明治大学付属中野高等学校 入試対策
2019年度「明治大学付属中野高等学校の数学」
攻略のための学習方法
極めて標準的な問題ばかりである。一問だけ途中の式や考え方を書かせる問題があるが、設問そのものは基本問題であるので、手際よく考え方を記述すれば完答できる問題である。以下に、合格答案作成のための学習ポイントを以下に記載する。
- ①関数(放物線と直線)について
高校入試における必須分野の一つが関数である。特に、2次関数である放物線と1次関数である直線との融合問題は、必ず出題されると考えて十分な演習を行うこと。具体的には、放物線と直線の交点の座標の求め方、指定された図形の求積(この場合は等積変形の考え方を用いる)などの問題は要注意である。そして、その際には相似や合同の考え方、平行線と案分比率、平面図形の定理等(中点連結定理・角の2等分線に関する定理など)をしっかり使いこなせるようにしておかなければならない。
- ②平面図形
平面図形の問題は、三平方の定理、角の2等分線に関する特殊定理、中点連結定理などは必須知識である。さらに、相似、合同などに関する考え方や視点がとても重要である。これは上記の関数における求積問題に共通する解答アプローチの手法である。また、補助線を的確に引けるかどうかがポイントとなる。この補助線を引くという作業ができないと、問題の突破口は見出せない。必要なのは、柔軟な発想とイマジネーションである。与えられた図形の中から解法にとって重要な図形を見出すことができるか否かである。与えられた図形に中には実に沢山の図形が描かれているのである。その中から、解答に必要な図形を迅速かつ確実に抽出することができる能力が求められるのである。
- ③空間図形
空間図形(3次元)も、入試数学においては頻出である。この3次元の図形をいかにして自分が一番解きやすい次元に落とし込むことができるかが合否を分けるのである。つまり、3次元⇒2次元への変換の手際の良さが求められるのである。つまり、3次元の空間図形を平面に置き換えるということである。それは、与えられた空間図形に関して、3方向(正面、真上、真横)から見た像を頭の中で一つの立体として組み立てることができるイメージ力が求められるのである。そのトレーニングは日々怠りなく行う必要がある。
- ④記述式答案作成上の注意点
大問1題が記述問題である。記述式問題はどの程度の内容にするかが重要である。基本的には、まずは解法に際して一番初めの式を書く。その後は、思考の経過が判明するための必要最小限度の記述内容にすること。つまり、いかにして答案の内容を端的に採点者に伝え切るかということである。そのためにも、試験本番だけではなく事前の準備として、より効率的で分かり易い記述答案作りを自身が研究しなければならない。避けたいことは、何でも詳細に答案を書こうとして、細かな点まで書いてしまうことである。採点者側の視点は、受験生が問題を解く上でどのような考え方に基づき、式を立てたかなのである。答えだけがあっていればよい、という発想から脱却し、他人(採点者)を説得できるだけの過不足のない効率的な答案作成を目指して欲しい。
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2019年度「明治大学付属中野高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、小問集合問題<4分>。式の計算、平方根の計算、因数分解、2次方程式の応用からの出題。標準問題である。
大問2は、小問集合問題<11分>。連立方程式の応用、式の値、確率、連立方程式の応用問題。
大問3は、関数(放物線と直線)に関する問題<8分>。内容的には、平面図形における等積変形の原理を用いた標準問題。ただし、途中式や考え方を書かなければならない。
大問4は、平面図形の問題<5分>。三平方の定理等を用いた典型的な問題である。
大問5は、平面図形の問題<10分>。円と相似に関する問題。
大問6は、空間図形の問題<12分>。直方体に関する応用問題である。
【大問1】小問集合問題
- 時間配分:4分
すべて標準問題。完答を目指したい。
- (1)式の計算問題<1分>。分数式を通分し分子の多項式を整理する。
- (2)平方根に関する問題<1分>。基本問題である。
- (3)因数分解に関する問題<1分>。x2+6x=Aと置き換え、Aについて因数分解する。
- (4)2次方程式に関する問題<1分>。標準問題である。
【大問2】小問集合問題
- 時間配分:11分
標準問題ばかりである。完答できる問題である。
- (1)連立方程式の応用問題<2分>。どんな問題集にある問題。完答は必須。
- (2)式の値に関する問題<2分>。無理数の小数部分に関する問題。標準問題である。
- (3)カードを使用した確率の問題<3分>。1、2、3のカードが2枚ずつあるときのある条件に合った確率を求める問題。この問題も標準問題である。
- (4)連立方程式の応用問題<4分>。中学生の人数をx、高校生の人数をyとして連立方程式を立てる。
【大問3】 関数(放物線と直線に関する問題)
- 時間配分:8分
- (1)平面座標上における点の座標を求める問題<3分>。△ABC=△AOBとなる点Cを求める問題である。等積変形の考え方をあてはめる。基本問題である。
- (2)平面座標における面積比に関する問題<5分>。平面座標に等積変形の考え方をあてはめ、さらに2次関数(放物線)の特性に注目して解答する。
【大問4】 平面図形に関する問題
- 時間配分:5分
- (1)円の半径を求める問題<2分>。△ABCに内接する円の半径を求める問題。三平方の定理などを活用し解答する。基本問題である。
- (2)円の半径を求める問題<3分>。△ABCの2辺に内接する2つの円の半径を求める問題である。辺に接する円の特性を考えて問題を解くこと。
【大問5】平面図形に関する問題
- 時間配分:10分
円に関して相似の原理を適用した問題である。
- (1)円に内接する四角形の求積問題<5分>。辺BDは条件より円Oの直径になることを手掛かりに問題を解くこと。
- (2)辺の長さの比を求める問題<5分>。AE:EF:FCの辺の長さの比を求める問題である。△BECは直角三角形であることから三平方の定理をあてはめる。標準問題である。
【大問6】空間図形に関する問題
- 時間配分:12分
直方体に関する求積問題と辺の長さを求める問題である。
- (1)三角形の面積を求める問題<5分>。空間図形の中で、特別な直角三角形(△MEJ)において三平方の定理をあてはめて解答する。
(2)線分CPの長さを求める問題<7分>。三平方の定理を応用して問題を考えること。
攻略のポイント
全問基本問題から標準(応用)問題である。難問は出題されていない。基本問題と標準(応用)問題の出題比率は、6:4である。とにかく、基本問題から標準問題の演習を徹底し繰り返し行うことである。試験問題が難問は出題されていないので、合格者の最低得点率は高くなる。おそらく7割は得点しなければならないであろう。したがって、少しのミスも許されない。正確で迅速な計算力の向上も念頭に置きながら日々の学習に励んでもらいたい。