芝浦工業大学柏高等学校 入試対策
2017年度「芝浦工業大学柏高等学校の数学」
攻略のための学習方法
芝浦工業大柏高校の入試問題は、標準問題が9割であるので得点は80%を目指して欲しい。特に、数学を得意とする受験生は100点を目指して貰いたい。
出題形式は『解答形式が指定』されているので、最終的な解答の『形』に注意しなければならない。しかし、その前提は問題の正解に辿り着くことであるので、第一に念頭に置かなければならないのは、『確実な数学力の向上』である。そのために何をしなければならないかを、以下に述べてみる。
徹底的な標準問題の演習を日々繰り返し行って欲しい。全国上位高校の入試問題について時間を決めて演習するのである。演習時間は、問題の難易度によっても異なるが、小問が3~4題設定されている大問であれば12~14分が目安であろう。計算問題や一行問題であれば解答時間は1~2分を目安に取り組んで貰いたい。
それでは、具体的な分野を挙げて学習法を考えてみよう。
数量編で最重要分野はいうまでもなく『関数』である。特に、放物線と直線との関係をしっかり演習すること。
なぜ、そのような分野が入試問題として頻出するのか。理由は、数学のあらゆる『分野』の問題を作問できるからである。
例えば、放物線と直線の交点は連立方程式を立て2次方程式を解く計算力が試される。また、その2点の交点と原点を結んでできる三角形に関する問題も種々設定可能である。相似の考え方を持ち込んで解く問題、その三角形の面積を2等分する直線の式を求める問題、座標平面上にできた図形をある直線を回転軸としてできる回転体の体積を求める問題、サイコロ2つ振って出た目の数だけ直線上を点P(m,n)〔mとnはともに整数〕から移動するとした場合にPが格子点(x座標、y座標が共に整数である)に移動する場合の数やある一定の条件を与えられ場合の確率を求める問題など、相当な分野をカバーできる問題が作問できるのである。
したがって、単に放物線(2次関数)だけの問題を演習するのではなく、それ以外の分野も取り込んだ融合問題を多く(最低50題)演習するように。
また、分野を絞り込めば平面図形(相似、三平方の定理、円と直線・放物線)に関する問題も徹底して演習しておいて欲しい。図形の問題は、単に『定理』を知っているから正解に辿りつけるという訳ではないことは言うまでもない。複雑そうに絡み合う複数の図形の中から、正解に必要な図形をどのようにして見抜いてゆくか、また見抜けるかということが大事になってくる。その様な『見通し』がないと、何時間もその問題を見ていても正解どころか手掛かりとなる『ヒント』さえもつかめなくなってくる。
それでは、どのようにしたら正解に辿り着ける図形を見抜けるようになるのか。一つの方法としては『結論から逆算する』という手法である。例えば証明問題であれば、最終的に『何がどうなっていれば与えられた問題が正しいと証明できるのか』ということを考えるのである。つまり、AB=CDということを証明したければ、AB、CDを含む図形(三角形や平行四辺形)の合同証明を行えばよい、という方針を立てられるかどうかということである。そのような手法を用いることで、図形編の問題の正答率は飛躍的に向上するであろう。
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2017年度「芝浦工業大学柏高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問1】は雑問集合問題である<8分>。完答を目指したい。
【大問2】は関数の問題である<11分>。定番と言っても良い直線と放物線に関連した融合問題。事前の準備をしっかり行い、完答したい。
【大問3】はサイコロを用いた確率の問題<11分>。確率は狙われやすいので、事前に問題集を使い演習をひた向きに繰り返すこと。
【大問4】は円に関する平面図形の問題<12分>。三平方の定理や相似の考え方をあてはめられるかがポイント。
【大問5】は立方体に関する空間図形の問題<8分>。空間図形をある一方向から捉え、三平方の定理や合同の考え方を適用すること。
【大問1】は小問集合問題。
- 時間配分:8分
(1)は平方根の計算である<1分>。正確に計算すること。
(2)は連立方程式の問題である<2分>。yについての代入法で解く。
(3)は数の性質<2分>。平方根が取れる条件を考えること。
(4)は平面図形の角度の問題<3分>。補助線を1本引いてみる。
【大問2】は1次関数と2次関数に関する融合問題。
- 時間配分:11分
(1)は2点間の距離を求める問題である<2分>。三平方の定理を用いる基本問題である。完答したい。
(2)は条件に合致する点の座標を求める問題<3分>。三角形の相似の考え方を当てはめる。どの三角形に注目するかは迅速に対応しなければならない。
(3)はtの値を求める問題<3分>。求める値に対し、問題に述べられている条件を如何に問題の正解へ辿り着く手掛かりとして、適用できるかが重要なポイントである。
(4)回転体に関する求積の問題である<3分>。回転軸を頭の中で一回転させた映像を頭の中でイメージしながらスピーディーに問題を解く。問題を見た瞬間から手が動かなくてはならない。
【大問3】はサイコロの目の出方に関する確率の問題。
- 時間配分:11分
(1)サイコロの目の数で移動したときの状態を思い描くこと<2分>。
(2)条件に合った確率を求める問題<3分>。サイコロを2回振ると、全ての場合の数の出方は6×6=36通りである。
(3)サイコロを3回振り終えたときの確率の問題<3分>。サイコロを3回連続して振ると目の出方は216回を書けるようである
(4)サイコロを3回振った場合に関する問題<3分>。すべての場合の数からP、Q、Rが全て同じ点に移動する場合の数を引けばよい。
【大問4】は円に関する平面図形の問題。
- 時間配分:12分
(1)三平方の定理を使う問題<1分>。2点間の距離を求める問題である。
(2)長さに関する三平方の定理を用いた問題である<3分>。三平方の定理をはじめとした図形問題における様々な定理や公式を自在に当てはめられるように。設問の図形の中に様々な四角形が存在するので、どの図形に着目するかを瞬時に判断できるように日頃の学習の中で練習を積んで欲しい。
(3)相似の考え方を用いた長さを求める応用問題<4分>。合同・相似な三角形を探し出し、相似比を用いて問題を解く。
(4)円の中心との距離を求める問題<4分>。三平方の定理を適用できる三角形を見つけ出すこと。(3)が解けていれば簡単に見つけ出すことができる。
【大問5】は空間図形(立方体=正四面体)の問題である。
- 時間配分:8分
(1)2点間の距離を求める問題<1分>。△BFGは直角二等辺三角形であることから問題を解きほぐしてゆくこと。
(2)三平方の定理を用いて2点間の距離を求める問題<1分>。補助線を引くことにより相似関係にある2つの三角形を見つけること。
(3)合同関係を用いて2点間の距離を求める問題<3分>。合同な関係にある2つの三角形を見つけ、求められている辺の長さが合同なもう一つの三角形の対応する辺の長さを求めることであることに気づくことがポイントである。
(4)三平方の定理を用いた問題<3分>。△PRBは二等辺三角形であることから、三平方の定理を適用する。
攻略ポイント
標準問題ばかりである。8割以上の得点を目指したい。数学が得意な受験生は、100点を取る積りで取り組んで欲しい。
中学数学の範囲からまんべんなく出題されている。難問はないが、基本問題が主流なので少しの計算ミスは命取りになる。計算ミスなどの単純なケアレスミスは絶対にしてはならない。したがって、計算力をしっかりと身に付けることを最優先で行わなければならない。その際、解答時間(2分程度)を決めて集中して問題に取り組むようにする。その繰り返しの中で、例えば「2分」という解答時間を感覚的に身に付けることができるのである。
押さえておきたい分野としては、2次方程式(展開・因数分解)、関数(1次関数・2次関数)、平面図形・空間図形(三平方の定理・各種定理)、場合の数・確率であろう。
上記の各分野の基本問題および標準問題の演習を徹底的に繰り返して行なうことが重要である。