明治大学付属明治高等学校 入試対策
2023年度「明治大学付属明治高等学校の英語」
攻略のための学習方法
合格のための学習対策として、文法事項、読解力、リスニングの各対策について、以下のような点について学習を進めてもらいたい。
①文法事項
文法問題としては、どれも基本的で標準的な問題である。合格点を取るために、必要な文法事項としては、5文型、関係代名詞、比較、不定詞、仮定法(ifの使い方)、時制、分詞の形容詞的用法などである。
単に文法知識を暗記するだけではなく、特定の文法事項が読み手・聞き手に何を伝えたいのかということをしっかり考えながら理解を深めることが重要である。
また、知識は習得しても、実際の入試問題に正答を導き出せなければ、「志望校合格」という観点では意味がなくなってしまう。そのような状況を回避するためにも、夏までに上記の文法事項を完璧に理解・習得し、夏から本格的に実戦問題に取り組むことが重要であり、そのような学習を繰り返すことにより、文法事項はより確実に明確に記憶されることになる。
文法問題として見逃せないのが、動詞の活用(どのような前置詞が続くか、to不定詞と~ingのどちらを取るのか)、イディオムの知識などである。イディオムは、イディオム集を活用しながら一つ一つを確実に覚えておきたい。
②読解力
確実に得点するためには、長文読解総合問題の得点率を上げることである。では、どのようにしたら得点率は向上するのか。一言でいうならば、正確な速読力を習得することである。受験生の多くが「時間が足りなくて最後まで問題を解けなった」と語っているのを多く耳にする。なぜ時間が足りないのかといえば、英文を速読する力が不足しているからである。英文の速読力向上のためには、英単語、イディオム、①で述べた基本的文法事項の知識が必要であり、それらの知識を適宜フル稼働させなければならない。
そして、英文を読む際に時間がかかる最大の原因は「返り読み」をしていることが考えられる。「返り読み」とは、一つの英文を最後まで読んだうえで、関係代名詞がどこからどこまでを先行詞に修飾させるかという具合に、文章構造を前に戻って考えるという読み方である。この読み方は、英文を本格的に読み始めた受験生が書かれている英文を正確に把握できるようになる力をつける段階では極めて有効であるが、あるレベルに達した後は英文を速読し、英文を左から右に流れるように(決して前に戻らない)読まなければならないことを考えると、合格のための効率的学習方法とはいえないであろう。
日本語と英語の言語的構造の違いに留意しながら英文を「私、行った、お店に、本を買うために」という具合に、英文を右から左に戻らず読む癖をつけることで入試問題の解答時間短縮が可能になるのである。
③リスニング
リスニングのウエイトが高いのが明大明治高校の特徴である。事前の対策は必須である。市販されているリスニング用の教材を使用し、しっかり自分の耳を慣らしておかなければならない。レベル的には、英検準2級のリスニングは満点を取る程度の力は必要である。できれば毎日、就寝前などの時間を使い20分程度のリスニング練習を行うことが必要である。
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2023年度「明治大学付属明治高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、長文読解(語形変化問題)<5分>。
英文中での文法知識(前置詞の後の名詞化(動名詞)、to不定詞など)に留意すること。
大問2は、誤文訂正<5分>。
基本的な文法事項を正確に覚えていれば完答も可である。
大問3は、長文読解(整序問題)<5分>。
基本的な文法知識や構文の知識をもとに解答する。
大問4は、長文読解(適語選択問題)<4分>。
選択肢の語に関する正確な意味・ニュアンスをしっかり把握しておくこと。
大問5は、対話文完成<5分>。
重要な口語表現はしっかりと覚えておきたい。
大問6は、長文読解(説明文)<7分>。
文脈をしっかり把握し適切な選択肢英文を選ぶ。内容正誤問題も出題されている。
大問7は、説明文の長文読解(総合問題)<9分>。
比較的読み易い英文であり、総合読解問題である。
大問8~10は、リスニング問題<20分>。
事前にしっかり準備をしておくこと。
【大問1】長文読解問題(語形変化)
- 時間配分:5分
適語を選択しかつ語形を変化させる問題である。
1 内容的に「ドアの前に立っている」としたい。
2 nowと he’s と直前にあるので進行形にしたい。
3 「鳥になった気分」としたい。前置詞ofの後ろには名詞がくるので動名詞(~ing)にする。
4 前置詞byの後ろは名詞であるので動名詞にする。
5 tell + 人+ 物 の語法を思い出すこと。
6 ものごとが上手くいかない、と意味のgo wrong で表現する。
7 文脈から、地上に落下する、という文になる。
8 makeは第五文型の形を思い出す。S+V+O+Cである。
【大問2】誤文訂正問題
- 時間配分:5分
基本的な文法事項を問う問題。完答を目指して欲しい。
(1) 主語はLeafletsであるので、④give outはbe given out(受け身)になる。
(2) 関係代名詞の非制限用法(継続用法)であるので、③thatはwhichになる。
(3) 主語はsome peopleであるので、③embarrassingはembarrassedになる。
(4) 動名詞の否定形はnotを直前に置くので、①not forはfor notになる。
themは関係代名詞whoの先行詞であるがこれでは意味が通じない。②themはthoseになる。
【大問3】説明文の長文読解問題(整序問題)
- 時間配分:5分
① 「喜びすぎないように見られないように努めた」とする。and tried not to look too pleased with myselfとなる。
② 「あなたはふさわしいと思ったので、仕事を与えたのだ」とする。the job because you seemed to be the right person for itとなる。
③ 「私は困ったこともあった」とする。there have been times when I’ve been in trouble となる。
④ 「(警察は)それが博物館で盗まれた初めての品物であることも知っている」とする。know it’s the first thing to be stolen from the museumとなる。
⑤ 「私は怒りで顔が熱くなるのを感じた」とする。I could feel my face getting hot with angerとなる。
【大問4】説明文の長文読解問題(適語選択問題)
- 時間配分:4分
【大問4】説明文の長文読解問題(適語選択問題)
(ア) 少子化の原因を女性の晩婚と認識しているので、「遅い」が適切である。
(イ) the+比較級~、the+比較級… は「~すれば…するほど」である。雇用の「機会」が増えるのである。
(ウ) be less likely to ~は「~する可能性が低い、~しがちではない」の意味を押さえておくこと。
(エ) the+比較級~、the+比較級… は「~すれば…するほど」が使われている。長生きすればするほどcareが「必要」となる。
(オ) findは形式目的語をitでとる。
【大問5】対話文完成問題
- 時間配分:5分
(ア) 文脈的に判断すると「昨日までスペイン語を習う費用」が「半額だった」とする。
(イ) アルドは、寝ている間に言語が習得できる、と信じている。ソフィアはそれは「希望的観測」としている。
(ウ) イタリア語を話す人にとってスペイン語は学びやすい、という意見に対してソフィアは「議論の余地がある」と言っている。つまり、「誰もがそのように思っているわけではない」のである。Not everyoneは「部分否定」である。
(エ) 直後に、I’ll teach you Spanish myself! がポイントである。空欄には「何かを提案する」趣旨の選択肢が入る。
(オ) ソフィアの提案に対するアルドの答えの会話である。「本当に?」「本気で言ってるのか?」という趣旨の選択肢であるYou really mean it ?が適切である。
(カ) レッスン代について「(レッスン代を払う代わりに)夕食を作る」ことをソフィアが提案している場面である。アルドは了解している。
【大問6】説明文の長文読解問題
- 時間配分:7分
(1)適語選択問題<4分>。
[ア] 空欄後が具体例になっている。
[イ] a throwaway society になってしまった理由を考える。
[ウ] 人間が物品を簡単にthrowawayするかについて、disposable itemsの存在を指摘している。
[エ] the problemに対するもう一つの要因は、our appetiteである。
[オ] this throwaway lifestyle の結果、何が生まれたかを考える。
[カ] 本文の最終段落である。もう一つのanother solution が述べあれる。
(2)内容真偽問題<3分>。
1 a throwaway society になってしまった理由は、many reasons であるが、その中にour own mental attitude があるのである。
【大問7】説明文の長文読解問題(総合問題)
- 時間配分:9分
(1) 適文選択問題<3分>。
[A]空欄の後は具体的事例を述べているので、For instanceが最適である。
[B] 「私たちは、組合の委員長に激怒した」のである。「私たちは、仕事を続けたかった」のであるが、「結局のところ」、「委員長は腹を立てたことをすまなく思うと東京に手紙」を書いたのである。
[C]空欄の前後で、新しい機械をoperateする利点が述べられている。
[D]空欄の次の英文は、Finally で始まるので本問はAt firstが適切である。
[E]空欄の後で再度話は日本のことに戻ってくるので、Anyway「いずれにしても、ところで」が適切である。
(2) 内容把握選択問題<1分>。
aは、後ろがBob Roberts has to sayであるので、カッコ内には「~するもの」という関係代名詞whatを入れる。
bは、接続詞thatが入る。この場合のthatは「~ということ」を表す接続詞である。
(3) 指示語問題<1分>。
theyは代名詞(複数形)であるので、さかのぼって複数形の名刺を探すとmany changesがある。
(4) 語句解釈問題<1分>。
このdoは一般動詞「~をする」である。本文に即すとdo something about itである。
(5) 英問英答問題<3分>。
各英問の内容は以下の通り。
① 「日本の企業が工場に新しい機械を導入すると、増産されるタイヤの本数は何本になりますか」という内容である。
② 「アメリカの従業者が日本人の幹部を気に入っていたのはどんなところか」という内容である。
③ 「日本人は、仕事が終わるとアメリカ人の従業員とあまり会わなかったのはなぜか」という内容である
【大問8】~【大問10】はリスニング問題。
- 時間配分:20分
事前にしっかり準備をしておくこと。
攻略のポイント
全体的に英文内容などは決して難解ではない。文法事項についても基本的な問題であり、標準的な問題集には必ず掲載されている問題ばかりである。長文に関しても難解な内容ではなく、設問も基本的な内容である。ただし、試験時間との関係でいかに速く正確に文章を読むかがポイントであろう。また、全体に占める比率が高いのがヒアリングである。他校に比較しても、内容的にもヒアリングを重要視している状況は明らかであるので、事前に対策をしっかりとっておくべきである。長文の設問が多いので、長文に関しても標準以上の500単語前後の英文を毎日1題はこなすようにしたい。試験時間との関係で見直しをするだけの時間的余裕はないものと考えて試験に臨んで欲しい。