成蹊高等学校 入試対策
2022年度「成蹊高等学校の英語」
攻略のための学習方法
(1)リスニング問題
リスニング問題としてはやや特徴的な設問形式のものもあるが、読まれる英文自体は標準的である。全体との兼ね合いで取りこぼしの許されない問題になることから、普段から音声学習を取り入れる必要がある。
英検3級・準2級の教材や類似過去問を繰り返しやり直すことで、ほとんどの問題で正解を導くことが出来るようになるだろう。余力があるのであれば、ラジオ講座などを利用することをお勧めする。後述する音読学習もリスニング対策としては効果的である。読解問題も音源付きのものを使えると効率が良い。
(2)長文読解問題
標準的なレベルの英文ではあるが、短時間で読みきらなくてはならないため、かなりの速読力を身につける必要がある。問われている問題の多くが内容把握であるため、いかに早く正確に、回答に必要な範囲での丁寧さをもって読めるかがポイントとなる。
速読能力を高めるための大きな方針としては、英文を前から句ごとに内容を取っていく読み方を身に付けることが必須だ。このためには、大学受験の勉強法としてはスタンダードになりつつある音読学習を勉強の中に取り入れることが効果的といえる。声に出して読む場合、前から内容を取らざるを得ないからだ。その際には、各文の内容のつながりをしっかり意識するようにしよう。文の形式的に主たる部分を意識的に取ろうと思いながら読むことで、修飾部分がかなりのスピードで読み下しても頭に残りやすいということを覚えておこう。そして、パラグラフごとに一言で大意をまとめる訓練をすることで、読んでいる途中で話の流れを見失わずに無駄な2度読みを廃することができるようになる。成蹊高校と同レベルの過去問を用いて、速読のトレーニングを行うと良いだろう。
(3)文法・イディオム・語彙
細かい知識を問う問題はないことから、知識面の補充に関しては標準的な問題集や単語・熟語帳を一冊完璧にすればよいだろう。文法に関してはむしろ、前述のように英文読解のツールとしての意識を持って勉強することが大事だ。
(4)条件英作文・テーマ英作文
英文記述の問題の比率が増えている。内容的に書くことで迷う設問はないが、素早く対処するためには実際に手を動かして書く練習が必要だ。文法の勉強の際には必ず併せて英文を書く時間を取り入れよう。文法学習の際に、基本英文は口から出るようにしておくことで出力しやすくなるし、ひいてはそれがリスニング力の向上にも繋がる。まずは、基本的な構文を含んだ和文英訳からトレーニングを始めると良い。
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2022年度「成蹊高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
様々なジャンルの英文を大量に読まなくてはならないのが成蹊高校の特徴である。各長文で問われる内容は様々で、時間がかかるものと即座に処理すべきものとが混在している。また、近年はより高いライティング能力も問われるようになっている。したがって、タイムマネジメントも大きな鍵となる。
【大問1】リスニング問題
- 時間配分:
〈A〉2つの会話をそれぞれにつき質問の答えとしてふさわしいものを選ぶ問題。
それぞれの会話文はそれほど長くないが、設問・選択肢を前もって目を通して置くことで聞き取るべきポイントを絞ることができる。
〈B〉120語程度の英文を聞き、与えられたグラフを参考にしながら問題用紙に書かれた設問についてその答えとして適切なものを選択する問題。
昨年は一枚の絵が与えられているだけだったが、今年はグラフが4枚与えられていた。もっとも前もって目を通して置くことで正誤のポイントを絞ることができることは〈A〉と同様である。
【大問2】
- 時間配分:26分
〈A〉説明文が素材となった3か所の適文挿入問題。
3つのパラグラフそれぞれに一つずつ挿入する形式となっている、英文特有の構成がきっちりしているため、抽象→具体という流れで適宜内容を確定していけば単純に処理できる。〈4分〉
〈B〉内容一致問題。
説明文を読んで、それについての英文5つの正誤を判断する問題。選択肢は英文だが、本文の流れと設問の英文の順序が同じなため、数行読むごとに検討することで効率を上げることができる。〈7分〉
〈C〉物語文を素材にした適文挿入問題。
与えられた5つの文から本文中の空所3か所に選択するという形式。昨年の段落整序よりも時間をかけずに処理できる。〈3分〉
〈D〉前問と同じく物語文を素材にした適文挿入問題。
こちらは、空所ごとに4つの英文が与えられ、その中からふさわしいものを選択する形を取っている。本文自体がやや長いが、内容一致問題がない以上、細部までの読み取りは不要であるため、空所の前後以外はかなりのスピードで読み進めたい〈6分〉
〈E〉説明文。
本文を読んだうえで、英文で書かれた問いに対して、英文の選択肢の中から正しいものを選択する問題。本文の順番と設問の順番が共通であるため、まず設問リード文を1つ読み、それが解けるまで本文を読み解くというプロセスを重ねれば効率的に処理できる。〈6分〉
【大問3】
- 時間配分:11分
〈A〉英文を読んで、その内容について質問に英語で記述する問題。
近年連続出題されている問題であるが、細部まで英文を読む必要がないため、慣れさえすれば取り組みやすい問題と言える。もっとも、基本的な英文はミスなく書けるライティング力は必要である。〈4分〉
〈B〉要旨把握。英文を読んで日本語で設問に答える問題。
いくつかの場所から拾った内容を一般化・抽象化してまとめる必要があるため、やや時間がかかる。〈7分〉
【大問4】
- 時間配分:16分
〈A〉条件付き和文英訳。英文中の2か所が日本語で書かれており、その部分を英語にする問題。
それぞれ用いるべき語に指定がある。語数縛りがあるわけではないため取り組みやすい。時間をかけずに終えてしまいたい。〈4分〉
〈B〉読解+英作文。英文メールを読んで、そこに書かれている2つの質問についての返事をそれぞれ20語程度の英文で書く問題。
新傾向の問題であるが、成蹊高校は毎年このような新しい形式の問題を出題してくるため、本番はそのつもりで試験に挑む必要がある。〈6分〉
〈C〉条件付きテーマ英作文。英文で質問文が与えられており、それに対して25~35語で英作文する問題。
いずれも基本的な構文を用いることでかける英文であるが、かけられる時間が少ないので普段から実際に手を動かして基本英文を出力することが出来るようにしておく必要がある。〈6分〉
攻略のポイント
多くの問題が長文の中で問われていることから、読解力を鍛えるのが最優先だ。扱っている英文の難易度はさほどではないものの、その量からするとかなりの読解力が必要である。基本的な文法事項については、文法問題を解くための知識というよりは、英文読解のツールとして利用できるようにならなくてはいけない。そして、速読能力を身に付けよう。句ごとに前から読み下す事が出来るようにならないと、時間内に処理することが出来ないだろう。また英文を記述する割合が増えつつあるため、ライティング能力も高めていく必要がある。