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お茶の水女子大附属高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「お茶の水女子大附属高等学校の国語」
攻略のための学習方法

合否のポイントは論説文であろう。しかも、記述問題をいかに攻略するかが重要である。論理的文章を読み理解するためには、文章の読み方をしっかり習得しなければならない。漫然と設問文を読んでみても内容を理解できる訳ではない。
重要なことは、文章がどのような流れ(論理立て)で書かれているのかを把握することである。

その際に重要なことは「キーワード」は何か、「段落ごとの関係性」はどうなっているのか、を考えることである。これが本文をしっかり理解する上で不可欠な作業である。
「キーワード」とは繰り返し使われる「言葉」である。
重要であるから何度も使われるのであり、何度も使われるから「キーワード」となるのである。

これが「キーワード」だと感じたら、本文に印をつけることである。例えば、マルを付けるとか傍線を引くという行為が大切である。
そうすることによって、読まなければ把握できない文章の内容・流れが目で見えるようになる。つまり、文章が「視覚的」に理解できるようになるのである。
文章をそのように視覚的に把握できることができれば、本文の再読は必要なくなる。
これは大幅な解答する時間の短縮になるし、文章構造を視覚的に把握出るようになるのである。
この作業をしっかりできるためには、論説文専門の問題集の掲載されている問題文で十分な練習を行なって欲しい。
始めはなかなか慣れずに、解答時間の短縮のために練習していたのが時間ばかりかかって効果が見えてこないかもしれない。
しかし、この手順をしっかりマスターすれば、漫然と本文を読んで解答するよりもはるかに時間も短く正解に辿りつける。
したがって、慣れるまで多少の時間はかかるかもしれないが、忍耐強く練習を積んで欲しい。

次に「段落ごとの関係性」を把握する方法である。
先に述べた「キーワード」の視覚化と同様にこの「関係性」の把握は重要である。
重要なことは、「接続詞」の把握である。
段落の冒頭にある「接続詞」の掌握である。
接続詞には順接と逆説がある。その二つの接続詞を「キーワード」同様に印をつけるということである。
その際に、順接と逆説につける印を統一することが重要である。
例えば、「順接」はマル、「逆説」はサンカクという具合である。
そのような印をつけることによって、本文全体が一読することで視覚的に内容を把握できるようになるのである。
そのような印をつけた結果、マル、マル、サンカクという具合に印がつけられたら、サンカクの後からが作者の意見の流れが変わるという実態を目で確認できるのである。
是非、この手法を習得して欲しい。

小説問題も第一義的に、人物の「心情把握」である。そのためには、人物描写や情景描写を丁寧に読み込むことである。
人物の振る舞いについての記述や発言内容、そしてそのような発言に対するその他の人物の反応等に関する記述も要注意である。
古典文法についても漏れがないように、万遍なく一通りの知識を明確に習得すること。

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2014年度「お茶の水女子大附属高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1は論説文である。
文化人類学的内容でしっかり論理立てを追っていかないと的確に設問には答えられない。解答時間は20分。

大問2は小説。
作者と母親との会話を通じて、作者の女性観などをしっかり把握すること。解答時間は18分。

第3問は古文。
しっかりした文法知識を習得しておくこと。解答時間は12分。全体的には50分の解答時間で目一杯であり、見直す時間的余裕はないであろう。

[大問1]論説文

  • 時間配分:20分

大問1は、論説文で正高信男著『考えないヒント』。宮崎県幸島のニホンザルがサツマイモを海水につけて食べる行動から人間社会における個々人の関係性に言及した文化人類学的論説文である。

問一は接続詞選択問題である。前後の文や全体の文脈を考慮して選択する。
問二は漢字の読みと書き取り。基本的漢字ばかりなので完答したい。この両問で解答時間は2分。
問三は慣用句の問題。AもBも常識問題である。解答時間は1分。
問四は内容把握問題。「連帯」とは「共感を抱く」こと。解答時間は1分。
問五は指示語解釈問題。「変異」という言葉から「違い」を見つけ出す。解答時間は1分。
問六は内容把握問題。「何」が「サルのイモ洗い」との類似点であるかを考える。解答時間は2分。
問七は内容把握問題。「価値を付与」するとは「好悪の感情」である。解答時間は1分。
問八は内容把握問題。「観念的」とは「抽象的」である。解答時間は1分。
問九は内容把握問題。「萌芽的な側面」という意味が全体的な文脈の中でどのような位置付けかを考え、かつ人間文化の場合を考える。解答時間は2分。

[大問2]小説

  • 時間配分:18分

大問2は、小説で田辺聖子著『千すじの黒髪』である。本文のキーワードは9行目にある「負けじ魂」である。

問一は慣用句問題。正解はすぐに分かるだろう。解答時間は1分。
問二は語句の意味についての問題。迷うのは「恍惚境」だろうが「恍惚」とは何かを考えれば正解は選択できる。解答時間は1分。
問三は品詞の問題。本文は反語を表す「か」である。解答時間は1分。
問四は文章内容把握の問題である。つねにとっての「女性観」をしっかり読み取ること。解答時間は2分。
問五は指示語の問題。晶子は教師と比較して何が「上回っているか」を考える。解答時間は1分。
問六は文章内容把握問題。「人知れぬ獣」とは何かを考える。比喩である。晶子の「負けじ魂」と関連させて解答する。解答時間は1分。

【大問3】古文

  • 時間配分:12分

大問3は古文読解である。出典は『御曹司島渡』。

問一から問七まですべて選択問題であり、内容把握問題である。内容をしっかり把握できれば、正解の選択はそれほど困難さを感じないであろう。
七問で解答時間は6分程度と考えたい。

攻略ポイント

大問3の中で、論説文である大問1の出来不出来がポイントである。
小説(大問2)と古文(大問3)は受験生ならほぼ7~8割の得点を取るであろう。
論説文であり抽象的表現の理解や内容把握の度合いに受験生によって差が生じるだろう。

さらに大問1は記述問題がある。手際よくポイントを絞り込んで記述しないと点数を取ることは難しくなるであろう。
この記述問題のまとめ具合が国語全体の出来不出来を左右する。記述対策はしっかり行いたい。

古文問題も難易度はそれほど高くはない。それだけに、少しのミスも許されない。古典文法も全体的内容を把握しておくこと。

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