國學院大學久我山高等学校 入試対策
2023年度「國學院大學久我山高等学校の数学」
攻略のための学習方法
合格のために何をやらなければならないか。このことこそ受験生が一番知りたい事柄であろう。
結論から言えば、「出る問題をやる」ことが一番の効率的攻略法である。それでは、「何」が出るのか。これは、受験生の皆さんには「雲をつかむ」ような話であろう。それでは「山を張る」ことが善後策なのであろうか。そんなことは決してない。「出題されそうな範囲」と「山を張る行為」は、根本的に異なるものである。それでは、「出る問題をやる」勉強法とは何かについて一緒に考えてみよう。
1.自分の受験校が決定した時点で、受験生は何をやるだろうか。
まずは「出題傾向」を調べるであろう。過去問集を手に入れて4~5年間の出題傾向を考え、翌年の出題傾向について考えるのだ。「去年はこの分野が出ているから来年は出ないだろう」、「ある分野が3年ごとに出題されている。今年は3年目にあたるのできっとこの分野は出るだろう」、「この分野は10年間出題されていないので来年も出ないだろう」と受験生は判断するのである。このような判断で受験勉強を行ったところで、安定した得点は得られるだろうか?
当然ながら答えは「ノー」である。なぜならば、このレベルの「これが出る」、「これが出ない」という判断は、まさに「カン」なのである。「カン」が的中した場合は大喜びであるが、外れた場合の結果は「悲惨」の2文字である。
2.「山を張る」行為がいけないと言っているのではない。
「山を張る」からには「山」を張れるだけの知識が必要なのである。その知識がないと、何が重要で、何がポイントなのかが把握できなくなる。従って、知識が不足しているのに「感覚」で問題の中身を吟味することなく判断してしまうことの危うさを経験した受験生の皆さんは一人や二人ではないであろう。
従って、的確にかつ的を絞った見通しを立て、問題の本質的な部分を見破ることができる受験生は、膨大な演習量に裏打ちされた「確かな認識力」を自然のうちに身に付けることができるのである。そのレベルまで到達すれば、多少数値を変えられたり、切り口を変更されたりしても何の問題もなく正解へ辿り着けるのである。
3.それでは、単純に問題演習の量だけを増やせば良いのであろうか。
そんなことはないことぐらい受験生のみんなはよく知っているはずだ。では、どうすれば「確かな認識力」を得ることができるのであろうか。一言でいえば、「諦めずに最後まで自分の頭で考える」ことが重要である。
確かに、そのようなことに没頭すれば時間はいくらあっても足りないことは明らかである。それを克服するためのお勧めは「良問を大量に解こう」ということである。「良問」とは、解くことによって問題解法の手掛かりと発想の手掛かりの両方を習得できる問題のことである。一見すると、難しそうで手も足も出ないような問題ほど、その問題構造は意外と単純であったりする。
そのような問題に出会ったら幸運だと思い、最後までじっくり考えて自分の頭を自分の頭で鍛えぬこう。
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2023年度「國學院大學久我山高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問1】独立小問題である<18分>。
式の計算、数の計算、関数(変域)、データ活用、関数(変域)、場合の数、平面図形、空間図形が出題されている。
【大問2】平面図形(正方形)に関する問題である<10分>。
平面図形の基本定理(相似、三平方の定理)を適切に活用する。
【大問3】平面図形(円)に関する問題である<8分>。
円周角、三平方の定理を使う問題である。
【大問4】関数(放物線と直線)に関する問題である<14分>。
1次関数と2次関数の融合問題である。
【大問1】 独立小問
- 時間配分:18分
(1)式の計算問題<1分>。
ケアレスミスのないように。引く分数式の分子の符号に気をつけること。
(2)式の計算問題<2分>。
指数法則の除法に関する計算をミスのないように計算する。
(3)数の計算問題<2分>。
√の中の平方数の2乗を取り除いて√外へ出し√内の数字を小さくする。また、分母の無理数の有理化も正確に行うこと。
(4)2次方程式問題<2分>。
√がついた2次方程式である。
(5)数の計算問題<2分>。
[x]の定義をしっかり理解する。aは整数部分、bは小数部分を表している。
(6)関数(変域)の問題<2分>。
y=ax2においてyの変域が-9≦y≦0であることから本問の2次関数は下に開いた放物線である。
(7)データ活用に関する問題<2分>。
度数分布表に関する基本的な考え方をしっかり理解しておくこと。
(8)場合の数の問題<1分>。
3種類の硬貨を使用して支払える金額の場合の数を求める問題である。100円1枚、50円2枚であることより100円は2通りで払えるがこれを1通りとして考える。
(9)平面図形に関する問題<2分>。
本問の6角形の平面図形を内部に含む正三角形を考える。
(10)空間図形(正八角形)に関する問題<2分>。
立体を真上から見た平面図を考え、正八面体は2つの四角錐の合体であることを利用する。
【大問2】平面図形(正方形)の問題
- 時間配分:10分
(1)辺の長さを求める問題<2分>。
正方形を折り返した際に、折り戻すと辺・角度が重なるので、同じ辺と角度が2ヶ所出てく
る。
(2)辺の長さを求める問題<2分>。
相似の三角形を探し辺の比例式を導き出す。
(3)辺の長さを求める問題<3分>。
△CIE∽△HIGであることを利用する。
(4)辺の長さを求める問題<3分>。
GからABに垂線GPを引く。△GPFにおいて三平方の定理を適用する。
【大問3】平面図形(円)に関する問題
- 時間配分:8分
【大問4】 関数(直線と放物線)に関する問題
- 時間配分:14分
[1]グラフの傾きや辺の長さを求める。
(1)直線の傾きを求める問題<3分>。
2点(p, p2)、(q, q2)の座標がp、qで与えられているので傾きを求める式に当てはめる。
(2)座標・辺の長さを求める問題<3分>。
y=2x上にA(1,0)、B(1,b)が存在するのでx座標、y座標をグラフの式に代入する。△OABに三平方の定理をあてはめる。
[2]座標などを求める。
(1)数値を求める問題<2分>。
Qからx軸へ引いた垂線とPからx軸方向へ引いた線分の交点をSとすると、前問よりOB=√5であることより、PQ=√5という条件であるので△PSQ≡△OABであることを利用する。
(2)qの値を求める問題<2分>。
前問よりq-p=1であり、PQの傾きにおいてp+q=2が成立するので連立方程式を解く。
(3)rの値を求める問題<4分>。
PQの中点をMとするととなることより、MRの式は となりy=x2と連立方程式を立てxの2次方程式を解く。
攻略のポイント
難問・奇問の類は出題されていない。極めて標準的な問題である。基本問題から標準レベルの問題演習を何度も繰り返し行うことで、合格点は可能になるだろう。中でも、計算問題、方程式、関数(1次関数・2次関数)、場合の数、平面図形(三平方の定理、相似、合同)、立体図形(切り口、平面のイメージへの置き換え)は必須事項と考え、繰り返し該当分野の演習を行って欲しい。最近の傾向として、初見の問題(単純なスキル演習ではない問題)に対する対策も重要であり、問題の本質を見抜く力が必要である。