立教新座高等学校 入試対策
2022年度「立教新座高等学校の英語」
攻略のための学習方法
ここで、受験英語における文法事項と同じ位に比重が高い単語の用法について何点か挙げてみる。
第1に「so~that…」及び「such~that…」である。
言うまでもなくsoは副詞であるので後ろ(修飾される語)には形容詞又は副詞がくる。一方、suchは形容詞であるので後ろ(修飾される語)には名詞がくる。意味は、「とても~なので…である」というのが原則である。
注意したいのは「not so~that…」という具合に、soの前に否定がある場合である。具体的には、以下のような英文を考えてみる。
He is not so busy that he can’t go for walk.
この英文を「とても~でないので…」という手法で訳出してみると変な訳文になってしまう。「彼はとても忙しくないので散歩に行くことはできない」では変である。上記の英文は正しくは「彼は散歩に行けないほど忙しい訳ではない」という具合に、「程度」を表すのである。
また、「such~that…」については、It was such a beautiful flower that I can’t forget it. (それは綺麗な花なので私は忘れることができなかった)となる。
「…,for~」にも気を付けよう。
このforは、前の文章を受けて理由を表す。したがって、このforの訳は「というのは~だからだ」となる。受験生になじみのあるforは『前置詞』である。ここで述べているのは『接続詞』としてのforである。
前置詞と接続詞との見分け方についていえば、前置詞は後に『名詞(単語)』がくるが、接続詞の場合には文章がくるのである。したがって、理由を表す『接続詞』としてのforであるか否かを見極めるには、後ろに文章が来ているか否かで決定するのである。
第2に、as(接続詞)である。
これには、いくつもの意味があるので混同しないようにしっかり覚えておくように。
代表的な意味と例文を以下に列挙する。
①「~のとき」(時を表す)
He came in just as I was going out of my house.
(私がちょうど家を出ようとしたとき、彼が入ってきた)
②「~につれ」(時の経過)
As we grow older, our memory becomes less active.
(私たちは年を取るにつれ、記憶力が徐々に鈍くなるのである)
③「~なので」(理由)
As the elevator was not working, we walked up the stairs.
(エレベーターが動いていなかったので階段を歩いて上がった)
④「~のように」(態様)
You should see things as they are.
(あなたは物事をありのままのように見るべきである)
⑤「~だけれども」(譲歩)
Child as he is, he can think clearly.
(彼は子供だけれども、はっきりと考えることができる)。
という具合に、asについては代表的な用法を挙げただけでも上記のような複数の紛らわしい用法がある。明確な見分け方をしっかり習得しておくべきである。
asと同じ位に紛らわしい単語にbutがあるので、ここで幾つか例を挙げておく。
①「しかし、~が」(等位接続詞)
I got up early this morning but I could not catch the first train.
(私は今朝早く起きた。しかし、始発電車に乗ることはできなかった)。次に、相関語句と一緒に使う例文を挙げる。
②not A but B「AではなくB」He is not a teacher, but a student.
(彼は先生ではなく生徒である)
③not only A but (also) B―しばしばalsoは省略される場合あり―「AのみではなくBも」
A pet would be not only expensive but also troublesome.
(ペットは金がかかるだけではなく、手もかかる)。
そのほかにも、but(=except)「~を除いて」、nothing but(=only)「~しか(しかない)」。
④it is true ~ but「なるほど~であるが」
It is true that road travel those days was difficult, but it was safe.
(当時、陸路の旅は困難であったが、安全であった)。
以上、気になる単語の用法について見てきた。
ともかく、大量に英文を読みこなすことで英文を右から左へ流れるように黙読できるようになって欲しい。英文を読みこなすためには、上記以外にも沢山覚えなければならない事項や知識が山ほどある。少しずつ、焦らずに覚えてゆき英語の力を付けて行ってもらいたい。
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2022年度「立教新座高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1・2のリスニングは約10分程度。
大問3は長文読解総合問題(説明文)<15分>。
人間が幸せになるということはどういうことなのかに関するエッセー。
大問4は長文読解総合問題(物語)<15分>。
インターネット上に友人を持つ主人公とその友人との日常的な交流を描いた物語。
大問5は整序問題<9分>。
基本的な文法事項、動詞の用法、イディオムの知識をフル活用する。
大問6は対話文完成問題<5分>。
対話文に適語又は適句を選択し対話文を完成させる。
大問7は条件付き英作問題<6分>。
対話文の空欄を文脈に合致する適切な英文を自由に作文する問題である。文脈をしっかり押さえ、適切な日本語に沿った英文を考える。
【大問3】長文読解総合問題(説明文)
- 時間配分:15分
人間が幸せになるということはどういうことなのか。現代社会における消費者資本主義の時代において如何なる価値観をもって人間は幸せを享受するのか、についてのエッセーである。
(問1)熟語問題<2分>。
pin downとは「~をはっきりさせる」という意味であるので、近い意味としてはdecideである。
(問2)語句解釈問題<2分>。
下線部のconsumer age とは「消費者時代」という意味である。商品を限りなく買い続けるという時代を象徴する用語である。したがって、選択肢にあるage of endless buyingが適切である。
(問3)適語句選択問題<2分>。
空欄部分の前文に、it all changed とあり、itとはその前の文のTheir value systemのことであるので、「(消費者における)価値観が全て変わった」のであり、商品(=物)を欲しがる消費者の欲の側面が強調されるようになったのである。
(問4)英問英答問題<9分>。
英問の内容は以下の通り。
1.第1・2段落の内容と一致しないものを選べ、という問である。ここでは、agreeは「一致する」という意味である。
2.第2段落での筆者の主張は何か、という問である。第2段落の最後の2つの英文をしっかり見ること。
3.第3段落での筆者の主張は何か、という問である。第3段落の第2文には、but most people seem to be happy とあるので選択肢のthey alone don’t satisfy our needs for happiness が本文の内容と一致する。
4.第4段落で述べている「幸せのこの追求」が意味するものは何か、という問である。this search for happinessに対し、前文にwe try very hard to experience them とある。このthemとは、material pleasuresのことである。
5.なぜ今、ラダックの人々は彼らの社会の否定的な変化(悪化)を経験しているのか、という問である。第5段落に it(=Their value system) all changed as the country was hit by consumer capitalismとある。つまり、彼らの価値観が変わったのである。
6.第6段落において、エウダイモンが好まないであろう考え方を選べ、という問である。エウダイモンの幸福とは人生の様々な局面における幸福事象を最後も文章に列挙しているので、Technology is the only thing that makes you happyは本文と相違する。
7.第6及び7段落で筆者が言いたいことは何か、という問である。第7段落の第2文ではit’s not experiences of material pleasures alone that I keep in mind for a long timeとあり、これは選択肢の中のhappiness doesn’t always come with material wealth, but it can be found in our memoriesと一致する。また、第7段落の第2文のIt is ~ that ・・・は強調構文である。
【大問4】長文読解総合問題(物語)
- 時間配分:14分
There’s an Alien on the Internetというタイトルの小説である。アンディの親友はジョーイという。ジョーイはインターネット上のアンディの友人であり、2人の日常生活でのふれあいを描いた小説である。
(問1)英問英答問題<10分>
各英問の意味は以下の通りである。
1.なぜケビンは「アンディはおなかがすくよ」といったのか。
2.なぜアンディは先生の質問に「10分の1」と答えたのか。
3.なぜアンディは『休み時間のベルが鳴ればいいのに』と思ったのか。
4.算数の問題集にのっていた問題はどのように解くのか。
5.アンディは写真の中でどう写っているのか。
6.ジョーイがアンディの宇宙人に関する質問に答えるのになぜそんなに時間がかかった
のか。
7.ジョーイの生活の中でインターネットが果たした役割は何か。
8.アンディが幸せを感じた理由は彼が何をできたからか。
(問2)内容真偽問題<5分>
本文の内容と異なる選択肢を選ぶ問題。以下の3文が本文の内容と異なる。
4.ジョーイの写真は最終的に届いたが、姿がはっきり写っていなかったのでアンディにはよく見えなかった。
7.お父さんがデンバーに引っ越すと告げたとき、アンディの家族は全員が喜んだ。
9.アンディはジョーイが異なる星からやってきたことを初めから知っていた。
【大問5】整序問題
- 時間配分:9分
1.「~ここにあります」はHere isを使う。「示している地図」は関係代名詞whichを用いて表現する。
2.「ずっと探していた傘」はI have been looking forとなる。
3.「私は3冊の本を持っています」なのでI have three booksとする。「~によって書かれた」は語群に関係代名詞がないため過去分詞の形容詞的用法(後置修飾)を用いてwritten by Kawabata Yasunariとする。
【大問6】対話文完成(適語・適句選択)問題
- 時間配分:5分
1.「いつ北海道へ行ったのか」という質問に対し、「2年前」という会話であるので、過去の事実についての質問である。したがって、質問の時制は現在完了形ではなく過去形で表現する。また、疑問詞whenは現在完了形と一緒に使うことができないことも覚えておこう。
2.「私は兄ほど多くのCDを持っていない」という文章にしたいので、選択肢としてはdon’t have as many CDs asとなる。
3.冒頭にIfがあり、後ろ(帰結節)がI would write a letterとなっているので仮定法過去の文章であるので、If以下の節の時制は過去形になる。
【大問7】条件付き英作問題
- 時間配分:6分
会話文を完成させる形式で空欄に適切な内容を英作する。
1.空欄直後のyou can do two things togetherとあるので、何か2つのこと(読書と運動など)を同時にできるという内容の英文を考える。
2.会話の流れからI had an argument with her(彼女とケンカした)の原因を尋ねる内容(何があったのか)の英文を考える。
攻略のポイント
全体的に見れば、標準的な問題であろう。長文もそれほど難解ではないが、初見の英単語も相当数散見される(これらの単語には本文後に『注釈』が付けられてはいるが)ので、単語力は最低でも英検準2級レベルは必要である。
その他の設問についても、整序問題、適語補充問題など標準的設問が多い。事前準備としては、標準的問題集を何度も演習することが大事であろう。
また、長文に関しては、500~700単語の英文総合問題を月に20題のペースで取り組んで欲しい。英語の最大の得点源は長文であるので、長文を読めないと英語における安定的な得点は望めないであろう。また、そのような長文読解を通じて、習得している文法事項が適切かつ迅速に知識の引出しから取り出せるようになる訓練にもなることは間違いない。
そのような長文読解を経て、英語を目で追う速度で読み進めることが可能になってくるのである。1分間で90単語程度読めればベストであろう。