明治大学付属明治高等学校 入試対策
2018年度「明治大学付属明治高等学校の英語」
攻略のための学習方法
速読力を身につける
速読は、長文を速く読む技術だ。制限時間のある受験においては、文章が速く読めれば読めるほど、残りの解答時間が増えて、有利になる。これは単純な理論だが、実践している生徒はめったにいない。
例えば、明大明治は、【大問6】までの長文の総語数は、1500語を超える。毎年、過去問をはじめて解いた生徒の大半が、解答用紙をすべて埋めることができていない。
速読力を身につけるあたっては、3点に気をつけておきたい。
1点めは、文章を音読することだ。
音読によって、1文1文がていねいに読まれ、いい加減な読み飛ばしを防止できる。文章を読み飛ばしたままにしておくと、与えられた課題はこなせているかに見えるが、実際の頭の栄養の吸収という点では、損をしている。理解を曖昧なままにしないために、音読する習慣を身につけ、学習効果を上げよう。
2点めは、文型を把握しながら読むことだ。
文型は、教科書ではさらりとしか触れられていない。しかし、英語を習得するためには、重要な技術であり、できるとできないでは大きな差が生まれている。
主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C)に、1文1文を分析できるかどうか、確かめながら読解していこう。はじめのうちは、時間がかかるが、着実に効果がある。
3点めは、繰り返し読むことだ。
長文読解の学習方法として、次から次に、新しい長文に挑戦していく生徒がいるが、おすすめできない。むしろ、一度読んだ長文を、日を開けて、再読することをおすすめする。
リスニングは聴くだけではない
リスニングの文章が長くなると、ただ言葉を聴き分けることに加えて、独自の技術が求められるようになる。要点だけを集中して聴き取る技術や、聴き取りながらメモを速記する技術を、訓練して身につけておこう。
例えば、明大明治の【大問10】においては、リスニングが読み上げられる前に、あらかじめ設問文に目を通しておきたい。そうすると、ビンゴゲームの仕組みが問われていることがわかるので、これから読み上げられる英文の、どの要点に集中すればよいかが、判断できる。ビンゴの仕組みに触れたときに、すばやくメモを取ろう。
リスニングの得点の低い生徒は、ただ漫然と英文を聴いていることが多い。そのような学習姿勢は、改めたい。リスニングは積極的に訓練していけば、得点があがりやすい単元だ。受験の直前期に、短期間で英語の得点を向上したい場合は、短期講座の作成もできるので、声をかけて欲しい。
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2018年度「明治大学付属明治高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は60分で、得点は120点満点と、珍しい形式の試験だ。
大問数は10問で、うち長文が4問、リスニングが4問となる。
リスニングの時間が長く、長文にかけられる時間も不足している。解答用紙がすべて埋まらない場合もあるだろう。処理速度の速い受験者が、有利となる試験構成だ。
【大問1】長文読解(物語文 約300語)・適語補充
- 時間配分:5分
東京に滞在した外国人の視点で、日本社会での携帯電話の作法について、検討した随筆だ。
特に難しい言い回しはなく、素直な文章だろう。
文章を読解しながら、文中に適切な語を補充する。
語彙力だけでは正答できず、文章の流れを理解していないと、単語が思いつかないようになっている。
また、「a lot to learn」のような熟語からの出題もあるので、熟語もていねいに暗記しておきたい。
【大問2】適語補充
- 時間配分:5分
文の誤りを発見し、訂正する。
文法のしっかりとした基礎が問われており、全問正答できなかった受験者は、文法書をやり直そう。
【大問3】整序作文
- 時間配分:6分
文章を読解しながら、与えられた単語の順番を整理する。
【大問2】と同じく、文法の基礎が徹底できていないと、得点できない。
【大問4】 長文読解(会話文 約200語)・適文補充
- 時間配分:7分
男女の映画のデートへの打ち合わせが題材となっている。
会話文では、英語の口語(話し言葉)における表現に注意しよう。
【大問5】長文読解(論説文 約400語)・適文補充
- 時間配分:12分
商品を販売するために、企業はさまざまな方法で、消費者の注意を奪おうとする。その結果、珍しく、驚くべき出来事が、世界に溢れるようになることが、題材となっている。
経済のしくみをある程度は理解しておくと、読みやすくなる。
求められているのは、文章の理解と適文補充だけなので、答案全体の時間配分を考えれば、速読できる受験者が有利となる。明大明治の出題傾向が良く表れている。
【大問6】長文読解(物語文 約500語)・適文補充
- 時間配分:15分
米国の国立公園に置かれていた不思議な電話が、題材となっている。
【大問5】と同じく、速読で対応できるようになっておきたい。例年、この最後の長文まで、きちんと終わらない受験者が多い。
【大問7】から【大問10】リスニング
- 時間配分:20分
リスニングの総時間は20分弱と予想される。あらかじめ問題用紙に目を通しておき、どのような文章が読み上げられるのか、見当をつけておきたい。
攻略ポイント
受験者の合否を分けるのは、速読力とリスニング力になる。
得点源は、文法・読解・リスニングの3分野になるが、そのうち、文法分野は、難易度が簡単なので、受験者同士にあまり点差がつかないだろう。対して、読解分野は、受験者の文章を読む速度によって、かなりの点差が開くはずだ。同じように、リスニング分野も、得意・不得意で、点差が開くようになっている。
対策は立てやすいが、読解力もリスニング力も、ゆっくりとしか向上しないので、ある程度の長さの訓練期間は必要となる。