明治大中野八王子高等学校 入試対策
2018年度「明治大中野八王子高等学校の国語」
攻略のための学習方法
解法
「明中八王子の国語」で勝利するための基本は、「解法」をいかにうまく使うかということだ。「解き方」が安定しなければ、「得点力」はアップしない。
「論説文」(説明文)と「小説」「随筆」、それぞれに応じた独自の「解法」。そして、全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。
そこで肝要なのは、「復習」の仕方だ。「答え合わせ」をして「解説」を読み納得した。問題はその後だ。
「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須。万一、「トレース」できないとすれば、そのこと自体が問題になる。
「解法」が定まっていない証だからだ。
そして、「間違った問題」こそ宝の山だと認識すること。「解き方のプロセス」のどこで誤ってしまったのか? その「分岐点」をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことこそが、同じ間違いを繰り返さない秘訣になる。
さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけたい。それが「解法」となる。
そうして理解、習得したものを書き留めた自分自身の「解法ノート」を作成しておきたい。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。
知識
前述のとおり、あらゆる分野からの「直接出題」があり、「本文読解」等でも必然的に問われることになる明中八王子の「総合的知識問題」。いかなる「攻略法」があるのか?
「国語的知識」は幼少期からの蓄積、故に「15の春」を前にした今ではもはや手遅れ。確かに、そうした側面はある。だが、そこで思考停止してしまっては「ジ・エンド」。今からでもできることは、ある。
先ずは、「己が実力」を悟ること(「己が」=「おのが」が読めなければ既にヤバイと自覚せよ)。過去問を解いてみて(少なくとも5年分以上)、「5割未満の正答率」だったら「中学入試レベル」からの再スタートだ(分かっていると思うが、「中学入試」を馬鹿にしてはいけない。上位校では「高校入試」どころか「大学入試」のレベルに達する)。
「5割超の正答率」でも無論、不断の努力は欠かせない。要は、地道な努力、日々の積み重ねあるのみだ。
さらに、「口語文法」も侮ってはいけない。直接出題されているし、「記述」にも不可欠だ。
日本語として「文法」的に「正しい文」でなければ「減点」されるし、そもそも内容が正確に伝わらない。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の「意味・用法」は確実に定着させておくことが重要だ。
なお、「知識」強化用のテキストとしては、「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字・文法630」(「文法」含む)や「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字」(共に旺文社)などが推薦できる。
また、残念ながら「中学入試レベル」から再スタートの場合は、「四谷大塚」の「四科のまとめ『国語』」(HPから購入可能)等がオススメ。
速読
大学入試にも匹敵するボリュームの問題文を読まなくてはならない。
本年度は何と9700字。解答時間は50分。当然、「速読」が求められる。
しかし、設問を解くために読むのだから一般的な「速読術」を使うわけにはいかない。やはり、文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。
「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているので確実に読み、「本論」は「段落相互関係」に着目しながら「各形式段落」の「最初」と「最後」を中心に読み進める。
「小説」「随筆」は、「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックし、「心情表現」を拾って素早く読んでいく。
その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。明中八王子に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。そして、最終的には分速700字以上(できれば750字近く)で「速読」できるようにしたい。
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2018年度「明治大中野八王子高等学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問一は「小説」、出典は村上春樹「騎士団長殺し」(文字数約4300字)。
小問は全8問(解答数13)。「抜き出し」(全3問。「空所補充」あり)、「選択肢」(「表現特色」あり)、「語句記述」(「漢字の読み書き」5問)。問題文は5分半ほどで読み切り、設問を16~17分で解きたい。
大問二は「論説文」、出典は齋藤孝「新しい学力」(文字数約4400字)。
小問は全15問(解答数20)。「抜き出し」(全12問。「空所補充」「表現技法」あり)、「選択肢」、「語句記述」(「漢字の書きとり」5問)。問題文は6分弱で読み切り、設問を20数分で解きたい。
【大問一】小説
- 時間配分:
妻に離婚を迫られた36歳の肖像画家の「私」が、高名な日本画家の自宅兼アトリエに、留守番をかねて住み込むことになり、その屋根裏部屋から封印された「騎士団長殺し」というタイトルの絵が発見され、不思議なパワーを秘めたその絵に埋め込まれた物語の謎解きに挑んでいく――「再生」をテーマとした壮大な長編小説。本文では、「私」の絵画教室に通う13歳の「秋川まりえ」をモデルとして肖像画を描く様子や、「まりえ」の母親の「笙子(しょうこ)」とのやりとりが描かれている。
文章は決して難解ではないが、作者特有のメタファー(暗喩)や微細にわたる描写にやや戸惑うかも知れない。「空所補充」などの「抜き出し設問」や、やや判別の難しい「選択肢設問」が並んでいる。
以下、いくつか考えてみよう。
[問一] 「内容説明抜き出し」(「一文」の最初の「5字」指定)。
傍線部①の「秋川笙子」と「私」が「初対面ではないことが分かる一文」の「最初の五字」を抜き出して答える。
「抜き出し」では、「抜き出すべき内容」を特定した上で「抜き出し範囲」を絞っていくことが鉄則。先ずは「内容」だが、「初対面ではないことが分かる」ということは「初対面の場面ではあり得ない描写」となる。「範囲」は「同一場面の直後直後」が第一候補だ(「小説」では「同一場面」の「直前直後」に「手がかり・ヒント」がある。ただし、本文は全てが「同一場面」なので注意すること)。
探していくと、傍線部の次段落冒頭に「簡単な挨拶が終わると、秋川笙子はソファに腰を下ろし、例のごとくバッグから厚い文庫本を取りだし、それに意識を集中した。」という「一文」がある。「例のごとく」という描写は無論、「初対面」ではあり得ないはずだ。したがって、「答え」は「簡単な挨拶」になる。
尚、本文冒頭に「十時少し前に、いつものようにブルーのトヨタ・プリウスが物静かに坂道を上ってきた。」とある。そして、「ドアが開き、……、秋川笙子が降りてきた」と続いている。「いつものように」とあるので、「十時少し前」も「答え」として認められる。
本校合格の鍵となる「抜き出し設問」、「内容」→「範囲」→「確認」と順序立てて解いていくことが肝要だ。
<時間配分目安:1分>
[問二] 「内容説明の空所補充抜き出し」(「7字」指定)。
傍線部③「ぼくが君を正しく描く」について、これを説明した「まりえを として把握して描くこと」の空所に「あてはまる言葉」を「七字」で抜き出して答える。
傍線部は、「私」(ぼく)が「まりえ」(君)の肖像画を描き始める前の2人のやりとりの一部だ。したがって、「抜き出し内容」は無論、「ぼく」が「まりえ」を「どのようなものとして」「把握して描く」のかということだ。「抜き出し範囲」は「同一場面」。探していく。
一連のやりとりが終わった直後、最初の「地の文」の段落に「私は彼女(まりえ)を正しく理解しなくてはならない。……ひとつの造形として、光と影の複合体として彼女を把握しなくてはならなかった」という部分がある。ここだ。「ひとつの造形」と「光と影の複合体」という2つの候補があるが、「指定字数」を考慮すれば、「答え」は「光と影の複合体」だと分かるはずだ。
「抜き出し設問」では候補はひとつとは限らない。「条件」に合致し、「内容」もベストなものをその中からチョイスすることが肝要。
<時間配分目安:1分半>
[問三] 「換言説明選択肢」(4択)。
傍線部④「あるいは文章や音楽や、そういうものを必要としている」について、「この説明」を答える。
「選択肢設問」は「消去法」が原則。
先ずは「原意消去」をしたい(「原意絶対優位の原則」=「設問」「傍線部」等の「原意」、要は「本来の意味」を最優先に考えること)。ここは「換言説明」なので、「必要としている」の「原意」として結びつかないものを「消去」していきたいのだが、各選択肢の「文末」(「選択肢」の説明で最も重要な要素は「文末」に記されている)は全て「必要だということ」となっている。これでは「消去」できない。
「文末」の直前はどうか? (ア)~(エ)は「~するために」と共通している。つまり、「目的」で判別せよというわけだ。「必要としている目的」は何か? 「同一場面」から読み解く。傍線部直前に「ぼくらはそのために絵を必要としている」とある。要は、「(絵)あるいは文章や音楽」は「そのために必要」なのだ。
「指示語」を開く(「指示語」が出たら即開くこと)。「そのため」=「君がぼくの目で見た君の姿を、君自身の目で見ることができるため」だと分かる。各選択肢を確認する。
(ア)「物事を深く理解するため」、
(イ)「自分をよりよく理解するため」、
(ウ)「自分自身について正確に理解するため」、
(エ)「物事の関係の意味を正しく理解するため」。
「君の姿を、君自身の目で見ること」なのだから、(イ)(ウ)以外は「消去」できるはず。2択になった。
さらに「文脈」をたどっていくと、「第三者的な要素が加わらないことには、自分自身について正確な理解はできない」「AとBという関係の意味を正しく知るには、Cという別の観点が必要……三点測定」とある。
したがって、「芸術作品のようなものを怖いと感じることが」となっている(ウ)ではなく、「芸術作品に触れることが三点測定の別の観点となって」とある(イ)が「答え」だと判別できる。
「解法」を用いての「段階的消去」、「選択肢設問」では十分に活用したい。
<時間配分目安:2分半>
[問四] 「内容説明の空所補充抜き出し」(「13字」指定)。
傍線部⑦「意志の力」について、これを説明した「 という強い気持ち」の空所に「あてはまる言葉」を「十三字」で抜き出して答える。
「手がかり」を「傍線部(空所部)一文一部の法則」(「傍線部(空所部)が一文の一部分だった場合、傍線部以外が重要」という「重要解法」)で探す。
直前直後は「彼女(まりえ)が意志の力を強くひとつにまとめ、それをじっと保持している」となっている。つまり、「まりえ」の「意志の力」であり、「じっと保持している」ことが分かる。
さらに、そのあとを確認すると「彼女は何かをしているのだ。おそらく私を助けるために」と続いている。ということは、「抜き出し内容」は「(まりえの)私を助けたい(という強い気持ち)」だ。「抜き出し範囲」は無論「同一場面」になる。「まりえの意志」なので、彼女の「セリフ」を中心に探していく。
すると、2人のやりとりが始まってすぐのあたりに「先生が絵を描くのを助けたいの」という「まりえ」の言葉がある。「内容」が合致する。「字数」もOKだ。よって、「答え」は「先生が絵を描くのを助けたい(という強い気持ち)」になる。
「文脈」を丁寧に読み解き、必ず見つかると信じ探していくこと。
<時間配分目安:2分半>
[問八] 「漢字の読み書き」(全5問/「読み」3問、「書きとり」2問)。
傍線部②「アワい」・⑨「コンカン」・⑩「ユウガ」の「カタカナを漢字」に改め、⑤「緩やかに」・⑥「滞り」の「漢字の読み」をそれぞれ答える。
この「漢字の読み書き」はとても平易だ。「答え」だけを確認しておく。
②=「淡(い)」・⑨=「根幹」・⑩=「優雅」、⑤「ゆる(やかに)」=・⑥「とどこお(り)」。
本校志望者であれば「全問正解」が必須だ。
<時間配分目安:全問で1分強>
【大問二】論説文
- 時間配分:
2020年に予定されている文部科学省学習指導要領の大改訂、そこで示されている「新しい学力観」とは何か? 「教科の再編」「アクティブ・ラーニング」「評価基準の変化」など──大きな変化の中で、本当に求められる「真の学力」とは何かを提言している。本文では、「新しい学力観では学ぶ意欲自体が評価され、幸福感のある人生を豊かに生きていく面と、経済活動において有益な人材となる面がともに目指されている」と論じている。
「教育論」という中学生にも身近な問題で、内容は理解しやすい。が、設問構成は通常の理解を超えている。なんと、小問15の内、11問が「抜き出し」だ。まさに、「抜き出しの明中」の真骨頂発揮だ。
以下、いくつか検討してみたい。
[問二] 「語句の空所補充選択肢」(全4問)。
本文中の空所(③)にあてはまる「言葉」を答える。各選択肢は全て「接続詞」。
「接続詞」では、「逆接」はともかく、それ以外には十分に注意する必要がある。「逆接」以外だと、どれもあてはまってしまう可能性があるのだ。単純に前後を読みつなぐだけではなく、それぞれの「接続詞」の「意味・用法」を的確に押さえた上で、「文脈」を確認する必要がある。また、「段落冒頭」の「接続詞」は前段落全ての内容を受けているので留意すること(本問がそうだ)。
空所に入る「言葉」を確認する。空所の前段落では「多くの仕事においては、学生時代に学んだ伝統的な学力が求められる」と述べており、空所の後には「『社会で求められる仕事力は、学校でやるような暗記ではなく問題解決型の能力だ』という意見は、必ずしも実態に即していない」と指摘している。要は、同じ内容だ。
よって、「答え」は「説明・補足」(換言)の「接続詞」である(ウ)の「つまり」だと判別できるはず。
「接続詞」「副詞」などの「空所補充」は本校に限らず定番中の定番、絶対に失点しないこと。
<時間配分目安:1分弱>
[問四] 「換言抜き出し」(全2問/各「6字」指定/複数完全解答)。
傍線部⑤の「二兎」とは「何と何のことか」を、それぞれ「六字」で抜き出して答える。
「傍線部(空所部)一文一部の法則」で確認すると、直後に「(二兎を)捕まえることが必要になる」とある。ここで当然、「二兎を追うものは一兎も得ず」という「ことわざ」を踏まえていると気づくはず。では、「二兎」とは? 直前に「ここでも」とあるので「指示語」を開くと、前文は「その上で、……問題解決能力が求められる」となっている。再びの「指示語」だ。「その上」=「伝統的な学力(の上)」だと読み取れる。ということは、「答え」は、「問題解決能力」と「伝統的な学力」だ。
本問は実は、「抜き出し設問」といっても「指示語問題」だったわけだ。こうした「設問の本質」を素早く見抜くことも肝要。尚、本問の「ことわざ」のように、直接的ではなくても「知識」が問われる場合があると心得よ。
<時間配分目安:全問で1分半>
[問九] 「条件付き理由説明抜き出し」(「15字」指定)。
傍線部⑪「効果的な型」について、「なぜ『効果的』といえるのか」を「十五字」で抜き出して答える。
「条件」は「解答用紙の言葉に続くようにする」こと。解答用紙は「 15字 だから」となっている。「抜き出し内容」は無論、「『型』が『効果的』な理由」だ。では、「型」を「どうすること」が「何」に対して「効果的」なのか? 「傍線部(空所部)一文一部の法則」で確認すると、直後から「型やメソッド(方法)」を「実践すること」が、「技量や学力を上げること」に対して「効果的」だと分かる。「抜き出し範囲」は「同一意味段落」となる(「論説文」では「同一意味段落」に「根拠・手がかり」がある)。
さらに、「型」について論じている形式段落に絞り込んでいきたい。「型の教育(学習)」について説明している段落は2つだ。探していく。最初の形式段落に、「型を反復練習することで、基本的動作が自動的にできる」ようになり、面白さも増えてくる」とあり、「達人たちの経験値が凝縮したものが型である」と続いている。ということは、「達人たちの経験値が凝縮したもの」である「型」を「反復練習する」ことで、「技量や学力を上げること」ができるわけだ。したがって、「達人たちの経験値が凝縮したもの(だから)」が「答え」になる。
当然ながら、「抜き出し範囲」を可能な限り絞り込むことが「正解」へのショートカットだ。
<時間配分目安:2分>
[問十三] 「表現の抜き出し」(「一文」の最初の「5字」指定)。
本文中から「直喩表現が用いられている一文」の「最初の五字」を抜き出して答える。
実質的には「総合的知識問題」だ。
そもそも「直喩表現」とは何かを知らなければ、「抜き出し内容」が分からないからだ。本校志望者は定着していて当然だが、一応おさらいしておく。
「比喩」には「直喩(明喩)」と「隠喩(暗喩)」がある。前者は「比喩であることを明示する表現」で、「まるで~ようだ」といった「比喩」であることが直接的に分かる表現だ。それに対して、後者は「比喩であることを明示せずにそのものの特徴を直接他のもので表現する方法」で、「氷の刃」「彼女は天使だ」などといった表現だ(「メタファー」ともいう)。
「抜き出し範囲」は残念ながら本文全てだ。探すのだ。傍線部⑩の2段落後に「教科書は冷凍食品のようなものである。」という「一文」がある。「(~の)ような(ものである)」、「比喩」の助動詞「ようだ」がはっきりと用いられている。他に候補はない。よって、「答え」は「教科書は冷」だ。
「抜き出しの明中」、根気強く探す他ない問題もある(ただし、こうした「抜き出し範囲」が特定できない設問は戦術的には後回しにすること)。無論、「比喩」のような「基本的知識」は定着が必須だということも忘れずに。
<時間配分目安:2分>
[問十五] 「漢字の書きとり」(全5問)。
傍線部②⑧⑫⑯⑰の「カタカナを漢字に改めて」それぞれ答える。
【大問一】の「漢字」と比べるとやや難解なものがある。チェックしよう。
②「タイケイ的な知識内容」=「体系」⇒「同音異義語」に注意、
⑧「(型の学習は)これからもケンジしていきたい」=「堅持」⇒これは手強い、
⑫「自らをリッしつつ」=「律(しつつ)」⇒定番なのだが、「文脈」を読み間違えないこと、
⑯「ユウエキな人材」=「有益」⇒これは問題ないはず、
⑰「人生の重要なキバンの一つ」=「基盤」⇒難解ではないが、案外抜け落ちいてるかも。
やはり、本校では「高度な語彙力」が求められているということだ。
<時間配分目安:全問で2分>
攻略のポイント
●本校では「総合的な国語力」が問われる。どのように「攻略」するか? 出題数の多い「抜き出し設問」だけに限らず、あらゆる設問に対処できなくてはいけない。「選択肢」「空所補充」「脱文挿入」「乱文整序」「記述」等の「形式」で、「換言説明」「理由説明」「指示語説明」「文脈」などの「内容」が問われることを覚悟して準備をすることが必要だ。いずれにしても、「設問内容」を的確に捉え、それぞれに応じた「解法」を適切に用いることが最優先となる。そのためには、基本的「解法」を完全に習得して、自分自身の「ツール」としておくことが重要だ。
●「総合的知識問題」も決して侮れない。直接的な出題は勿論、問題文の内容理解でも「高度な語彙力」などが問われる。本校を志望したその時点から、独自に「幅広い知識」を常に習得していくことが重要だ。学校や塾での学習だけでは全く不十分。「独習」は欠かせない。「合格ライン」は6割強(過去6年間の「3科目合計合格者最低得点率」は62.7%、本年度は昨年度同様に高く66.0%)。「知識問題」での「失点」は致命的となると肝に銘じる必要がある。
●出題数は決して多くはなく「指定字数」も短いが、「説明記述」の対策も欠かせない(本年度は出題なし)。正否の分岐となる「最重要要素」を「文末」として他の「必要要素」を積み上げていくという手法を完璧にマスターすること。「内容」から必要度を特定し、優先度の高いものから積み上げていく練習が必要だ。それによって、いかなる「字数」にも対応できるようにしておきたい。
●試験時間は50分。時間配分にも細心の注意をすること。問題文は9000字ほど(本年度は約8700字)。他の上位校と比較しても多い方なので、当然、速く正確に読み取ることが求められる。分速750字以上を目標に「読む練習」を常にすることが重要だ。