お茶の水女子大附属高等学校 入試対策
2024年度「お茶の水女子大附属高等学校の英語」
攻略のための学習方法
しっかりとした読解能力を高めて欲しい。沢山の英語長文を読んでほしいがジャンル的には、小説ではなく論説文や評論文である。単語数としては800字前後。全国上位校の英語の入試問題中、長文総合問題を必ず一日1題は演習して欲しい。論理的で少し抽象的な話の展開の方が入学試験問題の英文を読みこなすには最適である。
本番入試では、かなりの英文を読まされる。時間も50分と決して十分とは言えない。したがって、受験生に求められる能力は、読了のスピードである。早ければ良いという訳ではないが、じっくり考えながら読む(精読)とは趣が異なる。
では、受験生も一番知りたいことは、「どうすれば、英文を少しでも早く読めるようになるのか」ということであろう。
英文を早く読めるようになるためのポイントを一緒に考えてみよう。
第1に、単語・イディオム力を高めよう、ということである。英単語が分からなければ英文を読めないことは明白である。それでは、いかにしたら英単語力はつくのであろうか。一つの具体的方法を提案しよう。手元に市販されている英単語集がると思う。掲載単語数は2,500単語位だろうか。まず始めて欲しいのがその単語集にある英単語を「完璧に理解している単語」と「完璧に理解していない単語」に仕分けること。そして、後者の単語数を日割り計算(30日で攻略しようと思ったら30で割る)して、一日に覚える単語数を算出し覚えるのである。1週間に1日(日曜日が望ましい)、それまで6日間で覚えた英単語の定着度を確認する。その中で、忘れてしまった英単語数を6で割って翌週の日々の覚えなければならない単語に上乗せして覚えていくのである。その作業を繰り返してゆく中で、単語は確実に定着してゆく。イディオムの学習方法も全く同じである。知識が曖昧なイディオムを抽出し、それを徹底的に覚えるのである。
第2に、文法事項である。文法は読み手が誰であっても同じように書いてある内容を理解するための「約束事=ルール」である。したがって、これを知らなければ筆者が何を読み手に伝えようとしているのかが理解できなくなってくる。これは上述した「速読」に対する「精読」・「熟読」といえよう。具体的には、文型、不定詞、関係代名詞、比較、現在完了形、過去完了形、受動態。時制はしっかり押さえておきたい。
第3に、少しでも早く英文を読むことである。ではどうしたら早く英文を読むことができるのであろうか。結論から言えば『返り読み』はしない、ということである。関係代名詞を考えて欲しい。関係代名詞の前には先行詞がある。関係代名詞の支配範囲をカッコでくくりそれを後ろから先行詞へ修飾させる。これを後ろから前(先行詞)へ返ってくるので『返り読み』と称する。皆さんも分かるように、このような読み方を行うと時間が掛かることは理解できるだろう。限られた試験時間の中で、1分1秒でも惜しい状況を考えると『返り読み』を行うのは得策でないことは明確である。
では、どうすれば良いのか。次の英文を参考に考えてみる。I should do the work which makes the best use of my abilities.「私は、私の能力を最大限に利用してくれる仕事をするべきである」と訳すのは『返り読み』である。これを「私は仕事をするべきであり、その仕事とは私の能力を最大限に利用するのである」と読む。関係代名詞の前でいったん区切り、「そして~」と訳していけば本文読了時間は大幅に軽減されるはずである。
最後に、英作文についてもしっかりとした練習が必要である。自由作文を徹底的に練習して欲しい。実際の作文においては、難しい英単語・構文を使わなくともよい。試験は減点主義なので、単純なスペルミスがあればどんどん減点されていく。平易な英単語構わない。読み手にしっかり内容が伝わるような作文を心掛けよう。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2024年度「お茶の水女子大附属高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1・2はリスニング。<10分>
大問3は説明文の長文要約文問題である。<12分>
大問4は伝記の英語総合問題である。合格答案作成のためには、文脈を正確に把握しながら内容の的確な理解・把握が重要である。<8分>
大問5は、説明文の適文選択長文読解問題である。<7分>
大問6は物語文の長文読解問題(条件作文)である。基本的なイディオム・文法に知識が必要である。<8分>
大問7は英作文。与えられた日本文についてそれぞれ英語で述べる問題である。<5分>
【大問3】説明文の長文総合読解問題
- 時間配分:12分
(1) athletesがwinするためのmany thingsである。よって、「助けとなる」または「可能となる」が適切である。
(2) 直後にasがあり、直前に具体例がいくつか挙げられていることを手掛かりに考える。
(3) makeを用いた第五文型の形を思い出すこと。
(4) 「パフォーマンスを向上させる」としたいので、「向上させる」を「より良くする」としたい。
(5) 受動態の形にする。
(6) makeを用いた使役の形にする。
(7) 「数が減った」としたい。なお、the number of ~は「~の数」であり、a number of ~は「たくさんの~」となることに注意すること。
(8) 「ハイテク用具」には「良い点」もあるとしたい。
(9) new high-tech carbon tennis racketsはwooden racketsよりも「軽い」のである。
(10) enjoyは動名詞を目的語として取る代表的な動詞である。「~することを楽しむ」とする。
(11)受動態の文にする。内容的には、new high-tech equipment が「開発する」または「発明する」が適切である。
(12)high-tech equipmentを導入する場合には「配慮」または「注意」するべきである。
(13)high-tech equipmentによって、スポーツを「安全に」行うことが可能になる。ちなみに、本問のthe fact that ~は「~という事実」となり、that は同格となる。
【大問4】伝記の長文読解問題
- 時間配分:8分
(1) 内容把握問題<2分>。
本文の後のshe asked for advice from her brothers working as barbersとあり、この箇所から類推する。
(2) 内容把握問題<2分>。
直後に、These helped other African-American ~とあり、この部分に具体的な内容が書かれている。
(3) 内容把握問題<4分>。成功した理由は、直後の文章に書かれている。
【大問5】説明文の長文読解問題であり、適文選択問題
- 時間配分:7分
(1) many reasons とあるので、続く部分ではthe most important ~とつながる。
(2) 直後の英文を考えると、no nutritional value となる。
(3) 本文の流れとしては、ガンを引き起こすのみならず、「骨や歯の弱体化」をもたらすのである。
(4) 本文の文脈を考えると、soda is safe and even healthyなのである。
(5) many countries want to decrease soda salesなのであり、そのためにはwant to make sodas expensive なのである。
(6) overweight children の数がincreasing しているのである。
【大問6】条件作文問題(整序問題)
- 時間配分:8分
必要な単語を最低限加えて考えなければならないが、何語必要かは自分で考えなければならない。
(1) 直後にthe poor cracked potとあるので、the perfect potとしたい。Theを付加することを忘れないように。
(2) ヒビが入った鉢が婦人に話しかけたのである。「~に話しかける」はspeak to ~ である。
(3) For two yearsとあるので、現在完了形(継続)とbe able toを用いて表現する。
(4) 内容から仮定法過去(現在の事実と異なる内容を表す)を使う。
(5) 主語はNobodyになっているので適切な動詞は単数形であることよりisとなる。
(6) 文脈的には「ヒビの入った鉢の利点を生かした」という内容である。語群から「利点(いい点)を探す」としたい。
【大問7】自由英作問題
- 時間配分:5分
(1) 「今年、あなたは映画を何本見ましたか」という和文英訳である。「数」を聞いているので書き出しは、How many ~ となる。「何本見たか」は経験を表す現在完了形を使う。
(2) 「私はあなたに、あなたが映画館で見た映画のうちの1つを、紹介してほしいです」という和文英訳である。「…(人に)~してほしい」はwould like … to ~である。関係代名詞を用いて表現する。
攻略のポイント
合格のためには、短い試験時間の中での的確な読解力と速読力が求められる。1分間で英語100~110単語の読むスピード感が必要である。リスニングも「耳を慣らす」ことが大事である。市販のリスニング教材を購入し、毎日15分程度を利用して「耳」を訓練して欲しい。また、読解力向上のためには「沢山の英文を徹底的に読む」ことである。しかも、上記時間で英文を読む訓練を怠らずに行うことである。語学の上達に欠かせない要素は「1分1秒でも多く英語に触れる(目に触れる)」ということであり、入試本番まで、どれだけ多くの長文に取り組めたかが合否の分かれ目であろう。