3分>。
Aからx軸に垂線ACを引くと△ACOは直角三角形なので三平方の定理よりAO=5となる。また、OA⊥ABであるので△OAB= なので、△OAB=×OA×AB=×5×AB= よりABの辺の長さを求める。
(4)比例定数を求める問題<4分>。
Bとx軸と平行な直線とCAの延長線の交点をDとすると、△AOC∽△BADとなることより辺の比例式よりBの座標が求められ、本問の比例定数bが得られる。
攻略のポイント
難問・奇問の類は出題されていない。極めて標準的な問題である。基本問題から標準レベルの問題演習を何度も繰り返し行うことで、合格点は可能になるだろう。
中でも、計算問題、方程式、関数(1次関数・2次関数)、場合の数、平面図形(三平方の定理、相似、合同)、立体図形(切り口、平面のイメージへの置き換え)は必須事項と考え、繰り返し該当分野の演習を行って欲しい。
最近の傾向として、初見の問題(単純なスキル演習ではない問題)に対する対策も重要であり、問題の本質を見抜く力が必要である。