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出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「立教新座高等学校の数学」
攻略のための学習方法

全体的に見てみると標準問題が圧倒的に多い。

2次関数、平面図形、立体図形は要注意であり、徹底した演習が必要である。
2次関数に関しては、直線(1次関数)との関連の問題は必須である。同じ概念でも使われているジャンルによって意味合いと扱い方が異なってくる、ということに気を付ける。

例えば、「変化の割合(=グラフの傾き)」は直線と放物線とでは概念的内容については、当然ながら同じであっても、実際の問題になると設問へのあてはめ方及び処理の仕方が異なってくる。

1次関数においては直線のグラフとなり、当然ながら、変化の割合(グラフの傾き)は一定である。これに反して、2次関数の放物線においては、放物線上のどの2点を選択したかで変化の割合(グラフの傾き)はプラス(右上がり)になったり、マイナス(右下がり)になったりする。

特に、放物線上の異なる2点を結んでできる変化の割合は、その2点の間隔を限りなく「ゼロ(0)」に近づけてゆくと、高校数学で学習する「微分」の世界へと入ってゆく。放物線に関しては必ず出題されると考えた方が良いし、高校数学への導入としての役割も担うと認識したうえで、しっかりと概念的な理解を深めてゆきたい。

確率の問題も近年、上位高を中心に頻出傾向にある。しかも、出題傾向は年々難易度を上げているようである。標準的問題集にあるような、場合分けのパターンが単純なもの(複雑といってもせいぜい「~の場合が2回以上ある場合」)ではなく、他の数学の分野との融合問題である場合が予想される。

例えば、確率と図形の融合問題である。
サイコロを振って偶数の目が出たらⅹの方向に目の数だけ進み、奇数が出たらyの方向に目の数だけ進むという条件で進んだ場合に、座標面上にあるグラフ(直線の場合もあれば放物線の場合もある)との関係で設問の条件を満足する場合の確率を求めよといった問題である。

このような場合に、ひたすら「場合と確率」だけを演習すればよいというわけでは決してない(勿論、しっかりした「場合と確率」の知識と演習量が求められるのは大前提ではあるが)。座標平面の特性やそこに存在するグラフ(直線又は放物線)の特徴を踏まえて問題を解けるかどうかが合否のポイントであろう。

さらには、そのようなサイコロの出た目の数字の分だけ立体図形の辺の上を移動させるなどの条件設定で作問も可能である。
しかも、サイコロの目の数だけ動く点(動点)はどのような動きをするか、また設問にある一定の条件の下で、指定された点を結んだ場合にどのような平面図形ができるか、そしてその平面で立体図形を切り取った場合における、切り口の形状や面積など、さらには切り取り後における指定された点を含む立体の体積を求める問題にも慣れておいて欲しい。

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2020年度「立教新座高等学校の数学」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】独立小問問題<16分>。2次方程式、角度、新傾向問題、体積、サイコロを使った確率、直線の式から出題されている。

【大問2】確率に関する問題<12分>。サイコロの目の出方に関する確率の問題である。

【大問3】直角三角形に関する問題<9分>。

【大問4】空間図形(円錐台と球)に関する問題<9分>。

【大問5】関数に関する問題<14分>。放物線と直線の融合問題である。

 

【大問1】独立小問問題

  • 時間配分:16分

(1)2次方程式応用問題<2分>。
与式の中で共通した文字式を別の文字で置き換え、その文字について方程式を解くこと。

(2)円における角度を求める問題<2分>。
中心角と円周角の特性を当てはめて迅速かつ正確に解答を導く。

(3)新傾向問題<3分>。
与えられ条件より規則性を的確に見つけ出すこと。規則性を発見するためには、4~5例を具体的に考えてみることが一番有効である。

(4)回転体の求積問題<3分>。
半径6㎝の半球の体積と底面の半径6㎝高さが6㎝の円錐の体積の和から、半球と円錐の体積の和を引く。引くべき半球と円錐の体積は相似比の応用(体積比は相似比の3乗の比になる)を用いて考えると手際よく解答が求められる。

(5)確率の問題<3分>。
サイコロを用いた目の出方とその目を直線の傾きとした場合の格子点(x・y座標がともに整数である座標)となる確率や指定された図形の面積が整数になる確率を求める。問題自体が、格子点などの概念を理解しなければならずどこから手を付けて良いのか迷ってしまうが、問題の意図することを丁寧に追っていけば手も足も出ないわけではない。

(6)座標平面上の直線の式に関する問題<3分>。
2本の直線における平行条件(2つの傾きが等しい)をしっかり理解しておくこと。併せて垂直条件(2つの傾きの積=-1)も覚えておくように。また、与えられた四角形の面積を指定された割合で分割する場合に関係した問題は、『等積変形』の考え方を応用すること。

【大問2】確率に関する問題

  • 時間配分:12分

(1)回を追うごとに出る目が大きくなる確率<2分>。
1回、2回、3回、4回の順番に出た目が大きくなる確率を求める。

(2)出た目がすべて異なる確率<3分>。
4回さいころを投げるので、(1回、2回、3回、4回)=(1、2、3、4)、(2、3、4、5)…と具体的に条件を満たす事象を数え上げては時間が足りない。全ての場合の数より4回とも同じ目が出る場合の確率を1より引く。

(3)与えられた条件における確率<3分>。
1と2の目がそれぞれ2回ずつ出る確率を求めるのであるから、具体的にできる事象を書き出してみる。

(4)指定条件に適語する確率<4分>。
1回だけ異なる目が出る確率を求めるのであるから、異なる目が1、2、3、4、5、6であるときの確率を考え、かつその目が何回目に出るかも考えなければならない。

【大問3】平面図形(直角三角形)に関する問題

  • 時間配分:9分

(1)面積比と線分の長さを求める問題<4分>。
各辺の長さを求め、相似の考え方より、△ASQと□BPQの面積比を求める。

(2)面積の和を求める問題<5分>。
求める図形を分割して個々の面積を合計して求める面積を出す。BTの長さをxとおいて、xの方程式を考えて解を求める。

【大問4】円錐台に内接する球に関する問題

  • 時間配分:9分

(1)内接する球の半径を求める問題<3分>。
球が円錐台に接している面で切った場合の平面図をイメージして、合同や三平方の定理を当てはめる。

(2)円錐台の表面積を求める問題<3分>。
円錐台はそれを含む大きな円錐の上部を水平に切り取った立体図形であるから、相似の考え方を使いながら切り取られた円錐の表面積を求める。円錐の則面積は、母線×底面の半径×πとなることは常識化しよう。

(3)円錐題の体積と球の体積とを比較する問題<3分>。
円錐台の体積は大きな円錐の体積から小さな円錐の体積を引いて求めることができる。球に関しては、表面積と体積を求める公式を正確に覚えておこう。

【大問5】関数に関する問題

  • 時間配分:14分

(1)指定された直線の式を求める問題<2分>。
何度も演習し慣れた問題であろう。Aの座標が判明しているので、求めたい直線の式のx、yにそれぞれの座標を代入する。

(2)三角形の面積を求める問題<3分>。
△ABCの面積を求めるのであるから、この三角形をいくつかに分割してそれらを合算する。

(3)面積を2等分する直線の式を求める問題<3分>。
△ABCの面積を2等分するDを通る直線の式を求めるので、座標面上に条件に適合する直線を描いてみる。その際に、相似の考え方などを手際よく取り入れること。

(4)垂線の長さを求める問題<2分>。
原点Oより直線に垂線を引いた場合における垂線の長さを求める問題である。相似と三平方の定理を用いて垂線の長さを求める。

(5)三角形を回転させたときの通過した面積を求める問題<4分>。
△ABCを原点を中心に360度回転させたときにできる面積を求める問題である。一見難解に思える問題かもしれないが、結局のところ求める図形の面積はOBを半径とする円の面積である。

攻略のポイント

全体的には標準レベルの問題である。

事前の準備としては標準的な問題を徹底して繰り返し演習することである。特に、2次関数に関しては様々な出題パターンを想定して準備をして欲しい。

放物線(2次関数)に関する問題は高校入試の数学において、メインテーマの一つである。
直線がからんでくると交点の座標は2次方程式の解を求める考え方が必要であるし、その際に中学校では絶対に学習しない(塾等では当然のように学習する)『解と係数の関係』の考え方を応用すると迅速かつ確実に正解へたどり着ける。

また、図形編では空間図形は必須と考えて欲しい。空間図形に平面図形で使われる各種の定理(中点連結定理、三平方の定理、特定三角形(三角定規)における三辺の比など)をしっかり当てはめられるかどうかが、合否の分かれ目といっても過言ではないであろう。

また、確率の問題にもしっかり対応できるようにしておくこと。確率で大事なのは『発想の豊かさ』である。

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