明治大学付属明治高等学校 入試対策
2016年度「明治大学付属明治高等学校の英語」
攻略のための学習方法
[速読力を身につける]
速読は、長文を速く読む技術だ。制限時間のある受験においては、文章が速く読めれば読めるほど、残りの解答時間が増えて、有利になる。これは単純な理論だが、実践している生徒はめったにいない。
例えば、明大明治は、【大問8】までの長文の総語数は、2000字に迫る。毎年、過去問をはじめて解いた生徒の大半が、解答用紙をすべて埋めることができていない。
速読力を身につけるにあたっては、3点に気をつけておきたい。
1点めは、文章を音読することだ。音読によって、1文1文がていねいに読まれ、いい加減な読み飛ばしを防止できる。文章を読み飛ばしたままにしておくと、与えられた課題はこなせているかに見えるが、実際の頭の栄養の吸収という点では、損をしている。理解を曖昧なままにしないために、音読する習慣を身につけ、学習効果を上げよう。
2点めは、文型を把握しながら読むことだ。文型は、教科書ではさらりとしか触れられていない。しかし、英語を習得するためには、重要な技術であり、できるとできないでは大きな差が生まれている。
主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C)に、1文1文を分析できるかどうか、確かめながら読解していこう。はじめのうちは、時間がかかるが、着実に効果がある。
3点めは、繰り返し読むことだ。長文読解の学習方法として、次々から次に、新しい長文に挑戦していく生徒がいるが、おすすめできない。むしろ、一度読んだ長文を、日を開けて、再読することをおすすめする。
[リスニングは聴くだけではない]
リスニングの文章が長くなると、ただ言葉を聴き分けることに加えて、独自の技術が求められるようになる。要点だけを集中して聴き取る技術や、聴き取りながらメモを速記する技術を、訓練して身につけておこう。
例えば、明大明治の【大問11】においては、リスニングが読み上げられる前に、あらかじめ図表に目を通しておきたい。そうすると、天気が問われていることがわかるので、これから読み上げられる英文の、どの要点に集中すればよいかが、判断できる。天気の話題に触れたときに、すばやくメモを取ろう。
リスニングの得点の低い生徒は、ただ漫然と英文を聴いていることが多い。そのような学習姿勢は、改めたい。リスニングは積極的に訓練していけば、得点があがりやすい単元だ。受験の直前期に、短期間で英語の得点を向上したい場合は、短期講座の作成もできるので、声をかけて欲しい。
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2016年度「明治大学付属明治高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は60分で、得点は120点満点と、珍しい形式の試験だ。大問数は12問で、うち長文が7問、リスニングが4問となる。
リスニングの時間が長く、長文にかけられる時間も不足している。解答用紙がすべて埋まらない場合もあるだろう。処理速度の速い受験者が、有利となる試験構成だ。
【大問1】 長文読解(物語文 約180語)・適語補充
- 時間配分:5分
旅行先でのカメラの紛失という事件を題材にした長文だ。文章を読解しながら、文中に適切な単語を補充する。
語彙力だけでは正答できず、文章の流れを理解していないと、単語が思いつかないようになっている。
【大問2】 長文読解(論説文 約130語)・適語補充
- 時間配分:5分
文章を読解しながら、文中に適切な単語を補充する。【大問1】と似ているが、やや問われ方が異なってはいる。
なお、英英辞典で単語を調べた経験があると、解答しやすくなる。お気に入りの英単語だけでよいので、折に触れて、英英辞典を利用する経験をしておこう。
【大問3】適語補充
- 時間配分:4分
文中の誤りを修正する形式で、しっかりとした文法力が求められる。
【大問4】 長文読解(論説文 約210語)・整序作文
- 時間配分:5分
文章を読解しながら、与えられた単語の順番を整理する。【大問2】と似ているが、こちらは語彙力ではなく、文法力を確認しようとしている。
【大問5】長文読解(物語文 約390語)・適語補充
- 時間配分:8分
大意(文章全体の流れ)さえ理解できればよいので、速読ができるようになっておきたい。
【大問6】長文読解(会話文 約190語)・適文補充
- 時間配分:4分
会話文では、英語の口語(話し言葉)における表現に注意しよう。
【大問7】長文読解(論説文 約380語)・適文補充
- 時間配分:8分
適文補充だが、【大問6】と較べて、読まなければいけない文量が増えている。答案全体の時間配分を考えたい。
【大問8】長文読解(物語文 約440語)・適文補充
- 時間配分:7分
【大問5】と同じく、速読で対応できるようになっておきたい。
【大問9】から【大問12】リスニング
- 時間配分:18分
リスニングの総時間は20分弱と予想される。
あらかじめ問題用紙に目を通しておき、どのような文章が読み上げられるのか、見当をつけておきたい。
攻略ポイント
受験者の合否を分けるのは、速読力とリスニング力になる。
得点源は、文法・読解・リスニングの3分野になるが、そのうち、文法分野は、難易度が簡単なので、受験者同士にあまり点差がつかないだろう。
対して、読解分野は、受験者の文章を読む速度によって、かなりの点差が開くはずだ。
同じように、リスニング分野も、得意・不得意で、点差が開くようになっている。
対策は立てやすいが、読解力もリスニング力も、ゆっくりとしか向上しないので、ある程度の長さの訓練期間は必要となる。