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お茶の水女子大附属高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2017年度「お茶の水女子大附属高等学校の国語」
攻略のための学習方法

合否のポイントは論説文であろう。しかも、記述問題をいかに攻略するかが重要である。論理的文章を読み理解するためには、文章の読み方をしっかり習得しなければならない。漫然と設問文を読んでみても内容を理解できる訳ではない。重要なことは、文章がどのような流れ(論理立て)で書かれているのかを把握することである。その際に重要なことは「キーワード」は何か、「段落ごとの関係性」はどうなっているのか、を考えることである。これが本文をしっかり理解する上で不可欠な作業である。「キーワード」とは繰り返し使われる「言葉」である。重要であるから何度も使われるのであり、何度も使われるから「キーワード」となるのである。これが「キーワード」だと感じたら、本文に印をつけることである。例えば、マルを付けるとか傍線を引くという行為が大切である。そうすることによって、読まなければ把握できない文章の内容・流れが目で見えるようになる。つまり、文章が「視覚的」に理解できるようになるのである。文章をそのように視覚的に把握できることができれば、本文の再読は必要なくなる。これは大幅な解答する時間の短縮になるし、文章構造を視覚的に把握出るようになるのである。この作業をしっかりできるためには、論説文専門の問題集の掲載されている問題文で十分な練習を行なって欲しい。始めはなかなか慣れずに、解答時間の短縮のために練習していたのが時間ばかりかかって効果が見えてこないかもしれない。しかし、この手順をしっかりマスターすれば、漫然と本文を読んで解答するよりもはるかに時間も短く正解に辿りつける。したがって、慣れるまで多少の時間はかかるかもしれないが、忍耐強く練習を積んで欲しい。次に「段落ごとの関係性」を把握する方法である。先に述べた「キーワード」の視覚化と同様にこの「関係性」の把握は重要である。重要なことは、「接続詞」の把握である。段落の冒頭にある「接続詞」の掌握である。接続詞には順接と逆説がある。その二つの接続詞を「キーワード」同様に印をつけるということである。その際に、順接と逆説につける印を統一することが重要である。例えば、「順接」はマル、「逆説」はサンカクという具合である。そのような印をつけることによって、本文全体が一読することで視覚的に内容を把握できるようになるのである。そのような印をつけた結果、マル、マル、サンカクという具合に印がつけられたら、サンカクの後からが作者の意見の流れが変わるという実態を目で確認できるのである。是非、この手法を習得して欲しい。小説問題も第一義的に、人物の「心情把握」である。そのためには、人物描写や情景描写を丁寧に読み込むことである。人物の振る舞いについての記述や発言内容、そしてそのような発言に対するその他の人物の反応等に関する記述も要注意である。古典文法についても漏れがないように、万遍なく一通りの知識を明確に習得すること。

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2017年度「お茶の水女子大附属高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1は、自然科学に関する論説文である
<18分>。

大問2は、小説に関する読解問題
<19分>。

大問3は、古文読解問題である
<13分>。

例年、抽象的文章が出題されるので、問題集や他の難関校に出題された問題等の演習をしっかり行うっておく必要がある。古文については、基本的文法事項は徹底的に習得しておくこと。

【大問1】自然科学分野に関する論説文の読解問題

  • 時間配分:

出典は、「目の見えない人は世界をどう見ているのか」(伊藤亜紗著)である。三次元を二次元化するという視覚の大きな特徴であることから論を始める。

問一は、語句解釈問題である

<1分>

AもBもどちらも基本的な語句である。完答したい。

問二は、文法(品詞)問題である

<2分>

「から」には理由と起点(から出発する)の意味がある。

問三は、文章内容問題である

<1分>

「三次元を二次元化するという」ことは、どのようなことなのかを考えること。

問四は、文章内容問題である

<3分>

二次元的月のイメージとは何か、また三次元的月とはどのように捉えられているかを考える。

問五は、文章内容選択問題である

<1分>

「見えない人」が「物が実際にそうであるように理解している」ということは、何を意味しているのかを本文に即して考えること。

問六は、文章内容問題である

<1分>

「見えない人」はどのようにして「色の概念を獲得」するのであろうか。

問七は、文章内容把握問題である

<4分>

色が概念である「全盲の人」にとって、色を混ぜ合わせるという「混色」ということがどのように捉えられるかを考えてみよう。50字以内の記述問題である。

問八は、文章内容把握問題である

<5分>

「見える人」は「目に見えるもの」しか見えないのである。一方、「見えない人」は「空間を空間と理解すること」ができるのである。

【大問2】小説の読解問題

  • 時間配分:

出典は「風立ちぬ」(堀辰雄著)。

問一は、漢字書き取りと読み取りの問題である

<2分>

各問とも基本的なものであるので慌てず慎重に全問正解を目指したい。

問二は、語句問題である

<1分>

「とつおいつ」はあまり見慣れない語句かもしれないが、本文文脈から類推することは可能であろう。

問三は、心情に関する問題

<2分>

「措く」は「除く」ことである。

問四は、文章内容把握選択問題である

<2分>

節子は、自棄になったような口調で言葉を発したのである。

問五は、心情把握問題である

<3分>

「自分にも訣の分からない」という心情を本文の前後の文脈を類推し判断する。

問六は、心情把握記述問題である

<3分>

節子の言葉にいら立ってしまった「私」を自分はどのように感じたのかを丁寧に追いかけること。

問七は、心情把握記述問題である

<4分>

どのような状況下でも「私」は、節子と苦楽をともにしたいと思っていたのである。

問八は、内容正誤選択問題である

<2分>

サナトリウムでの生活は、劇的な変化もなく静かなものである。そのような環境の中で、ちょっとした出来事が持つ意味を考えること。

【大問3】古文読解問題

  • 時間配分:

出典は「大鏡」。

問一は、現代語訳の問題である

<2分>

①「いかなる」というのは「どんな」という意味である。
⑨「籠める」は「しまう」という意味である。

問二は、内容理解選択問題

<2分>

①人々が持参したのである。
④帝の問いに対して行成が内容を説明したのである。
⑧「御覧じあそばせたまへ」は帝である。

問三は、現代語訳の問題である

<1分>

③「あやし」は「不思議な」、「さま」は「様子」のことをそれぞれ表す。
⑤「興ある」は「面白い様子」という意味である。

問四は、古文内容把握問題である

<2分>

帝はこまだけを気に入ったのである。

問五は、古文内容把握問題である

<2分>

成行は如何なる才能を兼ね備えていたのかを考えること。

問六は、古文内容把握記述問題である

<4分>

成行は帝は「子供」であるので幼い子が喜ぶ楽しめるおもちゃを献上することを考えたが、一般の人々は帝に献上するものは高価なものであるべきと考えている。

攻略のポイント

論説文、小説、古文と全てのジャンルから出題されている。また、設問内容も漢字、文法事項、内容把握(選択肢問題と記述問題)、心情理解等々である。

レベル的には、比較的標準タイプの設問形式である。しかし、論説文はかなり内容の高い抽象的文章になっているので、事前にしっかりとした練習は不可欠である。具体的には、選択肢問題と記述問題の問題集で事前の準備を万全にしておいてもらいたい。

また、国語の得点力をアップさせるためには、読解力の向上は不可欠である。そして、それは読書量に比例するといわれている。読書の大切さは言うまでもないが、読書をする時間的余裕はない受験生にとって、設問を読む際にその問題文をじっくり読み込み、設問演習を通じて真の読解力を身につけよう。

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