立教新座高等学校 入試対策
2024年度「立教新座高等学校の英語」
攻略のための学習方法
ここで、受験英語における文法事項と同じ位に比重が高い単語の用法について何点か挙げてみる。
第1に「so~that…」及び「such~that…」である。
言うまでもなくsoは副詞であるので後ろ(修飾される語)には形容詞又は副詞がくる。
一方、suchは形容詞であるので後ろ(修飾される語)には名詞がくる。意味は、「とても~なので…である」というのが原則である。
注意したいのは「not so~that…」という具合に、soの前に否定がある場合である。具体的には、以下のような英文を考えてみる。
He is not so busy that he can’t go for walk.
この英文を「とても~でないので…」という手法で訳出してみると変な訳文になってしまう。「彼はとても忙しくないので散歩に行くことはできない」では変である。上記の英文は正しくは「彼は散歩に行けないほど忙しい訳ではない」という具合に、「程度」を表すのである。
また、「such~that…」については、It was such a beautiful flower that I can’t forget it. (それは綺麗な花なので私は忘れることができなかった)となる。
「…,for~」にも気を付けよう。
このforは、前の文章を受けて理由を表す。したがって、このforの訳は「というのは~だからだ」となる。受験生になじみのあるforは『前置詞』である。ここで述べているのは『接続詞』としてのforである。
前置詞と接続詞との見分け方についていえば、前置詞は後に『名詞(単語)』がくるが、接続詞の場合には文章がくるのである。したがって、理由を表す『接続詞』としてのforであるか否かを見極めるには、後ろに文章が来ているか否かで決定するのである。
第2に、as(接続詞)である。
これには、いくつもの意味があるので混同しないようにしっかり覚えておくように。
代表的な意味と例文を以下に列挙する。
①「~のとき」(時を表す)
He came in just as I was going out of my house.
(私がちょうど家を出ようとしたとき、彼が入ってきた)
②「~につれ」(時の経過)
As we grow older, our memory becomes less active.
(私たちは年を取るにつれ、記憶力が徐々に鈍くなるのである)
③「~なので」(理由)
As the elevator was not working, we walked up the stairs.
(エレベーターが動いていなかったので階段を歩いて上がった)
④「~のように」(態様)
You should see things as they are.
(あなたは物事をありのままのように見るべきである)
⑤「~だけれども」(譲歩)
Child as he is, he can think clearly.
(彼は子供だけれども、はっきりと考えることができる)。
という具合に、asについては代表的な用法を挙げただけでも上記のような複数の紛らわしい用法がある。明確な見分け方をしっかり習得しておくべきである。
asと同じ位に紛らわしい単語にbutがあるので、ここで幾つか例を挙げておく。
①「しかし、~が」(等位接続詞)
I got up early this morning but I could not catch the first train.
(私は今朝早く起きた。しかし、始発電車に乗ることはできなかった)。次に、相関語句と一緒に使う例文を挙げる。
②not A but B「AではなくB」He is not a teacher, but a student.
(彼は先生ではなく生徒である)
③not only A but (also) B―しばしばalsoは省略される場合あり―「AのみではなくBも」
A pet would be not only expensive but also troublesome.
(ペットは金がかかるだけではなく、手もかかる)。
そのほかにも、but(=except)「~を除いて」、nothing but(=only)「~しか(しかない)」。
④it is true ~ but「なるほど~であるが」
It is true that road travel those days was difficult, but it was safe.
(当時、陸路の旅は困難であったが、安全であった)。
以上、気になる単語の用法について見てきた。
ともかく、大量に英文を読みこなすことで英文を右から左へ流れるように黙読できるようになって欲しい。英文を読みこなすためには、上記以外にも沢山覚えなければならない事項や知識が山ほどある。少しずつ、焦らずに覚えてゆき英語の力を付けて行ってもらいたい。
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2024年度「立教新座高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1・2のリスニングは約15分程度。
大問3は長文読解総合問題(エッセー)<15分>。
冒頭、The grass is always greener on the other side で始まるエッセーである。
大問4は長文読解総合問題(物語)<14分>。
設問は適語選択、英文解釈、英問英答、内容一致などの問題である。
大問5は長文読解問題(エッセー)<3分>。
基本的な文法事項をフル活用する。
大問6は整序問題<8分>。
語法や基本的な文法・イディオムをあてはめる。
大問7は条件付き英作問題<5分>。
対話文の空欄に文脈に合致する適切な英文を自由に作文する問題である。文脈をしっかり押さえ、適切な日本語に沿った英文を考える。
【大問3】長文読解総合問題(説明文)
- 時間配分:15分
(問1)単語問題<1分>。
本文のappreciateは「評価する」という意味である。
(問2)適文選択問題<2分>。
②の直前の文にCompeting is like a never-ending raceとある。
(問3)単語の意味問題<2分>。
envyと「嫉妬、妬み」という意味である。
(問4)語句解釈問題<1分>。
④はThe grass is always greener on the other sideという内容である。
つまり、自分の所有物と他人の所有物を比較して他人の所有物を羨むのである。
(問5)単語の意味問題<1分>。
contactsとは「接触する人」のことであり下線部⑤の少し前にfriendsがある。
(問6)語句解釈問題<1分>。
本文は妬みや嫉妬をうまく取り除く方法について言及している個所である。その方法とは何かを考える。
(問7)語句解釈問題<2分>。
本文の文脈から、ある事象に対するどのような認識が「他人への嫉妬や妬み」を消滅させる方法かを考えよう。
(問8)語句解釈問題<1分>。
本文からnot A but Bの構文を見抜いて考える。
(問9)英文解釈問題<2分>。
there are millions with less (than you)という文章である。「あなたより持っていない人はたくさんいる」という意味になる。
(問10)内容真偽問題<2分>。
イ 「もし自分の得たものに満足することができれば、何が自分にとって大事なものなのかを考えることができる」
オ 「他人の成功を妬む代わりに喜んであげられれば、自分にとってもいいことがある」
【大問4】長文読解総合問題(物語)
- 時間配分:14分
(問1)語句解釈問題<1分>
本文はbe up and awayである。これは、「成長して出ていく」という意味であるので、エが適切である。
(問2)適語選択問題<1分>
AもBもどちらも否定的な内容である。
(問3)英文解釈問題<1分>
have enoughは「うんざりしている」という意味なので、糸が何にうんざりしているのかを考える。
(問4)英問英答問題<2分>
英問の内容は以下の通り。
「糸がタコを離した後、何がタコに起きたのか」である。
(問5)英問英答問題<2分>
英問の内容は以下の通り。
「タコが落ちた後でどのように修理されたのか」である。
(問6)熟語問題<2分>
right as rainは「とても正常な」という意味であるので、had no problemである。
(問7)適語句選択問題<1分>
文脈を丁寧に辿って適切な選択肢を選ぶ。
(問8)内容一致問題<2分>
結局、タコは「自分の利己的心(selfishness)」に気づいていないのである。
(問9)適語選択問題<1分>
直後のwhen school runs out, do I have to stay at that level ?が手がかりになるであろう。
(問10)英問英答問題<1分>
英問の内容は以下の通り。
「この物語からアレックスが学んだ教訓は何か」である。
【大問5】長文読解(適語句選択)問題
- 時間配分:3分
(1)旅は人生をより豊かにしてくれるのである。
(2)旅をしている間、地元の習慣に敬意を払う必要がある。
(3)幸せな思い出をつくるための機会である。
【大問6】整序問題
- 時間配分:8分
(1)Who do you think took ~となる。
(2)「いとわない」=「自分に意思で行う」ということなのでbe willing to ~ である。
(3)形式主語構文を使う。「~しようとし続ける」はremember to ~である。
(4)「出かけようとしていたとき」は「~しようとしていた=be about to ~」で表現可能である。
【大問7】条件付き英作問題
- 時間配分:5分
問1 自分がなりたい動物に関しての質問である。仮定法過去を用いて考える。
問2 夏にどこへ行ったかに関する質問である。
攻略のポイント
全体的に見れば、標準的な問題であろう。長文もそれほど難解ではないが、初見の英単語も相当数散見される(これらの単語には本文後に『注釈』が付けられてはいるが)ので、単語力は最低でも英検準2級レベルは必要である。
その他の設問についても、整序問題、適語補充問題など標準的設問が多い。事前準備としては、標準的問題集を何度も演習することが大事であろう。
また、長文に関しては、500~700単語の英文総合問題を月に20題のペースで取り組んで欲しい。
英語の最大の得点源は長文であるので、長文を読めないと英語における安定的な得点は望めないであろう。また、そのような長文読解を通じて、習得している文法事項が適切かつ迅速に知識の引出しから取り出せるようになる訓練にもなることは間違いない。
そのような長文読解を経て、英語を目で追う速度で読み進めることが可能になってくるのである。1分間で90単語程度読めればベストであろう。