明治大学付属明治高等学校 入試対策
2015年度「明治大学付属明治高等学校の国語」
攻略のための学習方法
明大明治の国語については、志望者が意識したいのは3点だ。
1点目は、受験の早い段階で、漢字と文法を仕上げることだ。明大明治を受験すると決めたなら、計画性を持って漢字と文法は完成させていこう。
漢字については、漢字検定2級までの問題集が、すらすらと解けることを目標にしよう。文法については、まとまった文法書を一冊仕上げるようにしよう。どちらも勢いで学習しようとすると、無味乾燥で厭になってしまうので、一日や一週間の割り当てを定めて、こつこつと覚えていこう。知識を定着させるためには、長い時間をかけてじっくりと覚えていく方が有利だ。受験の直前に焦って詰めこんでも、うろ覚えになってしまうだろう。
2点目は、メモを書きこみながら長文を読めるようになることだ。
【大問1】に並んだ設問を見ると、一見、難しい記述が要求されているように感じ、志望者は恐れてしまうかしれない。しかし、明大明治の国語は、受験生に、自分の言葉で文章を書くことを、求めてはいない。独創的な意見や、気の利いた言いまわしを、事前に頭の中に準備しておく必要はない。受験生は、文章の中から言葉を拾い集めてきて、それらを整理して、日本語の文章を完成させればよい。いわばジグソーパズルのようなもので、必要なピースは必ず問題文の中に埋まっている。そこで、解答に必要な言葉を集めるために、メモを書きこむ技術を身につけたい。例えば「ウィルダネス」は、問題文において、「本来的自然」や「恒常的に住んでいない土地」や「集団性と相反する場所」と、さまざまに言葉を変えて、説明されている。本文を読み進めながら、繰りかえし現れる、言葉や言いまわしをメモすることで、解答が素早く作成できるようになるはずだ。なぜなら設問の大半は、傍線部を、具体的に「言い換え」するか、同じ意味を「抜き出し」するかのどちらかだからだ。どこにどういった文が置かれているのか、すぐに見返せるようになれば、文字数に合った部分を探すことにも役に立つだろう。
3点目は、時間配分だ。
【大問2】と【大問3】で時間配分を迷うことはあまりないだろうが、【大問1】は何度か文章全体を見返さなければいけない。ここで、ひとつの設問に拘りすぎると、泥沼にはまってしまう危険がある。もし探しているものが本文に見つからなかったら、いったん飛ばして、次の設問に行くという判断力が欲しい。過去問を解いていくうちに、自分なりの時間感覚を養っておこう。
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2015年度「明治大学付属明治高等学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は50分で、得点は100点満点だ。
大問が3つあり、【大問1】が文章読解であり、残りの大問は知識を問うものとなっている。【大問2】から【大問3】を先に仕上げたのちに、【大問1】へとじっくりと取りかかろう。答案作成の方針が立てやすい試験構成といえる。
[大問1]
- 時間配分:35分
長文読解で、「人間と環境との関係」を題材にした説明文だ。現代の都市環境の教養があると理解しやすくなる。長文はここだけなので、文字数はかなり多めとなっている。
(設問1)記述の設問だ。
筆者が提唱している「自然」は、単に植物がたくさん茂っている場所という素朴なものだけではない。筆者がより広い意味で「自然」という言葉を用いていることを読み取ろう。
(設問2)抜き出しの設問だ。
文章で目新しい言葉が提唱されている場合は、作者の定義が必ず近くにあるので、探してみよう。
(設問3)記述の設問だ。
設問文には「説明しなさい」としか指示がない。このような場合の記述は、与えられた解答用紙の余白を確認しよう。
例えば(設問1)と(設問3)と(設問8)の間では、記述に求められている解答欄の大きさが異なる。解答欄の大きさを参考にして、どこまで記述を詳しくすればよいのかを判断するとよいだろう。
また、問題文を読みながら、記述の材料になりそうな箇所をメモする技術も、受験者は身につけておきたい。
(設問10)内容読解の設問だ。
問題文にはいたるところに対比されている概念がある。文章を読みながら、文同士の関係を意識して読み取っていこう。
[大問2]
- 時間配分:6分
(設問1)文学史の設問で、戦後から現代の作家について、理解しておきたい。
(設問2)から(設問5)文学史の設問で、古代から中世までの、文学史を理解しておきたい。
(設問6)文法の設問で、品詞名を問う設問だ。やや細かな点まで問われている。
(設問7)文法の設問で、敬語の知識が問われている。
[大問3]
- 時間配分:5分
語彙の設問で、漢字の知識が問われている。
日常では用いない難易度の高い漢字までも出題されている。漢字は「読める」だけではなく、「書ける」必要があるので、しっかりと準備しておこう。
漢字検定の準2級から2級あたりが、学習の目安となる。
攻略ポイント
「語彙」「読解」「記述」には均等に得点が配分されている。
しかし、難易度を見ると、「語彙」は標準的であり、基礎的な学習でも対応できるのに対して、「読解」と「記述」は難易度が高く、独自の対策が求められている。
受験期間の早い段階で「語彙」の学習を終え、そこからどれくらい「読解」と「記述」を対策できるかで、受験者の得点に開きが出る。したがって、国語ができる受験者は差がつけられる試験構成といえる。
国語が苦手な受験者は、「語彙」だけでも満点にしておきたい。