立教新座高等学校 入試対策
2016年度「立教新座高等学校の英語」
攻略のための学習方法
ここで、受験英語における文法事項と同じ位に比重が高い単語の用法について何点か挙げてみる。
第1に「so~that…」及び「such~that…」である。
言うまでもなくsoは副詞であるので後ろ(修飾される語)には形容詞又は副詞がくる。一方、suchは形容詞であるので後ろ(修飾される語)には名詞がくる。意味は、「とても~なので…である」というのが原則である。
注意したいのは「not so~that…」という具合に、soの前に否定がある場合である。
具体的には、以下のような英文を考えてみる。
He is not so busy that he can’t go for walk.
この英文を「とても~でないので…」という手法で訳出してみると変な訳文になってしまう。「彼はとても忙しくないので散歩に行くことはできない」では変である。上記の英文は正しくは「彼は散歩に行けないほど忙しい訳ではない」という具合に、「程度」を表すのである。
また、「such~that…」については、
It was such a beautiful flower that I can’t forget it.
(それは綺麗な花なので私は忘れることができなかった)
となる。
「…,for~」にも気を付けよう。
このforは、前の文章を受けて理由を表す。したがって、このforの訳は「というのは~だからだ」となる。受験生になじみのあるforは『前置詞』である。
ここで述べているのは『接続詞』としてのforである。前置詞と接続詞との見分け方についていえば、前置詞は後に『名詞(単語)』がくるが、接続詞の場合には文章がくるのである。したがって、理由を表す『接続詞』としてのforであるか否かを見極めるには、後ろに文章が来ているか否かで決定するのである。
第2に、as(接続詞)である。
これには、いくつもの意味があるので混同しないようにしっかり覚えておくように。
代表的な意味と例文を以下に列挙する。
①「~のとき」(時を表す)
He came in just as I was going out of my house.
(私がちょうど家を出ようとしたとき、彼が入ってきた)
②「~につれ」(時の経過)
As we grow older, our memory becomes less active.
(私たちは年を取るにつれ、記憶力が徐々に鈍くなるのである)
③「~なので」(理由)
As the elevator was not working, we walked up the stairs.
(エレベーターが動いていなかったので階段を歩いて上がった)
④「~のように」(態様)
You should see things as they are.
(あなたは物事をありのままのように見るべきである)
⑤「~だけれども」(譲歩)
Child as he is, he can think clearly.
(彼は子供だけれども、はっきりと考えることができる)。
という具合に、asについては代表的な用法を挙げただけでも上記のような複数の紛らわしい用法がある。明確な見分け方をしっかり習得しておくべきである。
asと同じ位に紛らわしい単語にbutがあるので、ここで幾つか例を挙げておく。
①「しかし、~が」(等位接続詞)
I got up early this morning but I could not catch the first train.
(私は今朝早く起きた。しかし、始発電車に乗ることはできなかった)。
次に、相関語句と一緒に使う例文を挙げる。
②not A but B「AではなくB」
He is not a teacher, but a student.
(彼は先生ではなく生徒である)
③not only A but (also) B―しばしばalsoは省略される場合あり―「AのみではなくBも」
A pet would be not only expensive but also troublesome.
(ペットは金がかかるだけではなく、手もかかる)。
そのほかにも、
but(=except)「~を除いて」、
nothing but(=only)「~しか(しかない)」。
④it is true ~ but「なるほど~であるが」
It is true that road travel those days was difficult, but it was safe.
(当時、陸路の旅は困難であったが、安全であった)。
以上、気になる単語の用法について見てきた。
ともかく、大量に英文を読みこなすことで英文を右から左へ流れるように黙読できるようになって欲しい。英文を読みこなすためには、上記以外にも沢山覚えなければならない事項や知識が山ほどある。少しずつ、焦らずに覚えてゆき英語の力を付けて行ってもらいたい。
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2016年度「立教新座高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問4は長文読解総合問題<12分>。地球環境問題に関する英文である。環境問題に関する専門用語は、ぜひ押さえておきたい。
大問5は長文読解総合問題<10分>。動物行動学の観点からの説明文である。
大問6は会話文完成問題<8分>。口語表現などに注意しながら取り組みたい。
大問7は適語補充問題<6分>。基本的な文法知識、イディオム知識をベースにして適語を補充する問題である。事前の準備をしっかり行えば、完答も可能である。
大問8は和文英作問題<4分>。基本的な文法知識をあてはめて適切な英文を考える。
【大問4】
- 時間配分:
地球温暖化などに関する説明文である。CO2 emissionsなどの専門用語については、本問と同様なジャンルの長文総合問題を事前にしっかりと演習したい。
英文英答であるので、問われている内容を正確に理解すること。各設問は1分をめどに解答したい。
(問1)質問内容は、「筆者は22世紀をどのように考えているか」である<1分>。
本文から、熱帯性気候に関する記述をベースに考える。
(問2)質問内容は、「30億ドルについて筆者はどのように考えているか」である<1分>。
30億ドルが何の目的に使われるかを理解する。
(問3)質問内容は、「トヨタやソニーが大きくなった原因を筆者はどのように考えるか」である<1分>。
両社が考えた製品の生産方法について理解すること。
(問4)質問内容は、「環境のための技術を改良について筆者はどのような提案をしているか」である<1分>。
政府に対してどのような対策を講じるように筆者が考えているか。
(問5)質問内容は、「環境教育に関する筆者の考えはどれか」である<1分>。
人々が環境についてどのような状態になればよいと考えているか。
(問6)質問内容は、「最終段落で筆者が最も言いたいことは何か」である<1分>。
筆者は、お互いどのようにすればいいと考えているか。
(問7)質問内容は、「最も適切なタイトルはどれか」である<1分>。
「今がそのとき」、つまり環境問題を真剣に考え、一人ひとりが取り組むべき状況である。
【大問5】
- 時間配分:
長文読解総合問題(説明文)である。内容的には、人間が何らかの機会に感じる「恐怖」についての総合読解である。この恐怖に打ち勝つ特効薬は何か。結論的には、適切な助言と助力を得ることが、恐怖症を乗り越え、恐怖に支配されない生活を送ることが可能になる、というのが筆者の主張である。
(問1)要旨把握問題<2分>。
「間違った考え方」の例を本文より見つけ出すこと。
(問2)英文解釈選択問題<1分>。
本文で使用されている比喩表現が何を表わしているかを考えること。
(問3)指示語選択問題<1分>。
「能力」とは何かを本文から導き出すこと。
(問4)指示語問題<2分>。
直前の英文をしっかり読み込むこと。
(問5)適語選択問題<1分>。
直後の英文を参考すること。
(問6)英問英答問題<1分>。
質問内容は、「グランディンと同じように多くの自閉症の人たちは何ができるか」である。第4段落を参照すること。
(問7)内容一致問題<2分>。
第4・7段落に合致する選択肢を選ぶ。
【大問6】
- 時間配分:
会話文完成適文選択問題である<8分>。
二人の会話に流れを丁寧にたどること。相手の質問に対する適切な答えは、その直後の相手の反応を読み取ること、またその逆も考えること。
【大問7】
- 時間配分:
適語補充問題<6分>。
各設問とも基本的なイディオムと基本文法知識があれば、完答も可能であろう。
【大問8】
- 時間配分:
和文英訳問題<4分>。
基本的文法知識が不可欠である。
1については、過去分詞の形容詞的用法(後置)をしっかり押さえること。
2については、関係代名詞(所有格)を使用する。
3については、疑問詞に不定詞を組み合わせた表現を使う。
攻略ポイント
全体的に見れば、標準的な問題であろう。
長文もそれほど難解ではなく、読みやすい内容である。
設問についても基本的な文法知識を十分に押さえていて、個別の文法問題を万遍なく演習していれば、それほど手こずることはないであろう。
その他の設問についても、会話文や、整序問題、適語補充問題など標準的設問が多い。
したがって、事前準備としては、標準的問題集を何度に演習することが大事であろう。
また、長文に関しては、500~700単語の英文総合問題を月に20題のペースで取り組んで欲しい。英語の最大の得点源は長文であるので、長文を読めないと英語における安定的な得点は望めないであろう。
また、そのような長文読解を通じて、習得している文法事項が適切かつ迅速に知識の引出しから取り出せるようになる訓練にもなることは間違いない。そのような長文読解を経て、英語を目で追う速度で読み進めることが可能になってくるのである。
1分間で90単語程度読めればベストであろう。